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忘備録(126)『アリラン物語 2nd』第21話
第20話からの続きです。
◆この記事の内容:
韓国エステ店ママは中国から帰国後、色々あって元の店を再開後、
用事あって、中国へ帰国。その期間、僕が店長。この店に連れていったメガネ屋の社長と新しいビジネスを開始。それとクリスチャンとして興味深い本を発見など。
(注意)内容は18歳以上向けです。
書いてあることはすべてノンフィクションです。
メガネ屋の社長と仕事
この社長を以前にママのアカスリ店に連れていって、「えらい、安いなあ」と感動してた。この社長、大阪弁バリバリで、特に大阪でも田舎の地域なので、特徴のある大阪弁。僕も同じ大阪なので、今回は大阪弁で書いてみます。
だんだんと忙しゅうなってきた。これはええことや。家内が天国に旅立ってから、もう1年半か。取引してた企業さんも、待ってくれとったみたいや。お中元送ってくれて、そのお礼の電話したとき、そう言われた。やっぱり気ぃ使ってくれとったんやなあ。申し訳ない。
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早速、取引してるメガネ屋の社長から電話があった。
「今、何してんねん?」
「いや、何もしてへんわ。何もする気ぃがせえへんねん。」
「どないしたん?」
「いや~、社長には言うてへんかったけど、去年、家内が亡くなってん。」 「えっ、うそやん!なんで?」
「癌や。」
「癌か~…。でも元気出しや!」
「まあな。」
「あのさ、俺、もうひとつ小さい会社作ろ思てんねん。そのホームページ、できたらちょっと手伝ってほしいんやけど。」
「ややこしい、変な仕事ちゃうんか?」
「なんでやねん、ちゃうわ! ちょっと店まで来てくれへん?」
「今から?」
「そうや、悪いけど…。近いんやから、チャリンコで来たらええやん。」
事務所でパソコンの前でネットばっかり見とるんも、ええかげん飽きてきたし、運動不足にもなるし、行ってみるか…。
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久しぶりにメガネ屋の社長と会う
10分くらいで社長の店に着いた。
店のドアを開けると、社長がカウンターの奥から手を振ってきた。
「おお、早いやん!」
「チャリンコやったらこんなもんやろ。」
「まあ座りや。コーヒーでも飲むか?」
「うん、飲む。」
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社長がコーヒーを淹れてくれてる間、ちょっと店内を見渡す。相変わらずメガネがずらっと並んでるけど、前よりも少し店がスッキリしてる気がした。
遺留分品整理・かたずけビジネス
「ところで、さっき電話で言うてた会社って、なんや?」
「実はな…遺留品のかたずけ専門の会社やろ思てんねん。メインのメガネ屋とは別に。」
「遺留品のかたずけ? つまり、遺品整理ってことか?」
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「まあ、そんな感じや。遺品整理って、今、ニーズが多いらしいやんか。ほんで、俺も知り合いにそういう話が多いねん。亡くなった後の片づけとか、整理する人がいなくて困ってるいうて。特に、家族少ない人とかやと、どうにもならんねんて。」
「なるほどなあ…たしかに、そういうの増えてるんかもしれんな。俺も妻が亡くなったとき、ほんまにいろいろ大変やったし…。」
「そうやろ?ほんで俺、これからそういうサービスに力入れて、メインのメガネ屋とは別に展開しよう思てんねん。ホームページも立ち上げて、ネットでも集客したい思てな。」
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心の中(へ~、ホームページねぇ~、ひしぶりに仕事するか。。)
「へえ、そらおもろいな。でも、なんで俺にその話振ってきたんや?」
「実はな、遺品整理の会社やり始めたら、お前の経験も生かせるんちゃうかな思うてんねん。あの…お前、妻の遺品とか片付けるんに苦労した言うてたやろ?その経験が、きっと誰かの役に立つんちゃうか思て。」
「俺がか…?そんなん、俺が手伝えるんかいな?」
「お前の気持ちが落ち着いてからでええ。無理にせんでええけど、考えてみてくれへんか?」
ちゃんとしたビジネスを開始するか。。。
社長の話を聞いてるうちに、なんか胸の奥がざわざわしてきた。あのときの辛い気持ちがよみがえってくる。でも、同時に誰かの役に立てるんやったら、それもええんかもしれん…。
「わかった。ちょっと考えてみるわ。そやけど、社長、採算合うんか?一回の遺留品の片づけ、いくらでするん?」
