可愛すぎるサンタが僕の家に2人も来てしまいました
○○ : はぁ...クリスマスなのにバイトか...
周りの友達は彼氏だ彼女だデートだので浮かれているのが、今日、クリスマス。
俺にとっては憂鬱でしかない日だ。
俺のバイト先はケーキ屋。最悪だ。
目の前にはカップルの行列。
終いに俺はサンタの帽子を被せられている。
屈辱的すぎる。
現在時刻は午後6:00。
あと2時間。あと2時間耐えればこんな地獄ともおさらばだ。
—————————
○○ : 終わった〜疲れた〜
本当に疲れた。
精神的に。
?? : ○○君お疲れ様。
○○ : あ、お疲れ様。"梅澤さん"
話しかけてくれたのは同じバイトの梅澤さん。
俺が密かに想いを寄せている同級生。
まぁ...高嶺の花すぎて想いを伝えることなんてできないけどね。
でも梅澤さんもバイトに出てるってことはそういうことだよな?
流石に聞けねぇ...笑
店長 : 2人ともお疲れ様〜ありがとうね!クリスマスなのにバイト出てもらっちゃって!
このクソ店長...いじってきてやがる...
店長 : 2人の分のケーキ裏に取ってあるから持って帰っていいからな!
前言撤回。店長。神。
————————
梅澤 : ケーキ、美味しそうだね
○○ : 店長に感謝しないと。
梅澤 : 食べ切れるかな〜
○○ : ホールで貰っちゃったもんね笑
帰り道、俺は梅澤さんと話しながら帰って行った。
梅澤 : いいなぁ...
目の前のカップルを羨ましそうに見つめる梅澤さん。
○○ : だね
梅澤 : ○○君はさ、彼女いないの?
○○ : いないよ。まぁ、10月に振られたんだけどね。価値観が合わないとか言われて笑
梅澤 : そっか...ごめんね...
○○ : ううん、全然大丈夫。そういう梅澤さんは?
あ、聞いちゃった。
梅澤 : 私もいないよ?夏に彼氏が浮気してて...それっきり。
○○ : そっか...ごめん...
梅澤 : 全然!っていうかよくよく考えたらクリスマスにバイト入れるぐらいだから2人とも恋人なんかいないか...笑
○○ : だね笑
————————
○○ : じゃあ...俺、こっちだから。
いつもの分かれ道になると少しだけ寂しさが襲ってきた。
まぁ、クリスマスに梅澤さんに会えただけでもラッキーか。
梅澤 : ......
○○ : 梅澤さん?
梅澤 : あのさ、これから○○君の家、行ってもいいかな?...///
○○ : えっ?!
梅澤 : だめ...かな?
○○ : ぜ、全然!いいよ!
梅澤 : 良かった...///
嘘?!梅澤さんが俺の家に?!
もしかして梅澤さんも俺のこと...
梅澤 : べ、別にそういうことじゃないから!ただ...寂しい者同士、慰め合おってこと...///
○○ : も、もちろんだよ!あはは...
梅澤 : それにケーキ1人じゃ食べきれないし!
○○ : 俺も貰ってるから1人あたりの量変わらないけどね...笑
梅澤 : あっ...///
そうだよな...梅澤さんは俺のことなんて眼中にないよな...でも梅澤さん、可愛かったな...ちょっとバカなのかな?
ってか大丈夫か?!俺、部屋綺麗にしてあるっけ?!変な物おいてないよな?!
○○ : お酒...いる?
梅澤 : 欲しい!!
コンビニでお酒やらつまみやら買っていざ俺の家へ
いつもの道のりに梅澤さんがいるのなんか新鮮だなぁ...
梅澤 : ○○君の家、どんな感じなの?
○○ : 何にもないし普通だよ?
梅澤 : 楽しみだなぁ〜
————————
着いてしまった。
○○ : ここだよ
梅澤 : じゃ、じゃあ、お邪魔します...///
○○ : う...うん.../// あ、あれ?鍵空いてる...
梅澤 : バイト来る前に締め忘れたんじゃない?
○○ : 気をつけないとなぁ...
ガチャ...🚪
○○ : ただいま〜
梅澤 : 誰もいないのに言うの?笑
○○ : 一応いつも言うようにしてる笑
?? : いるんだけど?
○○、梅澤 : ・・・
○○、梅澤 : ええーー!!!!
