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第三話【紹介】(Vol.21-30)

Vol.21
と切り出した後、

 「ケンタ兄見てたら、なんか真剣に思うんがアホらしくなんねんけど、なんか楽しいねん。」

とシュウタが,教えたくれた。

ボクは、シュウタが言った
【なんか楽しい】って言葉が胸に響いた。

(大事やな)

心のメモに書き留めた。



Vol.22
「そしたら、年上からいこか。」
と切り出したシュウタ兄

「えーオレからなん。」と
少し照れ臭そうに切り出したのは
ブン太だった

「えーと。名前はブン太です。
 学校を卒業して、今はアルバイトしてます。終わりです。」

ブン太は、18歳。
アルバイトをして自立のお金を貯めている。



Vol.23
「じゃー次はオレ」

よいしょとっと言いながら立ち上がったのは

ジュンだった

「えージュンです。定時制に行ってます。今年4年です。お願いします。」

すっと挨拶できるのはさすがだと感心

すかさず ケンタ兄が
「うまいやんか!」と一言

タイミングをみて褒めるケンタ兄。さすがだ。



Vol.24
「はい。次は俺です。

ヨウイチです。高3です。にいちゃんよろしく!」

気持ちの良い挨拶をしてくれたのは

ヨウイチ

特別支援学校に通っている。
今年3年生だ。

優しい人柄がすぐにでも伝わってきた。

「よろしくね」僕も笑顔で返す。

「うん」
と少し照れたように笑うヨウイチだった。



Vol.25
次は今年高校に進学するヒロシだ。

少しぶっきらぼうな態度で

「ヒロシです。」

とだけ言ってその場に座った。

「よろしくね。」
言葉こそ、平常を保ったが
ボクの心の中では、

(ヒロシとはこの先色々ありそうだな。)

と覚悟を決めていた。

場の空気を変えたのは
コウタだった。



Vol.26
場の空気を変えてくれたのはコウタだ

「はい。オレ、コウタです。今年中学校になります。勉強は嫌いなのでしません。よろしくお願いします。」

明るい性格だ

すかさずケンタ兄がツッコミを入れる。

「コウタ。中学校になるってなんやねん。中学生やろ!大丈夫か!」

一斉に笑いが起きた。



Vol.27
コウタのギャグ?で
(本人はそのつもりはないが)

空気が変わったところで
立ち上がったのはユッキーだった。

「オレも今年中一になります。ユッキーです。空手しています。よろしくお願いします。」

しっかりとした声で堂々と自己紹介したユッキー。

きっと空手をしているからだろう。



Vol.28
最後は、ヨシオだ。

ムクっと立って
「お、お、オレ。ヨシオ。にいちゃん。よろしく。」

場面寡黙があり、吃音もあるヨシオ。
だが、一生懸命に伝えたい気持ちが伝わってくる。

「ありがとう。よろしくね。」
と返したボクに

うん。と頷いて返してくれた。



Vol.29
「よーし。これで自己紹介終わったな。
 じゃー一旦解散や。ありがとうな。」

ケンタ兄が言った

自己紹介が終わった後、まるで何もなかったように

部屋に戻る子
ゲームをする子
マンガを読む子
年下の子と遊びに行く子など

様々だった

「こっちで話そか」
とケンタ兄に声を掛けられた。



Vol.30
ケンタ兄が示した場所は
男子部屋を入ってすぐにある
【宿直室】だった。

宿直室は、4.5畳のこじんまりとした部屋だ

宿直者がここで仮眠とを取ると同時に
中男(中高生男子)職員の【職員室】ともなる

積み上げられた書類の横に
“没収“という形で置かれた
モデルガンが転がっていた。

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