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まちめぐりとまちづくりワークショップin岩槻

Manifesto Awards Collectionの際に、西尾真治氏から聞いた「対話による協働のまちづくり~牧之原市の取組~」の話に非常に感銘を受け、その話の中で、私は、こうした活動を発展させる肝は、市民ファシリテータ―の育成ではないかと考え、西尾氏が関わる「さいたま市民ファシリテーター」育成の関係者が参加されているという、岩槻の「さぽっと交流カフェ」に申し込んだところ、参加が認められたので、令和6年(2024年)2月23日12時半からのイベントに行って来ました。

会場入口に貼り出されたパンフレット

大宮駅から東武アーバンパークラインで11分の岩槻駅には初めて降り立ちました。ひな人形で有名な町との印象がありましたが、それ以外の情報は持ってませんでした。会場は、駅東口降りてすぐの、コミュニテーセンター3階の研修室(ワッツルームA)。

岩槻駅東口コミュニティセンター入口

1.まちめぐり

市民ファシリテーターの仕事ぶりが一番の関心事で、申込時にイベントの中身をよく確認しなかったのですが、最初が、「岩槻の魅力を共有するガイドツアー」で、そこでの経験も踏まえてワークショップを行うという内容でした。
このまちめぐり、様々な地域で、まちおこし、まちづくりの目的で使われたりしており、これも経験してみたいと、実は申し込み後に思うようになっていたので、一石二鳥感が非常に強くなっていたところでの参加でした。

まず会場で、市民サポートセンターの伊藤氏から挨拶があり、ファシリテーターの紹介、観光ボランティアガイド会(平成13年発足)のガイドの紹介、本日の日程等の説明の後、2班に分かれて、まちめぐりが行われました。
私はAグループで、参加者7人にガイドが2人ついてスタートしました。サポートセンター関係者2人もAグループで同行しました。
駅前の会場から12時40分スタート。
いただいた資料の地図にルートを赤で書きこんだものを掲げます。(駅周辺はちょっと自信がありませんが。)

いただいた資料の「第21回人形のまち岩槻まちかど雛めぐり」パンフレットの地図に書き込み。


バトミントンラケットにこいのぼりの旗。マイクと携帯用小型スピーカーを男性ガイドは装備。

雨が微妙に降っていて、説明に集中しずらい状況もあったので、7人の参加者に2人のガイドというのは、ちょうど良い感じだったと思います。一人のガイドが説明し、もう一人のガイドが個別の質問に答えたり、車の動きに注意したりということも含めて。前半は男性のガイドが主に説明をし、後半は、女性のガイドが主に説明をされました。

男性のガイドは、退職後、歴史好きもあって、経験を重ねた方。
岩槻は、歴史ある城下町。江戸時代も北の伊達氏や佐竹氏等をにらむ目的で重点的に整備されたということで、川越と並んで重要な位置づけがなされていました。日光街道が整備されてからは、日光社参で江戸から最初に宿泊されたところだそうです。・・・う~ん、ひな人形しか知らなかったので。

そうした歴史の話をしながら、「ここのラーメン屋さんは、先日のアド街ック天国にも出た、名物の豆腐ラーメンを出す店」との情報も入れ込む。

旦過口という昔の名前が残る通り、そこにある庚申堂の話をしつつ、城下町を囲った大構という土塁の上にある愛宕神社へ。この石段には、晴れていたらお雛様が並ぶところ。残念ながら雨でそれはなかったけれど、階段上って社殿でお参りができました。

愛宕神社


アニメ「その着せ替え人形は恋をする」のモデルとなった人形工房を遠くから眺め、徳川家光の教育係であった、岩槻城主青山忠俊が開いた大龍寺に。立派な龍の彫刻。厳しすぎたので、家光が将軍になってからは、疎んじられたのではないかとの話も。


大龍寺


参道を逆に進むと、以前、岩槻区役所だったところにできた岩槻人形博物館と「にぎわい交流館いわつき」の正面に。その前の道を歩いて、時の鐘へ。

岩槻人形博物館(左)と「にぎわい交流館いわつき」(右)

1671年に岩槻藩主阿部正春が設置し、1720年に岩槻藩主永井直陳が改鋳して以来、今日まで時を告げている時の鐘。平成13年(2001年)からは、自動化されましたが、日に3回、6時、12時、18時に鐘がつかれています。かつての武家町と町人町の境目に位置し、広く町中に響くようになってます。