「2万円や。」
「それ、安すぎへんか?処分代とか、車使うたらガソリン代もかかるやろ?もし大阪以外やったら、高速代とかもいるし…。」
「ええねん、メインのメガネ屋はもうかってるから。俺はそんなケチケチしたくないねん。自分の遊びこづかい程度でええんや。」
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「ふ~ん…。まあ、メインの会社があるから、それは正解やわ。俺もこんな遊んでばっかりおんのは、メインの収入がしっかりしとるからやけどな。」 「やろ?せやから、お前、1回5000円で手伝ってくれへんか?1時間くらいやで。」
「5000円か…。まあ、悪い話ちゃうけどなぁ…。」
社長がニヤッと笑いながら、カップのコーヒーを一口飲んだ。
「せやろ?やるかどうかは、お前の自由やけどな、俺はお前みたいな経験者に頼みたいねん。実際に身近な人が亡くなって、そんときに何を感じたんか、どんなことがしんどかったんか。それが分かる奴に手伝ってほしいって思うてんねん。」
「うーん、たしかに俺も、妻の遺品片づけるんはめちゃくちゃ大変やったな…。あんとき、感情がごちゃごちゃしてて、何もかもが重うて…。誰かが横で手伝ってくれたら、もうちょっと楽やったかもしれん。」
「そういうことや!お前のその気持ちを、他の人にも分けたってほしいんや。お金のためやなくて、人のためにな。」
「…ええこと言うやん、社長。でも、ほんまにそれで採算合うんか?」
「大丈夫や。さっきも言うたけど、メガネ屋がメインやから、こっちはもう趣味みたいなもんや。稼ぎより、人助けや。俺も年取ってきたからか、そういうことに興味が出てきてん。商売っちゅうより、恩返しみたいなもんやな。」
「恩返しか…。確かに、俺も誰かに助けられたら、少しは気が楽になるかもしれんって思ったことあるな。」
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「やろ?ほな、とりあえず試しに1回だけでも手伝ってみてくれへんか?それで無理やったら、それでもええし。」
「分かったわ。ちょっと考えてみるけど、1回ぐらいやったら手伝うわ。」
「よっしゃ!それでええ。それがええんや。」
社長が笑顔で握手を求めてきた。俺もつい笑顔になって、手を差し出した。なんとなく、今までの自分に新しい風が吹き込んでくるような気がした。
「ほな、詳細はまた後で連絡するわ。今日はありがとうな、わざわざ来てもらって。」
「おお、ええよ。また連絡待ってるわ。」
8年くらい人に頭下げてない
店を出て、チャリンコで家に向かう途中、ふと空を見上げた。空は青く澄んでて、少しだけ心が軽くなった気がした。妻が亡くなってからずっと、何かを失った感覚ばっかりやったけど、もしかしたらこれが新しい一歩なんかもしれんな…。
「おれもメインの仕事はなんとか1つあるから、助かったんかな…」と心の中でつぶやいた。妻がおらんくなって、本格的に自分の生活費だけでええようになったし、息子ももう社会人としてしっかり働いてる。そう考えたら、昔ほどガツガツお金を稼がんでも、なんとかなるなぁって感じや。
「そやけど、そういえば、もう8年くらい人に頭下げてへん気ぃするなあ…」と、ふと自分の態度を振り返る。まず、頭下げる練習から始めるか。。
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取引先の人らも、今のところ文句も言わんし、ちゃんと仕事してるつもりやけど…。自分、もしかして横柄になってるんちゃうか?そんな不安が頭をよぎった。
クリスチャンとして、「傲慢」は絶対にあかんことやって分かってる。けど、心のどっかで、いつの間にか感謝の気持ちとか、人に対して謙虚でおることを忘れかけてたんかもしれん。頭では分かってるけど、実際に行動に移せてるかどうかは、また別やからな…。
「ほんまに俺、大丈夫なんやろか…いったい何をしたいのか分からなくなってきた。」と思いながら、家への道を進んだ。
帰りに思い巡らす
それでも、さすが社長やな。最初は「2万円?安すぎるやろ!」って思ったけど、そんなカラクリがあったんか…。やっぱりよく考えてるわ。小さいとは言え、会社を数社経営してるだけある。ほんま、抜け目ないわ。
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それにしても、あの社長、もう70歳近いんちゃうかな。年取っても、相変わらず女好きやなあ…。この前会ったときも、最初の1時間はずっと付き合ってる若い女の自慢話や。たぶん30歳くらいの子やったかな。社長、SNSとかまったく分からん言うてるけど、突然LINEとかでめっちゃちゃんとした文章送ってくるからな。あれ、絶対その子に打たしてるやろ思うて聞いてみたら、案の定やった!
