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第三十二話【登校】(Vol.311-320)
Vol.311
おばちゃんのアイスコーヒーをいただきながら
燻らす一服は格別だった。
まだ弁当を詰めただけなのに
1日のでかい仕事を終えた気分だ。
いかんいかん。
もうこんな時間。
子供たちを起こさないと
コップをさっと洗って
おばちゃんにお礼を言い
食堂を後にした。
さぁ
“起こす“戦いだ!
Vol.312
居室に戻ったボクは
まずはカーテンを開ける。
う〜ん
気持ちがいい。
朝日を浴びて
「よしっ!」って声を出した。
窓を開けて換気。
新鮮な少しひんやりとした空気が
胸の中に入ってきた。
とても爽やかな気分だ。
Vol.313
深呼吸したあと
テレビをつける。
ボリュームは小さめ。
心地よい音が起床を促す(ハズ)
居室を周り
電気をつける。
「おはよ〜 起きよかぁ〜」
まずは電気をつけて一声かけるだけ
子によっては
目覚めが悪い子もいる。
小学生から中高生まで
全員に声をかけ起床を促す。
Vol.314
1ターン約5分
テレビではニュースが流れている。
特に大きな出来事はなさそすだ。
相変わらずキャスターのお姉さんが美しい。
おっと、こうしてはいられない。
2ターン目に入る
今度は少々体を揺すって起床を促す
「起きるよぉ〜。もうすぐご飯やで」
大体、ここで起きてくるのは優秀だ
Vol.315
・・・
それでも起きてこない子はいる。
3ターン目
ここは少々焦らす
布団をめくって 体を揺らす
「おーい。起きるぞ!起きるぞ!」
反応があるまで続ける。
「わかった」
かえしがあるまで起こす。
小学生はすでに支度を終えていた。
Vol.316
岩兄さんの躾が効いている。
「起きよ」
の一言でサッと起きる小学生。
(すげぇ〜 躾というよりキョう。。。)
言葉を飲み込んだ。
3ターンでも起きない猛者もいる。
4ターンめは優しくない。
「朝やぞぉ〜はよ起きぃ〜ヨォ〜〜〜」
そうこうしていると食事の放送が鳴った。
Vol.317
「早よ来いよ!」
と一声かけて
食堂へ向かうボク。
時間ギリギリまで起こしますが
時間は待ってくれない。
朝食の受け入れ業務が待っている。
時と場合と状況により
優先順位が入れ替わる。
そうやって
瞬間瞬間に判断が委ねられる
責任ある瞬間だ。
Vol.318
食堂でご飯をよそっていると
寝ぼけた児童が降りてくる
「おはよ」と声をかけるも
心の中では
(早く来いよ!)
と思うボクがいる
遅刻がないよう送り出すことがミッションと
思うだけに焦りが生じる
そんなこと気にもとめない行動に
少々イラッとしてしまう
ゆとりが無いボクが情けない
Vol.319
ゆとりのない食事は美味しくない。
口にかき込むだけだ。
(とにかく8:10までには出さなくちゃ!)
今のボクにはそれしかない。
「はよ食べよ!」
「喋る必要ないよ!」
「急いで!」
子供の思いとは裏腹な言葉ばかり。
これを【空回り】と言うのだろう。
Vol.320
子供を急かせながら
食事を終えて
急いで居室に上がる
すでに食事を終えた子は
歯磨きをして
準備万端。
OKOK と心で確認しながら
ダラ〜とテレビに夢中の子を
切り替えさせる。
「ほら!歯磨き!」
「ほれ!忘れもんないか?」
「ほら!ハンカチ持っている?」
まるでオカンだ。