時の鐘

武家屋敷跡の街を通り、裏からにぎわい交流館いわつきに。展示視察とトイレ休憩。その後、藩校だった遷喬館を道路から見る。


藩校・遷喬館

古い家屋をリニューアルした人気のベーグル屋さん、国の重要有形文化財の大正時代後期の銀行で、今は人形屋の人形展示の場として使われている東玉大正館を見て、駅前のみみずく土偶のレプリカの説明を受け、コミュニティーセンターに戻ったのが、13時50分過ぎ。もう一つのグループもほぼ同じ時間に戻って来ました。所要1時間10分で、予定より少し時間超過でした。

ベーグル屋さん


東玉大正館

2.まちづくりワークショップ

指定された席に、順番に着席

13時55分からワークショップが開始。
ワークショップから参加される方もいるようで、5、6人のテーブル4つに分かれて着席。ガイドの方も、参加者に混ざって着席されました。
まず、参加者は、シールに、今日、呼んで欲しい名前をマジックで書いて、服の胸のあたりに貼り付けます。私は、「ざっきー」と記入。

メインのファシリテーターの堀山さんと関根さんが挨拶。
このお二人は、茨城県五霞町(埼玉県に隣接)から来られている人たちで、後でうかがうと、西尾真治さんと一緒に、さいたま市民ファシリテーター養成の指導者役をやられているとのことでした。この後出て来る高校生ファシリテーターは、お二人の教え子でした。

会場で配られた資料

(1)高校生ファシリテーターの出番

まずは、アイスブレーク。早速、高校生ファシリテーターズの、のんさんとみくさんが登場。
机に置いてあった紙を裏返すと、ひな人形の5人囃子の人形が。これを順番で並べるというクイズ。私の席は、「うぐいす」グループの席。参加者は、他の地域でボランティアガイドを始めようと勉強している女性の方、先ほどのガイドツアーの男性ガイドの方、市民大学で勉強されている男性の方、国際交流関係のボランティアの男性の方、そして私の5人。問題に対して、女性の方が、にぎわい交流館いわつきで、5人囃子の順番を見てたまたまメモしていたとのこと。5分間で回答するようにということでしたが、「うぐいす」グループは、そのメモを信じ、さっと回答を記入。正解でした。
のんさんとみくさんの解説では、大きな音を出す楽器の順に並んでいるとのことでした。

アイスブレークの問題

次いで、堀山さんと関根さんから、この交流カフェ、よりよいまちにするためにをテーマに、市民活動等に興味のある方々17人が集まっていただいたとの話。私の隣のグループには、小学生らしい男の子も来てました。それにボランティアガイドの方3人も加わり、20人でのワークショップです。

再び、高校生ファシリテーターズが登場。全員立ってじゃんけんをし、グループの中で、1番勝った人が進行係。その左隣がタイムキーパーとして机に置かれていたストップウォッチを操作、右隣の人から順番に自己紹介。それぞれ1分の自己紹介で、終わったら互いに拍手。そうした段取りを説明し、各グループでの自己紹介を促していました。
他のワークショップでも、時間管理が一つのポイントのようで、そこでもストップウォッチを使ってましたから、このような集まりには、話好きな人が結構来るのでその対策なのかなと思いました。

終了後に、2人の高校生ファシリテータに話を聞けました。
学校に貼り出された、高校生ファシリテーター養成のポスターを見て応募。数か月かけ、日曜日に6回ぐらい開催。毎年20から30人が参加。
修了後、今回のようなイベントがあると、連絡網で参加者募集があり、それに応募して今回参加したとのこと。

(2)付箋を使ってのワークショップ

その後は、堀山さんと関根さんが進行。14時20分頃から。
付箋を使います。付箋は、上にめくってはがすのではなく、横からはがした方が、その後貼った時に見やすいとの注意がまずありました。
最初に「春と言えば」で思いつくことを、黄色い付箋1枚につき1つ書いて、用意されていたA3の紙に各自貼るというもの。集中して、1分間でできるだけ多く、ラッションペンで書くようにということでした。
私の場合、「春」→「花見」→「酒」と思い付いたのですが、それ以外はなかなか出て来ず、書けたのは4つでした。