「社長、あれほんまに自分で打ってんの?」て聞いたら、照れ笑いしながら「あの子が打っとんねん」言うてたからな。やっぱりかい、て心の中でツッコんだわ。
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まあ、俺も気持ちは分からんでもない。俺も妻が亡くなってから、正直言うて、淋しかったんや。それで若い女の子と遊んでた時期もあったし。社長にその話したら、あの場はめちゃくちゃ盛り上がったわ。でも、俺は失敗してしもうたからな…。
(※その話については、前々回のnoteで書いてるんで、よかったらそっちを参照してください。)
さて、話は全然変わって、、、コテコテの大阪弁もやめて、、、、
捏造された聖書
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僕はクリスチャンになって、まだ1年半くらいなんだけど、ひょんなことから、キリスト教伝道書を編集依頼の話があって、それに日々かかっています。小さい字で200頁以上あるので、けっこう大変です。それでも、その作業をすることで、聖書を深く学習する良い機会となり、自分としては既に神より祝福を頂いている感じです。で、聖書の知識はまだまだですが、その分、本を読むのが趣味なので、聖書意外の分野は色々、知ってるつもりです。そんな中、「捏造された聖書(Misquoting Jesus)」を図書館で見つけて、まずは日本語訳から読み始めました。
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著者のバート・D・アーマンが、聖書の原典がどのように書き写され、どのようにして改変がなされてきたかについて、丁寧に解説している本です。読み進めるうちに、古代の書記たちがどれほどの労力を費やして、手作業で聖書を書き写していたのかが伝わってきました。
古代には当然のことながら、印刷機もPDFもないので、すべてが手書きの「写し」。その写しをする書記たちは、何十年もかけて一言一句書き写し続けたわけです。間違いが起きるのも無理はないし、場合によっては意図的な改変がされてきたのだろう、というアーマンの主張には、思わず納得してしまいました。
「捏造」という言葉の強さに少し驚きつつも、聖書という本が、決して固定されたものではなく、時代とともに形を変えてきたものであるという事実は、自分の聖書理解をさらに深めるきっかけになりました。
この本の翻訳者も面白い方で一部をご紹介します👇
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数世紀前、①最初の人が悪気なく改竄します。おそらく、ミスっただけと思いますが。②それから数世紀、2番目の書記が「アレ!ここ違う。」と正しい言葉に戻します。③それから数世紀、3番目の書記が、「うわ!ここ、間違ってる!」と、怒りの気持ちが沸いたのでしょう、数世紀前の人に怒るわけにもしかないので、「アホかお前は!元のままにしとけ!勝手に変えるな!」と、書きこんでいるのです(笑)。それがまた数世紀後に見つかるという。。。で、③の人、間違ってるんですよ。「支えて」が正しいとされています。現在の旧約聖書は「支えて」。新解訳2017年ESVでは、「保つ」。まあまあ同じ意味。
個人的な感想
僕の感想を言わしてもらうと、神が聖書(旧約はヘブライ語、新約はギリシャ語)を書いたわけでもない。何千年も前、神の御言葉を聞いて、後に書き写し(その場でメモをとったりできない。紙もない時代)、その後、選ばれた聖典が、現在、各国の言葉で翻訳され、、翻訳上の「歪み」が発生するのは当然。外国語同士1=1になることは稀。日本語訳の場合、口語約と新改約でもかなりニュアンスが異なる。
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みたいなことを書いて、著者のBART D. EHRMANにメールしました。返事があれば、このnoteでご紹介します。
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なぜって、この物語はすべてノンフィクションだから。
『アリラン物語 2nd』第22話へ つづく。。。
追加:少し書かせてください。
このnoteで多くの記事を書いていますが、その目的は、うつ病の方が読んで少しでも気持ちが軽くなれば幸いです。全て無料で公開しており、有料にするつもりはありません。
私自身、うつ病を経験した時期がありました。ただ、noteにも書いている通り、風俗店を経営する方々と友達になったり、様々なビジネスをやって、ドタバタと過ごすうちにうつ病であることを忘れ、今では楽しく生活しています。その過程をnoteに書いています。私のばかばかしい記事を読んで、「あまり真面目に考えすぎなくてもいいかな」と感じていただければ嬉しいです。
また、これを言ってしまえば元も子もないのですが、うつ病は完治しないものだと私は考えています。完治したと思っても、5年後に再発することもあります。うつ病の原因は生まれ持った性質や家庭環境、体調、トラウマなど人によって様々です。それでも、私の記事を読んでいただき、「次の再発が5年後ではなく、15年後、25年後に…」と少しでも先延ばしにできたらいいなと思っています。