自動車の電装とMCU

   まず最初に、自動車を走らせるために必要な4つの回路がある。
①エンジンを始動する回路 
②圧縮混合気に点火する回路 
③発電してバッテリに充電する回路
④燃料を圧送するポンプの回路(電装ポンプ)

   ③は置いておいて、①②④は心臓であるエンジンを動かすために欠かせない回路になる。エンジンをキックし、燃料をエンジンに送り、燃料に点火して回転力を得るまでの基本の流れである。
そして、この回転力からバッテリを充電するのが③の回路になる。

①始動系回路

   まずエンジンを動かすにはバイクのキックスタータや発電機をイメージすると良いが、スターターモータを回転させて初動トルクを与えて、エンジンのクランクを動かしてあげる必要がある(クランキング)。

   スターター回路の主スイッチであるStarter SwitchとON/OFF制御をするMagnet Switchがある。

②点火回路系

   次に、シリンダにあるスパークプラグに火を入れるために点火回路が必要になる。4気筒、8気筒とあるエンジンのシリンダに適切なタイミングで点火することでエンジン効率は最大化される。

   回路には15kV高電圧を得るための変圧器があり、
各気筒に電流を振り分けるためのディストリビュータがある。これは機械的に振り分けを行っているが、実際はここも電装化してトランジスタでタイミングを制御している。

③発電回路系

①と②と④燃料ポンプがあれば車は走るが、バッテリーの電力は消費されて動かなくなってしまう。そこでエンジンから発電して、整流(AC→DC)して充電する。つまり発電機と整流回路と発電電圧を制御するRegulatorが必要である。

電装制御とMCU(マイコン)

さてここまで来て、自動車の電装回路で複雑なスイッチングが必要な部分として、①始動回路のマグネットスイッチ、②点火回路のイグニッター、③発電回路の制御回路があった。

また、自動車の基本機能であるエンジンやバッテリーだけではない。
変速機、ブレーキ。
ランプ、パワーウィンドウ、アンテナ、ミラー、シート、スライドドア、ステアリングのパワーアシスト、ドアロック、ナビゲーション、ETCなどなど。
電気自動車になればエンジンそのものが電装化される。

これらいくつもの機能を制御するために、下のようなMCU(マイコン)を搭載したECU(電子制御ユニット)が数十個も搭載されている。


参考文献


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