第十一章 暗示とはどんな事か(8) 外部暗示三
ある青年が重病で
会長が頼まれて往診した。
聞く所によると
「医師は三人も替えてみたが
増々衰弱するので、
行者なども頼んで祈祷したりしたが
何の効果もないので、
両親も諦めているが私には諦めきれぬ」
と患者の妻君が涙を落としていた。
会長が種々質した結果これは
「易者に悪い暗示を与えられている、
そしてそのために病を製造している」
ことを看破した。
彼は結婚するときに
ある易者に見てもらったところが、
「その妻とはすこぶる相性が悪いので結婚すれば命がない」
と
「また方位もとても悪いので
その方位から妻を求めれば
家内に風波が絶えなくなり結局その家は滅ぶ」
と言われたとの由である。
そこで会長は
易者に与えられた悪暗示を除去して後
「必ず治る暗示」
を与えてやったら
ずんずんとその病は治ってしまったのである。
そしてこの夫婦は
非常に仲良くまた両親にも非常に気に入られている嫁で
一家揃って常に健康で笑顔が溢れている、
したがって財的にも
増々福福しているのである、
つまり易者の言った言とは
全然反対に幸福なのである。
世の中には
方位や相性や家相等の根拠もなき迷信や
または神の罰だの仏の祟りだのなどという迷信を
信じていたりするために
悪い自己暗示を起こしたり
または悪い外部暗示を受け入れたりして
そして病を製造したり
また病を治らなくしていたり
死亡したりするものが
相当たくさんいるのである。
このように
悪暗示のために病を製造したり、
或いは病を治らなくしたり
またあるいは病を進行させつつある者は
その悪暗示を除去しなければ
いかに妙薬を服んでも療機でもまた神仏に祈っても
効果がないものである。
生命の支配主なる
精神が悪暗示に支配されている、
その暗示の威力には
妙薬も療機も神仏も及ばないものである。
故にまずその
「悪暗示を除く」
ことが何より先の要件であるのである。
病人の精神を解剖してみると
多くは暗示作用によって病を製造したり、
或いは治らなくしたり
重くしたりしているものである。
そして
患者自身はそれに気が付かずにいる
のである。
万一これを知っている患者でも
普通の理性や意志の力では
除けないものである。
然し山畑式法術によれば
これを自分で除く事もできるし、
またさらに良い自己暗示を作ることもできる。
勿論他人のも除去してやることもできるし、
また更によい暗示を与えてやることもできるのである。
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