「もったいない」と意思決定の関係
「もったいない」とか「せっかく」という言葉が嫌いです。時々そういって、意思決定に介入してくる人がいます。
最初に結論を持ってくるのが Youtube 的構成なのでそうすると、そのような介入をされたとき、僕の心の中のひろゆきが「それ、あなたの感想ですよね」と言います。
生きているとどうしても人の意思決定に関わる場面に遭遇することがあります。なんか何かと、大学時代はそういうことが多かったです。そこで、自分が「もったいない」とか「せっかく」と言われるのが嫌だからこそ、意思決定に関わる際に気をつけることをメモしておこうと思います。
人には人の関数形
まずは「その人の物事の捉え方・測り方」を十分に尊重し、話を聴いてみます。そうするとその人が「どのような要素を考慮して、その中でも何を大切にして意思決定をしているのか」がなんとなく見えてくると思います。そうやって話している過程で相手側もなぜそのような意思決定をしたのかが明確になっていくはずです。
(ここから若干数学チックな用語を使いますが、ゆるふわな感じで使っているので間違ってたら優しく教えてください。)
おしゃれに言うとそれは「意思決定関数」というわけです。関数とは(たぶん)入力と出力の対応関係のことで、慣例として入力を x 、出力を y と呼びますね。
つまり意思決定の場合、y が「やる or やらない or other」のカテゴリカル変数、x が意思決定の際に考慮している要素たち、係数がそれらの要素が意思決定に与える影響を当人がどのように評価しているかに当たると思います。
個人的には良い聴き手とは、その人の意思決定の根底にある潜在的な変数を顕在化させるような人だと思いますね。そうなれるといいですね〜。
んで、その人の関数に(話を聴いた上で得られた)値を代入してみて、その人が出した結論と同じ結論が得られたのなら、その人の意思決定は尊重されるべきだし、何も間違いはない。結論が合わなかったら「でもその話だとこういう意思決定になるんじゃね?」と言ってあげればいいと思います。
そこに「個人の感想」を押し込むのはあまりにも自分勝手すぎる。 「自分の大切にしている価値観に沿って意思決定できてるんだからそれでいいじゃん!自分の関数(ここでは自分が持っている「意思決定のルール」という意味で使っています)を、今この瞬間で微分して、少しでも正の方向に傾く(=自分にとって良い・有益)と判断したから、彼/彼女はそういう意思決定をしたんだろ!なんでわざわざその人とは全く違うはずのお前の関数を持ち出して、微分して、"おれの導関数は君と同じ結論を導かない、君のやり方ちょっとおかしいんじゃない?"とわざわざ主張しだすのさ、その人の結論を曲げようとするのさ!」と思うわけです。
こっちはてめえの関数で生きてねえんだよ!!と尖ってしまうわけです。削りたての鉛筆くらいに。
まあただ、あえて自分の関数形ではどのような解が得られるのか、を話すのは悪くないかと思います。その人にはない変数を持っていたら「あ、そういう観点もあったか!」となるかもしれない。また、なぜその要素に対して例えば -5 という係数を割り当てるのかを説明することは「そうやって評価しているんですね」と参考にはなるかもしれません。
しかし!でも!その場合、注意すべきは「せっかく〇〇なのに、あなたのその意思決定はもったいないよ!」と主張をしない!だってそれ、ただのお前の感想ですから。
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無意識に自分の意見を押し付けるような人間にはなってはいけない、という自戒を込めた文章で、同時になんで「もったいない」とか「せっかく」と言われるのが嫌なんだろうと考えた時の結論でもあります。
そしてこの文章も「それ、あなたの意見ですよね(CV:ひろゆき)」くらいのノリで読んでいただければ良いと思います。
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ヘッダーの画像は poisson 分布です