消化機能に及ぼす精神作用(2)
○医師の命に背いたら胃炎が治った実例
本会の近所の人が胃腸が悪いとて、
医師の診断を受けていた。
医師は胃炎だと言ったとのことである。
そして、医師より流動食以外の物は
絶対に禁じられていた。
その方が、たまたま親戚より「赤飯」をもらったのである。
彼は赤飯は大好物であったので
我慢はできず、
とうとうその赤飯を
思う存分に食べたのである。
家族は大いに心配したが、
患者は
「なあに、好きなものを十分食って
それで死ぬなら、思い残すことはないさ」
といっていたそうである。
ところが、意外にも
それからは下痢も止まり
なんとなく身体もしっかりして
元気がついてきた。
翌日医師が来て
「非常に良くなってきた」といったので、
その患者は
「なんだ流動食以外の物を禁じておいて、
医者の言う事を守っていたら
下痢も止まらずいたものが、
赤飯を食べてからは下痢も止まる、
身体の具合もずっと良くなってきた。
なんだか医者の言うことも
信じられなくなった。
もうこんな薬は止めて
これからは何でも食ってみよう」
と言って、それからは
薬は全然止めて
食べたい物は
何でも食べたが
それでも病気は全治してしまったのである。
この例にみても、
好きな物なら良く消化作用が営まれ
そして案外胃腸をさないもの
であることかるであろう。
○食べた翌日気がついてから吐いた実例
某婦人が粟(あわ)を食べれば、
必ず吐く癖があった。
ある時其の家で
粟の餅と米の餅をついた。
彼女は粟を食べれば吐いてしまうので
米の餅を食べたのである。
食べた翌日になって
彼女の母が
「昨日の米の餅には粟も少し混ざったいたのに、
よくお前は吐かなかったね」と言った。
言われた彼女は忽ち顔色が変わってしまって
ついには吐いてしまったのである。
粟の餅は前日に食べたのだから
吐く筈がないのである。
胃などに病変があって吐く場合もあるが
多くは右の実例によってみても分かる通り、
別に病変がなくとも
精神が吐く作用を起こして吐くものである。
彼女が腸狭窄で
某医師の診療を受けていた。
2,30分ごとに起きる激痛に
冷や汗を流して苦しむのであった。
はじめは医師の注射で
鎮めることができたのであったが、
ついには注射も全然効かなくなった。
そして会長を頼みに来たのである。
会長が行って施術すると
激痛は全く去ったのである。
患者「もう長らく何も食べてないので、
この通り衰弱しきってしまいました
何か食べてもよいでしょうか?」
会長「好きなものを
過食せぬように食べるなら
差し支えありません」
患者「医者様は牛乳か
きも湯か
果物の汁以外もものはいけない、と言われていますけど」
会長「それなら、
医者のいう通りにしていたほうがよいでしょう。
しかし私の意見としては
好きなものなら、
過食せぬ程度に食べるには
差し支えないと信じます」
といってわかれた。
翌日行ってみると、
患者「昨日先生がおかえりになったあとで
うどんを食べてみましたら
少しも何でもありません。
ただいま大便も少しでました。
身体は力づいて元気もでました
先生にお願いするまでは
毎日毎日夜昼なしに20分毎くらいには
あの通りの冷や汗を流して
苦しんでいたのですが、
先生に昨日施術していただいてからは
少しの痛みもおこりません。」
まもなく医師も来た、
すると患者はその医師に向かって
「先生からいただいた薬は
いくら変えてもらっても吐いてしまいますけど・・・・」
医師「あまり水を呑んで
胃がいっぱいになっているせいですから
水を飲まないようにしなさい」
患者「いいえ、薬を吐いたすぐ後で水を呑むと、
水なら呑めます。
ですから胃がいっぱいのせいで
薬を吐くとは思えませんね」
「・・・・・」
会長「それは薬を嫌う観念が
消化機能に作用する結果です」
その日も施術して帰り
そしてまた翌日行った。
患者「昨日も種々のものを食べましたが
何でもありません。
目に見えて身体に力がつきまして
便所へも一人でいけます。
今朝は久しぶりで顔も洗いました
先生、医者の薬は止めようと思いますが、
いかがでしょうか?」
会長「あなたは薬は吐いてしまうと
いうではありませんか。
それでは今までだって
薬は飲まなかったも同然でしょう。
止めるとも止めないとも
あなたのお考え通りにやりなさい」
また、その翌日いったところが、
彼女は庭を散歩していたのである。
昨夜は何十日振りかで入浴もしたといって
喜んでいた状態であったのである。
右の実例によっても、
胃がいっぱいのために吐くのではなく
精神作用が消化機能に
及ぼす結果であるのがわかるのである。
以上の各例によって
消化機能を支配する精神の威力を
悟らねばならないのである。
そして消化器官に関する諸病諸癖を
精神方面から治療する方法が
如何に合理的なことであるかも理解すべきである。
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