?? : 大声ださないでようるさい...てか○○その女誰?浮気したの?🥺
梅澤 : ○○君って彼女いたんだ...嘘ついてたんだ...
○○ : 梅澤さん違うから!この人俺の姉ちゃん!姉ちゃんも変なこと言うな!
飛鳥 : へへ...
梅澤 : お姉さん?!
飛鳥 : ○○その子彼女?笑
○○ : かのj...
梅澤 : 彼女です!!!!
○○ : へ?
飛鳥 : へぇ〜 ニヤニヤ...
○○ : ちょ、ちょっと待って!玄関じゃ、あれだからリビング行こ!
————————————
○○ : 姉ちゃんはなんでいるの?
飛鳥 : 前の彼女に振られたばっかのクリぼっちを慰めに来てあげようって
○○ : ここに来たってことは姉ちゃんは今年も彼氏できなかったってことだよね?
飛鳥 : べっ...別に作らなかっただけだし...///
○○ : ふ〜ん...後その帽子...
飛鳥 : ○○に飛鳥ちゃんというプレゼント渡すためのサンタ帽じゃん?
○○ : 自分で言ってて恥ずかしくないんか...
飛鳥 : んで、彼女ちゃん名前は?
梅澤 : う、梅澤美波です!
飛鳥 : 美波ちゃんね。さっき○○は「梅澤さん」って呼んでたけど?
梅澤 : うっ...嘘つきました...付き合ってないです...すみません...
飛鳥 : だよね〜○○がこんな可愛い子の付き合えるわけないし!笑
○○ : ......
飛鳥 : え?ガチでへこんでんの?笑
○○ : 姉ちゃんひどい...
飛鳥 : ごめんって笑
○○ : うん...あ、バイト先でケーキ貰ったんだけど食べる?あとお酒も買ってきた。
飛鳥 : いーねー!3人でクリスマスパーティーしよ!
—————————
俺たちが来る前に姉ちゃんがピザだのチキンだの買ってきてくれていた。
さすが姉ちゃん。
○○、梅澤、飛鳥 : 乾杯!!!
その後はたわいない話をしてパーティーを楽しんだ。ちょいちょい姉ちゃんが俺が梅澤さんのことが好きなんじゃないか的なこと言ってきて焦ったけど。
○○ : 俺、疲れたから風呂行ってくるね
梅澤、飛鳥 : いってらっしゃ〜い👋
—————————
○○ : ふぁ〜温ったけ〜ん?待てよ?姉ちゃんは別に泊まっていくとして、梅澤さんはどーすんだ?こんな時間に帰らせるのは危ないし...後で送っていくか...
—————————
○○ : ただいま〜
飛鳥 : あっはっは!!梅おもしろすぎ!!🤣
梅澤 : 飛鳥さんもですよ!!🤣
え?俺が風呂に行ってる間に何があっんだ?女子って仲良くなるの早いっていうけど、ここまでとは...
飛鳥 : あ、○○帰ってきたぁ〜
梅澤 : ○○君おかえりぃ〜👋
○○ : うん
2人とも酔ってんな...
飛鳥 : ○○こっちきなよ飛鳥サンタが食べさせてあげる♡
○○ : いーよ!俺もう子供じゃないし!
飛鳥 : 飛鳥ちゃんにとってはいつまでも可愛い可愛い弟なんです〜
○○ : はぁ...
梅澤 : ○○くんこっちだよぉ〜...///
○○ : 梅澤さんまで...///
梅澤さんまでバイトで使ったサンタ帽被り直してるし...
飛鳥 : はい!○○あ〜ん!
梅澤 : あ〜んして?...///
飛鳥 : どっちのサンタからプレゼント受け取る?
○○ : ちょっ...2人とも酔いすぎ...///
飛鳥 : ○○のばーか!
梅澤 : ○○君のいくじなし...///
○○ : ったく...梅澤さんそろそろ帰る?送っていくけど
飛鳥 : は?あんた何言ってんの?梅泊まっていきなよ?
○○、梅澤 : えっ?!
飛鳥 : もう遅いしさ、布団だってあるでしょ?
○○ : まあ、あるけど...着替えは?
飛鳥 : ○○の貸せばいいじゃん
○○ : そんなの梅澤さんが嫌がるでしょ!
梅澤 : 私はいいよ?...///
飛鳥 : はい、決まり。私はお風呂いただきま〜す👋
ガチャ...🚪
○○ : 勝手すぎる...梅澤さんごめん...姉ちゃんが...
