宇宙の大精神(3)

次に精神を簡単なる図解をもって説明しよう。

ただし、精神は
図のように四角いものでもないし、
第一二三と順序にならんでいるものでもない。

わかりやすくするために
図にしているのである。
誤解なきよう付言しておく。



先ず、精神を
極簡単に分解して説明すれば、
大略上図の如くである。

そして精神は
「意識的」
に作用することと、
「無意識的」
に作用することとがあるのである。

意識的に作用する精神を
心理学上では
現在精神、
顕在精神、
現在意識、
顕在意識
等と言っているのである。

無意識的に作用する精神を
心理学上では
潜在精神、
潜在意識
等といっているのである。

これを
本会の精神解剖図によって説明すれば
意識的に作用するのは
外意識の作用
である。

無意識的に作用するのは主に
内意識の作用
である。

また
第三精神の場合もある。
所謂「神夢」とか「虫の知らせ」
等というのが、
この第三精神の作用である。

とにかく
精神の説明を徹底的に述べるには
これのみでも数百ページを要しても
説明しきれぬものであるから
ここではその概略を
何人にもわかるように
例話をもって説明し、
もって後章に移る前提とすることとする。


よく酒を飲む人が
酒を断つ、といって
五日や七日は禁酒するが、
ついには我慢ができなくなって
またもとの呑ん兵となる実例は
各地で聞くことである。

これは
心の中に酒を好む観念
が潜んでいて
この観念に内意識が刺激されて
そしてこの内意識が活動して
消化機能を支配する神経を刺激する
ために酒に対する食欲が盛んになり
ついには外意識の禁酒念力も打破されてしまう
結果である。

つまり
今後は禁酒すると決心する、
これは意識的に、
すなわち外意識が定めるのである。

飲みたくなる
=自分では呑もうと思わない、
いや呑むまいと力めるけれども
呑みたくてたまらなくなる、
これは無意識的
すなわち内意識の作用に基づくのである。

飲酒癖ばかりではなく
喫煙癖の人や、間食癖の者が
これを止めようとして
はじめの何日かは止めても
ついには我慢できなくなってしまうのは、
皆右と同理に基づくものである。

なにかを食べて吐いて、
それと同じものを食べると
必ず吐く癖の者がある、

これは「そのものを嫌う観念」
が潜んでいて
それを食べると
その観念が内意識を刺激するそして
消化機能を支配する神経に作用する
から吐くのである。

つまり、
「腹が空いたから食べよう」
と思って食べる、これは意識的即ち外意識の活動である。
その「食べたものを吐いてしまう」
これは無意識的、
即ち内意識の作用である。

吃音者がどもるまい、
とつとめてもどもってしまうものである。
「どもるまい、と力む」
これは、意識的、即ち外意識がなすのである。
どもるまい、と力んでも
「どもってしまう」
これは無意識即ち内意識の作用である。

これはどもる想像概念が潜んでいて
内意識に作用し、
これが発語機能を支配する神経に作用する
結果である。

どもりばかりではなく、
赤面癖や寝小便、夢精、手淫、早漏、
不感症、居眠り、車酔い、
難産や流産の癖、
その他種々の癖もみな
この想像観念が潜んでいて
内意識に作用し、
これが生理的機能を支配する結果であるのである。

以上の如きものであるから
潜在しているその悪い観念を除けば
如何なる癖でも根治する
のであることは申すまでもないことである。

本会で教える悪癖矯正法は
すなわちこの
潜在観念を除き
そして完全なる観念を作る
方法であるのである。

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