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ロシアとウクライナ

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ウクライナ戦争を考えるために、ロシアとウクライナに関する本を読んで自分の考えをまとめていきます。
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2023年3月の記事一覧

カスタマーサービスに電話しながら対戦車ミサイルを撃つー小泉悠『ウクライナ戦争の200日』を読んでみた

ここ最近カンボジア内戦、満州についての小説を読んだのですが、すると今の戦争についても考えたいという思いが高まってきました。いまさらですが。ウクライナ戦争といえば小泉悠でしょということで、二冊書いましたよ。『ウクライナ戦争の200日』(文春新書 2022年9月)と『ウクライナ戦争』(ちくま新書 2022年12月)。 前者は対談集(鼎談もあり)で小泉が批評家(東浩紀)、小説家(砂川文次)、防衛研究者(高橋杉雄)、映画監督(片渕須直)、漫画家(ヤマザキマリ)、ドイツ人エッセイスト

合理性の行き着く先は地獄?ー小泉悠『ウクライナ戦争』を読んでみた

前々回につづき、今回もウクライナ戦争関連書を読みます。今回読むのは小泉悠のベストセラー『ウクライナ戦争』(ちくま新書)。これは2022年12月に刊行されているのですが、執筆は9月に終了しています。ですからそれまでの事実に基づき書かれています。 私がウクライナ戦争関連書を読みたいと思ったのは、将来にわたって、どうすれば争いを回避できるのか考えたいと思ったからでした。そのためにはロシアが戦争を起こした動機を知ることがヒントになると思いました。 動機小泉はプーチンの大義の妥当性