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【ゲイ自覚後の激動の中学生活】

Iくんからの「彼女ができた」と報告をきっかけにして、自分は、性欲や恋愛感情の対象が異性じゃなくて同性なんだとはっきりと自覚をしたが、それとともに、初めて自分の内なる「同性愛嫌悪」「同性愛者への差別意識」(ホモフォビア)とも直面した。

自分の内なるホモフォビアと直面したと感じたのは、
誰に何かを言われたわけではないのに、
この時に、
「『自分の性欲や恋愛感情の対象が同性』だってことをIくんに言ったら、今まで築いてきた関係は全部壊れちゃう」
「今のIくんとのいい関係を壊さないようにするにはこのことは絶対に言ってはダメだし、気付かれちゃダメだ」
「友達にバレたら絶対に友達じゃなくなるし、いじめられる」
「家族にバレたら絶対に家から追い出される」
っていうことを強く感じたし、思ったし、考えたから。
これらの感情や思考は、自分の中で「性欲や恋愛感情の対象が同性」っていうのを「異常なこと」とか「変態的なこと」と捉えていたから出たものだった。
きっとそれは、それまで生きてくる中での、テレビや、親、周りの地域の大人、学校の教師から観たり聴いたりしたことの影響が大きかったと思う。今から考えると、自分の内側にホモフォビアを強く持っていたことがわかる。

だから、この時、自分には、
「絶対に誰にも言えないし、言わない。死ぬまで隠し続ける。」と決めるしか選択肢がなかった。

かと言って、Iくんへの感情が変わるわけではなく、むしろ「Iくんが好きなんだ」と自覚してから、その感情は日に日に強くなってしまった。
でも、どうすることもできずに、悶々としたまま、中学生生活を送っていた。

中学生のころって、「クラスの誰が好きか」とか「芸能人だと誰がタイプか」とか「誰と誰が付き合ってる」とか、そんな話題がよく飛び交っていたように思う。
そんな話題になった時に、「Iくんが好き」なんてことを言えるわけもないので、できるだけ、「そういう話題には関心のない人」を装うようにしていた。そうすればそういう話題を振られることも少なくなるんじゃないかと。

それでも中には、良かれと思ってしつこく聞いてくる友達もいた笑
で、やむなくその場で思いついたクラスの女子の名前を挙げてしまったことがあり、その友達に、告白する場をセッティングされ、その女子に告白して振られるという体験もした。
巻き込んでしまったその女子には今でも申し訳なく思っている。

また、中学では、
林間学校や修学旅行などの宿泊を伴う行事があった。
その度に、班分けで、「Iくんと同じになるといいな。」と思ったり、同じ班になれなくて落胆したりしていた。
それにそういう行事の夜は、同じ部屋の友達同士で、性にまつわる話題も話し込まれるが、そういう話題に入るとまた嘘をつかなきゃいけないので、耳をダンボにしながらも寝たふりをしていたのを記憶している。

そうこうしているうちに、高校受験の時期を迎え、結局、Iくんとは別々の高校に進学することになり、自分の中だけで激動だった中学時代の恋はそこで終わった。

長くなったので、今回もこのへんで。

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