親孝行に言葉はいらない
僕は父とはあまり言葉を交わさない。今日は突然、父から呼ばれて出掛けたのだが、いつまでも親の背中を見て子は生きているんだなと実感した。
突然の連絡
昼間に「今日空いているか?」とメールがあった。未だにガラケーを使い続けている昔気質の父である。
なんだろうと電話をかけると、4~5日前から首が痛くてどうにもならないから揉んでほしいということだった。
なーんだ・・とちょっと安心した。しかし父からこんな連絡をしてくることは滅多にないので、そうとう困っているのだろう。
僕がマッサージの仕事もしているから、SOSの連絡してきたのだ。
優先すべきは
今日は昼間の病院勤務のほかに、今夜はネットの仕事の締切が迫っていたのでやる予定だったのだが、何を優先すべきかと考えた時にやはり僕を頼って連絡してきた父の方だった。
仕事よりプライベート優先
これは僕が仕事をするうえで思っていることだ。仕事は遅れてもその後の対応次第で許されることもあるが、家族が大変な時に力になれないような人間にはなりたくない。そう考えてきた。
だから自分の仕事は遅らせてでも、父の元へといくことにした。それでも予定を組み直して、納期までにはなんとかする!
父の様子はというと
父は毎日泊まり込みの仕事をしており、ほとんど家に帰っていない。今日も呼ばれたのは職場の休憩室で、そこでマッサージをしてきた。
どうやら本業のほかに個人で受けていた仕事を無理してやっていたら、首周りを痛めたようだ。
(僕も本業のほかに複業をやっているので最近仕事のやり方もなんだか似てきたような気がしている)
マッサージ
いざ父の体に触れて、凝っている場所を探したのだが、どこを触っても痛いと言う。これは重症だ。
少しずつ少しずつほぐしていった。
どこを触っても硬く、最初はかなり痛かったと思う。言葉には出さずとも体をよじらせていたのでよく分かった。
しだいに柔らかくなっていくにつれて、体をよじらせて痛がることはなくなった。約1時間ほどマッサージをした。
その間、会話はなかった。
僕はただただ、マッサージをしながら父の体と会話していた。
ありがとう
マッサージが終わり、楽になったと父の言葉を聞き
「無理しないように」とだけ伝えて去ろうとした。すると父から買っておいてくれたであろうジュースを渡される。
よくあるような最近はどうしてる?とかいう会話はないが、父も頑張っているのだ。僕も頑張ろうと思った。
父は72歳になるが、今でも現役で仕事を続けている。
僕も父のようにいつまでも現役で仕事をしていきたいと思う。
いくつになっても親のその背中をみて子は生きている。
親は偉大である。