梅澤 : ううん...でもいいの?本当に泊まってちゃって?...///
○○ : いいよ...梅澤さんが嫌じゃなければ...///
梅澤 : ありがとう...///
姉ちゃんの次に梅澤さんがお風呂に入ってもう寝るだけの状態に。
ガチャ...🚪
梅澤 : お風呂ありがとう。それにパジャマも...///
○○ : ううん...ごめんね...お客さんなのにお風呂一番最後で
梅澤 : 急に泊まることになっちゃったから○○君は悪くないよ。
○○ : ありがとう
やばい。お風呂上がりの梅澤さん。可愛いすぎる!!
○○ : 姉ちゃん寝ちゃった笑
梅澤 : たくさん笑ったもん。疲れたんだよ。
○○ : 本当に自由人だな...ありがとう。姉ちゃんと仲良くしてくれて
梅澤 : ううん...飛鳥さんいい人だね。
○○ : まぁ...自慢の姉ではあるよ
梅澤 : 隣座っていい?
○○ : どうぞ
そう言ってソファに座っている俺の横に座る梅澤さん。近い。緊張する。めっちゃいい匂い。
梅澤 : 今日はありがとうね
○○ : 俺こそ...クリぼっちにならずに済んだし...ありがとう。
梅澤 : へへ...確かにそうだね笑
○○、梅澤 : ・・・
なんだこの沈黙。落ち着くような、そわそわするような...
いや、緊張だな。これは。
○○、梅澤 : あのさ!
落ち着かせるために沈黙を破ろうとしたら梅澤さんとかぶってしまった。
梅澤 : ごめん、○○君先どうぞ
○○ : いや、梅澤さん先いいよ。レディファーストってことで笑
梅澤 : ありがとう笑
梅澤 : ○○君こっち見て?
○○ : うん?
やっぱり近い。ドキドキする。
梅澤 : 私ね...○○君のこと...好き...だよ?
○○ : え?
梅澤 : だから○○君のこと好きなの!
○○ : そっか...俺だけじゃなかったんだ...
梅澤 : ん?
○○ : 俺もその...梅澤さんのこと...好きだから...
梅澤 : 本当?
○○ : 本当だよ...めっちゃ好き。
梅澤 : 嬉しい...両想いだったんだ...
○○ : 梅澤さんが俺のこと好きなんてまだ信じられない...
梅澤 : なんでよ!これで信じてくれる?
ギュッ...🤝
そういって俺の右手に指を絡ませてくる梅澤さん。
梅澤 : ○○君緊張してる?笑
○○ : めっちゃしてる...笑
梅澤 : もう可愛いなぁ...笑
チョコン...
俺の肩に頭を預ける梅澤さん。
○○ : 梅澤さん?
梅澤 : ...み...
○○ : ん?
梅澤 : 美波ってよんで?
○○ : 美波?
美波 : ヘヘッ...○○!
○○ : うん...///
美波 : 幸せだなぁ〜
○○ : 俺も...///
美波 : ちょっと眠くなってきちゃった笑
○○ : 準備するからちょっと待ってて?
そう言って離れると少し寂しそうにする"彼女"
こっちを眠そうな目で見てる。
めっちゃ可愛い。
○○ : ごめんね...姉ちゃんが俺のベッドで寝るから布団になっちゃうけど...
美波 : いいけど、なんで2つ準備してるの?
○○ : なんでって、俺と美波の分じゃん?
美波 : 1つでいいじゃん...一緒に寝ようよ...
○○ : 狭くない?...///
美波 : ぎゅってしたら大丈夫!...///
○○ : うん...///
——————————
美波 : 向かい合ってるとちょっと恥ずかしいね...///
○○ : 俺はめっちゃ緊張してる...///
美波 : ○○?
○○ : ん?
美波 : 美波サンタからのプレゼント、受け取ってくれる?...///
○○ : いいよ?
美波 : じゃあ、目、瞑って?...///
○○ : うん...///
そして、俺たちの唇は重なった。
美波 : ヘヘッ...おやすみ○○..///
○○ : おやすみ美波...///
数分後。静かな寝息を立ててスヤスヤと眠る美波。
俺はそんな美波をぎゅっと抱きしめて。
一生、美波といたいと願いながら眠りについた
『可愛すぎるサンタが僕の家に2人も来てしまいました』fin...
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