週刊金融日記 第333号 最近日本の受動的な教育について批判的な論が多くなったように思う、米中関税報復合戦加熱、ベトナム旅行 その3 ダナン・ホイアン編、歯科医ですが投稿された口臭・歯周病ケア方法についてコメント、他
// 週刊金融日記
// 2018年9月5日 第333号
// 最近日本の受動的な教育について批判的な論が多くなったように思う
// 米中関税報復合戦加熱
// ベトナム旅行 その3 ダナン・ホイアン編
// 歯科医ですが投稿された口臭・歯周病ケア方法についてコメント
// 他
こんにちは。藤沢数希です。
台風21号は関西を直撃して、Twitterでは衝撃的な映像がたくさん流れていました。よく関西空港には行くのですが、あの橋に流されたタンカーが衝突するとか、神戸港からコンテナや輸出を待っていた車が次々と流されていくとか、本当に恐ろしいですね。このメルマガが届くころには、台風は過ぎ去っているでしょうが、いち早く復旧することを祈っております。
★台風で京都駅の天井が崩れ落ちました。下に人はいなかったようで幸いでしたね。
●関西空港の連絡橋にタンカー衝突 乗組員は全員無事救助
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180904/k10011607811000.html
●台風21号「関西経済に大打撃」関空被害、影響長期化を懸念
https://www.sankei.com/west/news/180904/wst1809040111-n1.html
学校の夏休みも終わり9月になりました。僕は8月はずっとアジアを周っており、ようやく日本に帰ってきました。しかし、また、すぐに海外出張の予定です。いまはまだ東京に住んでいますが、なんだかノマド生活も悪くないなぁ、と思い始めました。僕のように文筆業をしていると、空港で飛行機を待っている間や、もちろん飛行機に乗っている間にも仕事ができるので、空の移動はあまり負担ではないんですよね。この週刊金融日記も東京を拠点とした日本国内のメルマガから、そろそろアジア全体に範囲を広げるべきときではないか、と思い始めました……。
今週も興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。
-身重180cm細身の医師ですが結婚を考えひとりに絞った彼女に振られてしまいました
-理想の夫婦関係を築くための愛人トライアングル
-恋愛工学とマッチングアプリを駆使して10人の女子キープを達成
-浮気に対して罪悪感があることを話したらセフレにドン引きされました
-モテている人がモテるのは「勘違いさせる力」が影響しているのでは
-海外出張帰りは女子の食いつきがいいようです
-元アイドルとDキスできたのですがホテルに誘おうとしたらいきなり激怒
-口臭・歯周病ケアの情報をシェアします
-歯科医ですが投稿された口臭・歯周病ケア方法についてコメント
それでは今週もよろしくお願いします。
1.最近日本の受動的な教育について批判的な論が多くなったように思う
僕は相場でも何でも変化の変わり目を人より早く見つけるのは得意だが、どうもバブルには乗り切れないところがある。バブルだとわかっていても買わないといけないときはあるが、そういうのがなかなか苦手だ。評論家としても同じで、僕が10年ぐらい前から言っていたことについて、最近は他の評論家も同じようなことを言うようになった。何でも動くのが早すぎて、盛り上がったときには僕自身はすでに降りているのだ。
たとえば、メディアに関しては、テレビ局や新聞社、数多の雑誌……という従来のマスメディアが持っていたパイを、個人ブロガーやSNS上のインフルエンサーとそれらのプラットフォームであるGoogleやFacebookなどがどんどん削っていくことになる。メディアに限らず、無数に提供される便利なアプリやWebツールで個人が武装し、そんな個人が直接グローバルな市場につながっていく、と。『個人の時代』である。ドナルド・トランプ米大統領のTwitterのフォロワー数は現時点で5400万人だ。彼のアカウントの視聴者数はアメリカのいかなるメディアよりも大きい。
●Donald J. Trump
5年ぐらい前までは、僕はこうしたオピニオンを最も強く発信していたブロガーのひとりだった。いまや多くのインフルエンサーがずっと昔に僕が言っていたことをそのまま言っている。そして、そうした個人の時代に、お前もインフルエンサーになれ、などと煽り、様々な情報商材が売られ、オンラインサロンなどが乱立している。
僕たちの週刊金融日記は、そうした安易なビジネスにはまったく関わってこなかった。創刊号から変わらぬ一通わずか200円程度という低価格で、グローバル化し急速に移りゆく現代の恋愛市場やビジネスシーンにインサイトを与えるアップトゥーデートな情報を発信し続けてきた。
この安価なテキスト情報だけのメディアから、そういった情報商材やオンラインサロンのプロデューサーを遥かに超えるインフルエンサーたちが次々と生まれた。一方でインフルエンサーを作ると謳うところからは、ぜんぜんインフルエンサーが出てこない。皮肉なことである。
『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』藤沢数希、2006年12月
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『外資系金融の終わり』藤沢数希、2012年9月
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『週刊金融日記 第164号 ネットでコンテンツを売る方法 その1』
『週刊金融日記 第199号 ネットでコンテンツを売る方法 その2』
『週刊金融日記 第247号 掃き溜めのようなインターネットの世界で生き抜くために』
このように旧来型メディアの収益は、個人メディアやSNSのインフルエンサーとプラットフォームを提供する米国の巨大IT企業群に奪い取られていった。ある意味でゼロサムゲームだった。そして、旧来型のメディアが支配していた世界と、いまの世界では情報の質が上がったのだろうか。あるいは、言論の自由、そして、表現の自由といった基本的人権はより守られるようになったのだろうか。残念ながらそうではなさそうだ。
フェイクニュースが飛び交い、人々は真実は何かを顧みることなく、単に自分にとって心地良い情報に飛びつき、間違った考え方やある種の信念を自己強化し続けている。調べたいことをGoogleに聞くと、Googleの人工知能を騙すSEOが施されたアフィリエイトサイトがずらり出てくる。さらにその上には、Google AdWordsを使って仕込まれたフィッシングサイトまで出てくる始末だ。いわばインターネットで学習すればするほどバカになるという「負の学習効果」が市民社会を覆いはじめた。かつての秩序が破壊され、いやまネットの情報空間は、さながら北斗の拳の世紀末の世界のようだ……。
●インターネットは現代社会にバラ撒かれたアヘンである。
https://cakes.mu/posts/7181
さて、同じく僕が10年ぐらい前によく言っていたが、当時は誰もあまり真剣に聞いていなかったことがある。それは日本の教育のある種の特殊性と、日本の知性観がひどく間違っているということだ。日本の教育は、18歳時点で受ける文科省が範囲を決めたペーパーテストで高得点を取るために過剰に最適化されてしまっている。
『週刊金融日記 第201号 現代受験工学の最前線』
『週刊金融日記 第202号 早期教育の効果と副作用』
『週刊金融日記 第203号 先取り学習は最強だが最も効率の悪い勉強法』
日本の学校教育は習字であり、茶道だ。問題があり正しい答えがある。講師が教える解き方を模範し、それを速く正確に、そして何も見ず自らの記憶だけで答案用紙の上に再現できる者が高得点を得る。日本の受験生の模試偏差値を極限まで引き上げる方法は、子供4人全員を日本最難関の東大医学部に合格させた佐藤ママが開陳してしまった。もっとも、そこに書いてあることは何も新しいことはなく、受験産業に詳しい人には非常にオーソドックスなものだった。
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