「春と言えば」・・・出て来ない、、。

これをグループ内で発表。
その後、全体で、どれだけの数を書けたか挙手。8つも書けた人が2人いて、その二人には、五霞町に工場があるというマヨネーズのミニパッケージが賞品として渡されました。

さて、いよいよ「(市民活動などで)岩槻をより良いまちにするための楽しいアイデア」についてのワークショップになります。
その前に、サロンのルールとして、「1.自分ばかり話しません。2.頭から否定しません。3.楽しい雰囲気を大切にします。」が確認されました。各テーブルの上には、造花のレイとか、蝶ネクタイとか、楽しい雰囲気を演出する小道具が置かれ、飲みもの、お菓子も出されていました。
(楽しい雰囲気大事が全面に出過ぎていて、私など、ちょっと苦笑い状況だった感もありますが、議論の心理的安全性は大切なのでしょう。)

岩槻をさらにより良いまちにするための楽しいアイデア

先ほどと同様に、黄色い付箋にアイディアを書いていく。まちあるきで感じたこと等を中心に、今度は私も6枚書けました。
書いた後に、全員で何枚書けたかということで、私がトップ!でした。これは賞品がもらえるぞ!と思っていたところ、「皆さん、大きな拍手を」ということで、少し椅子からずり落ちました。

さて、黄色い付箋をグループの中で、テーブル中央の大きな模造紙に、一つずつ説明しながら貼っていきます。関連するものを近くに貼り、その人の説明から読み取れるもの、キーワードと思われるものを青の付箋に書いて、近くに貼っていきます。

この作業を始めたところで、視察に来ていた岩槻区長から、挨拶がありました。熱心に岩槻のことを考えている方々の意見、後で届けて欲しいとのことでした。

岩槻区長の挨拶


付箋が埋まって来ると、関連付けて並べているので、いくつかのグループが出来て来ます。ファシリテーターから、それを整理して、各グループ2分で発表できるようにして欲しい旨の話がありました。

貼り出された付箋をグループ化して、発表準備

駅からの最初のまち案内の強化、川越の芋に対抗しての岩槻と言えばの食の提供、アニメの聖地巡礼によるプロモーションの強化という、主に3つの要素が浮かび上がって来ました。そして、岩槻は、その魅力を、財産を十分に活かしていないという考えが、共通の認識として確認されました。

こうしたものを4つの班がそれぞれ2分で発表。

「だんご」グループの発表

それそれの発表を聞いた後に、各人に、赤丸のシールが3つ配られます。それを自分の班以外のところで、共感ができるところに全員で貼っていくことになります。この段になって、発表の紙での記載方法をもっと分かりやすくしておけば良かったとちょっと反省しました。

小さな赤丸シールがつけられている。

この赤丸シールによる投票は、気候市民会議in逗子・葉山で似たようなものを見ていました。実際にやるとなると、傍聴していたのでは分からない、感情の動きも感じられました。自分たちの意見を支持して欲しい、どこかが多いと自分たちの意見が負けてしまうので、そこにはシールを付けたくない、などといったものです。

ちょっと我々のグループの赤丸少ないかなと思ってましたが、これについては、集計採点されることはなかったです。

この段階で、15時45分。
ワークショップのスタートが予定より25分ほど遅れたこともあり、ここで時間があれば、次にこの全体の結果から、「どのようなことができそうか」ということについて、更に話を進めることもあり得たが、今回はここで終了するとのことでした。その場合は、赤丸の集計採点もあったのかもしれません。

区長が視察で来たこともあり、この貼り出した模造紙を区役所に持って行って、出された意見を整理してまとめ、活かしていきたいとの旨が示されました。

その後、じゃんけんで残った賞品を分けました。ここでも私は賞品を得ることはできませんでしたが。
そして、今日の感想、伝えたい考え等を紙に書いて提出。ここで、先ほどの発表の中で、特に良いと思えたこと、支持してもらいたいと思ったことを絞って整理して書くことになりました。
最後に、参加者アンケートを記載して終了です。

別れ際、グループ内で、岩槻に関する情報を交換する等、短時間でも同志のような気持ちになるということも経験しました。

盛りだくさんの経験、様々な市民活動の参考になる要素があると思い、少し詳しめに記した次第です。

市民サポートセンター担当者の挨拶「区役所に持っていきます。」



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