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  辻井和則・写真展「神戸再発見」

生まれ育った街・神戸を、気の向くままに撮影していた私は、ある日
メリケンパークなどに作られた「BE KOBE」というモニュメントが、
「神戸はもっと神戸であれ」という意味であると知りました。
でも「神戸である」とはいったいどんなことでしょうか?

”神戸の真の魅力とは何か?”
それを探そうと、カメラ片手に今まで知らなかった神戸をあちらこちらと撮影していると、徐々に「神戸の存在意義(アイデンティティ)」のような魅力に気づき始めました。

私は70歳で仕事から引退し、”75歳までに写真個展を開催する”というビジョンを周囲に公言し、写真の勉強と練習を進めていました。
そこで写真展で「神戸の真の魅力」を伝えることにしました。
私の気付いた魅力が、他の人々にとっても同じかどうかは分かりません。
神戸を愛する人々にとって、それは一人ひとりが自ら発見することのように思えます。
そんな「神戸の真の魅力」を皆様にも再発見していただけることを願って、この写真展を開催いたします。

         <開催要領>
会期:2025年5月2日(金)~6日(火)10時~18時 (最終日は16時まで)
会場:神戸まちづくり会館 地下ギャラリー
住所:神戸市中央区元町通4丁目2-14
    神戸市営地下鉄海岸線・みなと元町駅1番出口 徒歩1分
    神戸高速鉄道・花隈駅東口から徒歩2分
    神戸高速鉄道・西元町駅東口から徒歩4分
    JR元町駅西口から徒歩8分

会場地図


写真展は以下の4つの視点(テーマ)に沿って撮影した写真で構成されています。その一部をご紹介します。

(1)神戸千六百年の歴史に触れる


 ・神戸っ子なのにあまり詳しく知らなかった長い歴史の中で、神戸という
  街がどう形成されてきたかを調べてみました。
 ・4世紀末から江戸時代まで、神戸の古い歴史を物語る行事や史跡の写真
  をご紹介します。

石峯寺・三重塔

 石峯寺(しゃくぶじ)は孝徳天皇の勅願で651年に創建され、嵯峨天皇の  勅願で三重塔を建立しました。
石峯寺のある淡河町は鎌倉時代に北条氏の一族が地頭職として入り、作られた城下町です。豊臣秀吉は、播磨と有馬・京・大阪を結ぶ西国街道の裏街道として淡河宿をつくらせ、宿は免税されて栄えました。

長田神社・古式追儺式

 旧長田村の氏人が奉仕し代々伝えてきた「古式追儺式」は、1370年頃の鬼面や行事一式が伝わり、兵庫県重要無形民俗文化財に指定されています。
長田神社の鬼は神の使いとして松明(たいまつ)などを持って交替で踊り、全ての災いを払い清め、良い年を迎えることを祈ります。
懸命に奉仕する姿が胸に響き、舞台と観客が一体化します。

(2)壊滅的災害からの復興


 ・神戸の街は戦災・水害・震災などで何度も壊滅的に破壊され、そのつど 
  力強く復興しました。そこに神戸らしさがあるかも、とその痕跡を歩き
  回って探しました。
 ・この視点は、被災・復興・祈りの3部構成になっています。

浜手バイパス被災構造物

国道2号線・税関前交差点の約200m西に浜手バイパスの震災遺構があります。鉄筋コンクリートの橋脚は鉄筋が歪んで破砕し、橋桁の接合部にあった鋼鉄の伸縮装置も曲がってしまっています。
実物でしか分からない地震の圧倒的な破壊力に驚きます。

忘れないよ

 今でも目に浮かぶ、瓦礫の街・大切な人との別れ・多くの支援の手・生まれ変わる街・神戸の記憶・・・
何年経っても、多くの人が集まる「1.17のつどい」
「忘れないよ」と語っている背中を撮らせていただきました。 

(3)自然と都会が融合した街

 
 ・海面から標高931mまで一気に高くなる神戸の地形は、山と海が近く、
  自然と街が融合しています。そんなちょうどよい大きさの街はヨー
  ロッパのようで住みやすいと、外国人に教わりました。
 ・この視点は、山の絶景・田園風景・坂の神戸・花の街・海と港の5部
  構成になっています。

六甲山の氷瀑

 厳寒の頃、有馬温泉から六甲山に登る沢にある七曲滝・百間滝などが氷結します。
昨今の地球温暖化で完全氷結は滅多に見られませんが、温暖な関西の大都会で、氷結した滝が見られるのは信じがたい驚異です。
現在は滝に至る登山道が崩落しており、容易に近寄れません。

紀淡海峡の夕景

 和歌山県と淡路島の間の紀淡海峡(11km)には、友ヶ島(4つの島の総称)があります。晴れた日の夕方、旗振茶屋の前に登ると、息を呑むような美しい絶景が現れました。

高台のベランダ

神戸新聞にかつて連載された「伝説の坂」を探して、阪急御影駅から北へウロウロしているとき、お洒落なマンションの裏道からベランダ越しに驚くような景色が見えました。六甲アイランドから関空方面まで見えています。こんなベランダでお茶を飲めるなんて、神戸って最高!

コロナ禍を乗り越え出港するにっぽん丸

 コロナ禍で客船の入港がストップし、クルーズ船業界に試練が続く中、2021年10月15日「にっぽん丸」が中突堤からクルーズを再開しました。
まだまだ先が見えない中、一筋の光明でした。
久々の汽笛、多くの乗客が甲板に出て夕景の神戸港を出港していきました。
            (神戸観光局、客船フェスタ2023写真展入選作)

(4)国際性・多様性の街


 ・神戸では多様な民族とその文化(宗教が典型)が平和に共生していま
  す。神戸では当たり前ですが、しかし世界ではそうではありません。
  宗教や部族・言語・人種・国籍などの違いが世界のいたるところで紛争
  の種となり、平和な世界は生まれません。
 ・神戸では開港以降、「隣は外国人」という状況が生まれ、日本人と外国
  人が一緒に街づくりをしてきました。
 ・神戸は過去から難民を受け入れ、反対に南米などに移民を送り出して
  きました。神戸は海外に開かれた扉のような街だったのでしょう。  

神戸バプテスト教会

 正教会・カトリック・バプテスト・日本仏教・ネパール仏教・三国志の関羽を祀る関帝廟、等々が共存し互いに認め合い共存する神戸は、世界でも稀有な存在のようで、その現代における意義は高まるばかりと思います。

日本人と華僑が再生した町

朝鮮戦争が始まったころ、南京町には外人バーが急増し治安が悪化、町は衰退しました。1970年代後半に「南京町商店街振興会」(日本人8割、華僑2割)が共同して街づくりを行い、長安門や十二支像が設置されました。中国の業者が“亥”を聞き間違いパンダになり、十三番目の十二支像として広場の中央に設置されています。

      <自己紹介>
辻井 和則
神戸市生まれ 74歳 神戸市北区在住
兵庫高校卒(56陽会)、関西大学法学部卒
日本オリベッティ、日本情報機器、リコ-などで勤務しながら、ITを利用した業務改革の企画・開発、プロジェクト管理、情報セキュリティのコンサル、プライバシーマーク主任審査員などの専門領域で研鑽しました。
70歳から写真家を目指し、個展を開く夢に挑戦中です。             

   皆様のご来場をおまちいたします。
                           以上
  




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