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新人看護師さんから初心を学ぶ!
今日の仕事中のこと、自分って手を抜いているんだなって思うことがありました。
僕は精神科病院で働きながら、准看→正看護師を目指して通信の学校に通っております。
精神科病院で働きはじめて8年経ちます。
長年同じ職場で、患者さんのほとんどが入退院がなく同じ患者さんと接することが多いです。
精神病という病気の症状の中に、幻覚、幻聴、妄想があります。
同じ患者さんと1年以上接していれば、会話の内容が幻覚や幻聴による妄想なのか分かります。
会話していて話の内容があたかも現実のことのように話をする方がいます。
例えば「私はマンションを持っていて、今は入院しているから住んでなくて人に貸しているんです。だからお金がいくらでも入ってきます。お金の心配なんていらないので、おやつを沢山食べさせてください。」
という患者さんがいるとします。
初対面であれば「そうなんですね。それだったら好きに買って食べてもらったらいいですよ」と言って売店に買い物に行ってもらうのもありです。
しかし、患者さんのカルテで病歴を見れば、それがまったく作話(作り話)であることが分かります。
実際は年金や家族からのお金で入院費やおやつ代を賄っています。
長く接していればいるほど、その人が本当のことを話しているのか、作話なのかがすぐに分かってきます。
そんな中、この4月から新年度となり新しい看護師さんが入社してきました。
今日はその新人の看護師さんと一緒に、妄想のある患者さんと接していました。
僕は患者さんと話していて「この話はいつもの作話だな」と思い、適当に相槌を打っていました。
しかし、新人さんは作話(妄想)であっても、とても丁寧に話を聞いていました。
そして話を聞き終わった後に「ご家族に連絡とってみましょうか」と言います。
僕は何のことを言っているのか分かりませんでしたが、よくよく聞けば一緒に話を聞いていた患者さんが兄弟のことが心配だと話していたと言います。
「ご本人がとても心配しているので、電話をしてみよう」と言うのです。
しかし、実際には兄弟はいません。
妄想上の兄弟の話なのです。
新人さんに説明すると「そうなんですか!」と驚いておられましたが、こういったことは精神科で働いているとよくあります。
僕は患者さんとの会話で、これは本当の話ではないと分かった時点で話を適当に聞き流していました。
しかし、今日の新人さんが患者さんの話を聞く姿を見て
僕もあんな風に、真剣に患者さんの話を聞いていた頃もあったなーって思い出しました。
初心忘れるべからず!と言いますが、新人さんの患者さんへの姿勢を見て初心を思い出した日となりました。
長く同じ場所で働くということは、良くも悪くもありますね。