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UN01 国連で働くには?

ジュネーブ本部で2回目の勤務をしていたとき、日本人職員会のお手伝いをしていた関係で、何度か日本からの訪問団体を受け入れた。国際関係を勉強している大学のゼミや、英語教育に力を入れている私立高校だったり、地方自治体の派遣団だったり。国連の仕事に関心を持ってもらえたことは、嬉しかった。

よく学生から聞かれたのが、「どうしたら国連に入れるのですか?」ということ。その次が「どうやったら英語で仕事が出来るようになるのですか」だった。確かに、国連で活躍したいと思ってもどうやって就職するのか分からないし、英語がどれくらい出来ればいいのかの目安もない。まずは就職について。

日本だと、企業にもよるだろうけれど、関心のある企業にエントリーシートを書いて出して、OB/OG訪問があって、会社説明会に参加して、入社試験と面接を受け、うまくいけば内定をもらえ、受諾すると4月に入社することになる。それから、「配属ガチャ」がある。

国連の採用は、そういう新卒一斉採用の仕組みをとっていない。経験を積んでからの中途採用の方が一般的だ。ちなみに日本企業のように人事部が配属や転勤を決め、キャリア形成のお世話をしてくれることもほとんどない。自分の経験等に照らし合わせ、公募される空席に自分で応募することが通常だ。

国連に入ることよりも、「何がしたいか」「何が出来るか」が重要で、その能力や知識、経験を国連機関が求めているかどうか、だと思う。だから、誤解がないように言えるといいのだけれど、「国連で働くこと」自体を目標にするのは、あまりお薦めできないように思う。

もし、国連で実現したいことがある若手の人だったら、外務省が実施しているJPO(Junior Professional Officer)派遣制度に応募するのがいいように思う。JPOとして派遣された後に、全員ではないけれど、採用され職員として活躍している人が多数いる。

日本の入社試験に近いのが、国連事務局のヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)だろうか。以前は国連職員採用競争試験と呼ばれていたように記憶しているのだけど。毎年いくつかの分野で試験が実施される。世界中での競争なので、相当に狭き門だと思う。

中には、大学院修了後インターンとして入り、その後短期契約をいくつかもらって、その後、正規職員になった猛者もいる。不安定な雇用をよく何年も我慢したなと感心することがある。

国連職員の中には省庁から派遣されている方々もいる。国連機関の仕事の多くが、対政府だったり、政府間の仕事だから、政府出身の人が活躍できる場面は多い。



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