2024年10月20日「相談員研修」
久しぶりに研修に参加しました。
生活相談員の研修と言うか、集まりです。
2ヶ月に1回この集まりがあるとのことで、楽しみにしていました。
私の働いている高齢者介護は、たくさんの専門職が集まって行っています。
なかでも相談員や施設ケアマネは、各施設に1ほどの少数な専門職です。
ですので、なかなか共感してもらえる人や、仕事の相談が出きる人がいませんので、相談員の集まりはとてもありがたいものです。
同業種の集まりがあるのならば、ぜひ参加したくて緊張はしましたが、楽しみでもありました。
今回は高齢者虐待についての勉強会とのことでした。
しかし、それは同業種の集まりなので、虐待そのものの勉強会ではなく、研修の進め方の勉強会でした。
研修の資料の作り方や、施設内研修の進め方、おすすめの資料などの紹介を前半では、ご指導いただきました。
ありそうでなかった勉強会で、とても有意義な時間を過ごさせて頂きました。
なんと、その方がこの研修で使用していたパワーポイントのデータを頂けるとのことで、本当にありがたいです。
後半は講師の提案で、ディスカッションをする時間となりました。
まずは恒例の自己紹介、施設名と名前のみでホッとしました(笑)。
講師は、奈良県の認知症の研修に参加したことのある人なら知っている、とある特養の施設長と、福祉大学の准教授が参加しておられます。
講師の助言でテーマが虐待なので、そのないようにあったディスカッションをしようということになりました。
虐待は突然起こるわけではなく、その前にあるのは「不適切なケア」と言われています。
虐待防止とは、「不適切なケア」に気がつき、虐待に至るまでに改善することだと考えられます。
では「不適切なケア」とは、どういうものなのかと考えていくと、日常の業務のなかでやってしまっていることが多かったりします。
例えば……
ご利用者自身で出きることを、時間がかかりすぎるからという理由で介助してしまう。
食事を拒否するご利用者に、無理やり食事介助をする。
頻回にトイレに行くご利用者に「さっきもいったでしょ」と、介助を後回しにする。
など、介護現場で働いている人ならば、よくある光景ではないでしょうか。
たくさんのご利用者の介助をしなければならず、時間も限られてしまう業務のなかで、仕方がないといってしまえばそれまでなのですが、「不適切なケア」といわれてしまえば、なんとかしなければなりません。
そこで、施設で「不適切なケア」撲滅の取り組みをされているところがありました。
「不適切ケアチェック表」を用いて、自分達の職場でしてしまっているものをチェックしてもらい、集計して現場にフィードバックしている。
とここまではありがちですが、その施設はそれを毎年実施して、さらに現場でチェックされたケアの中からひとつを選んで、それをなくすための取り組みをしているとのことでした。
その結果、「不適切なケア」減ることはもちろんの事、チェック表を用いて取り組んでいくなかで、見て見ぬふりせず、不適切ケアについて口にだしやすくなったそうです。
それは、意識が高まっているということですよね。
「不適切なケア」が改善できないのはなぜかを考えてみました。
リスク回避を優先させてしまう
業務の効率を優先させてしまう
この2点が始まりなのではないかとおもいます。
そのために、「この方法は、転倒防止のために仕方がない」「人手不足なので仕方がない」と見て見ぬふりをしてしまう。
これを続けていくことで、感覚がマヒしてしまい「不適切なケア」という意識がなくなってしまう。
なので、言うことを聞いてくれないご利用者に、「何で言うことを聞いてくれないのだろう」と、イライラしてしまう。
イライラしている感情のまま、言葉に出してしまう。
暴力などの虐待行為や身体拘束に発展していくのだと考えられます。
さらに注意する人がおらず、施設全体で暗黙のルールのようになると、赤信号皆で渡れば怖くないというように、変な安心感のようなものが生まれるのではないでしょうか。
同じ方向を向くということは、よくも悪くもすごいパワーがありますね。
ですので、施設全体で「不適切なケア」に気がつけるだけでなく、改善しようという方向に向かなければ、施設の存続にも関わって来ることがわかります。
現場から離れた今、より「不適切なケア」に気がつきやすくなっています。
そんな自分が、その状況を改善するために、どのように働きかければいいのかを学べた研修でした。
また、少数の専門職になってみて、孤独な気分になっていましたが、この集まりに参加することができて、相談ができる場所ができてホッとしています。