見出し画像

神戸の祇園まつり

「祇園祭」といえば京都の八坂神社のお祭りが有名ですが、祇園まつりは他にもあります。
福井・松阪・下館(茨城県筑西市)・臼杵などがあり、神戸にもあるのです。
久しぶりに祇園まつりに行ってきましたので、撮影した写真とともに神戸の祇園まつりをご紹介します。

平安時代の末期、京都や各地で疫病が流行り、落雷などの災害もよく起こりました。当時、これらは「祟り」(たたり)が原因であるとする御霊(ごりょう)信仰が広まりました。
天皇の権威は天地を鎮めることにあり、占いにより祟りを治める力は「素盞嗚尊」(すさのおのみこと)にあるとされました。
貞観11年(869)、姫路の広峰神社にまつられている「素盞嗚尊」の分霊をお載せしたお神輿の行列が出発し、京都・八坂神社の前身である京都北白川の東光寺にお祀りしました。
東光寺は、後に今の八坂の地に移り『祇園感神院』(祇園社)と称しました。
八坂神社の名は明治元年の神仏分離令の際に付されたものです。

一方、神戸の祇園神社は平野という地にありますが、広峰神社と縁のある姫路の書写山円教寺で修行された徳城坊阿闍梨の住まいがあり、貞観11年の分霊の行列が一泊されました。
地元の人々はその後もご神徳を感謝し、祠を作ったのが祇園神社の始まりとされています。

約1150年余の歴史を持つ神戸の祇園神社は「平野の祇園さん」と地元の人々に親しまれ、毎年7月13日朝11時から20日夜までの8日間の夏祭が始まります。
疫病や水難から逃れ、厳しい夏を無事過ごせるよう祈願するこのお祭には、8万人をこえる多くの方々が参拝されます。

私は小学校5年生の時に平野小学校に転校し、以来毎年このお祭りが楽しみでした。
夕飯を食べ終え、まだ明るい夕暮れに浴衣を着て母に連れて行ってもらった記憶があります。
有馬街道沿いの参道に多くの露店があり、キョロキョロしながら拝殿に向かうと、急な階段(八十八段)があります。

階段の上から見ると、その高さに驚きますが、兵庫・長田の街並みを望むことができます。

拝殿の前に茅の輪が設置されていました。
昔は無かったと記憶していますが、当時は茅の輪が何かを知らなかったので気づかなかったのかもしれません。

拝殿の東に見晴らしの良い場所があります。
元町・三宮方面が見えていますが、その奥に金剛山など大阪と奈良の境の山々が見えています。

拝殿の奥の本殿でお詣りしましたが、小規模ながら森と一体となった良い雰囲気です。

参拝の後、本殿の裏に回ると、射的などの露店がならび、子供たちが列をなしています。
昔も今も変わらない平和な姿ですね。

帰りは階段を下らず、脇の坂を下ります。
ここは露店が集中する場所です。

昔は金魚すくい・スーパーボールすくい・ガラス細工の玩具・綿菓子などのお店が並んでいましたが、最近は「はしまき」なる食べ物屋が数件あり、時代の変化を感じます。

私は高校時代に転居して平野を離れ、長い間祇園まつりに行くことはありませんでした。
子供が幼い頃にこんな風に手を繋いで祇園まつりに行きたかったなあ、と感慨を覚えました。
過ぎ去った月日は帰らず、失った機会を作ることも叶いません。
ちょっと感傷的な気分に浸った祇園神社の撮影でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?