母からの電話

⚠まず、初めに。


少し暗い話というか、わざわざここで書く話ではない事なのかもしれないですが、今の気持ちを一旦吐き出したいので、ここに綴らせて下さい。








昨夜、仕事終わって帰宅。


夕飯を食べようと思ったら、珍しい人からの着信。



母からでした。




母と直接連絡をやり取りするのはもう何年もしてないし、10年近く会えてない。


何かあれば、だいたいは父から連絡がくる。



不気味に思いながらも、電話に出てみた。


口調は妙に明るく、何故か余所余所しい感じがした。



母『1つ報告があってね…』



僕『何?どしたの?』



母『お父さんが喉頭癌になりました。ステージ3です。それで27日に手術になりました。』




僕『ん?えっ?…。』


あまりの突然の報告に状況をすぐに理解する事は出来なかった。



母『ただ、お医者さんが言うにはこれなら治せるから安心して下さい!大丈夫ですよ!って言ってたから心配しなくて大丈夫だよ。』


僕『…うん。』


母『私はとくに大丈夫だよ!とか頑張れ!とかは敢えて言わないようにしてる。病気と闘ってるのはお父さんだし、頑張ってるのは見てるから。私たちは変わりなく傍に居ることが1番かなと思ってね』


僕『そうだね…それがいいかもね』



母『まぁそういう事だから!仕事で疲れてるのにごめんね?とにかくこっちは大丈夫だから!また何かあったら連絡するから心配しなくて大丈夫だからね!おやすみ。』


母が妙に明るく話していたのは、僕に余計な心配かけさせない為だろう。



僕も兄貴も東京に出て来ていて、実家に居るのは母1人。

昨年おばあちゃんも、おじいちゃんも癌になってしまって手術は成功して今も尚、治療に励んでいる中で、次はお父さんがなってしまった。


きっと動揺せずにはいられないだろう。


僕は子供の頃から母とは上手くいってなかった。

母の事が嫌いで嫌いで仕方なかった。

そんな母から逃げるように東京に上京してきた。


最初は定期的に帰るようにはしてたけど、帰れば母とちょっとした口論になったりで、実家に帰ってリフレッシュのはずがストレスだけが溜まっていたから、気付けば母との連絡も実家に帰る事もしなくなった。


あっという間に10年以上が経って、僕は32歳になった。

当たり前だけど、僕が歳をとれば、親も歳をとる。


顔見れてないけど、電話越しから聞こえる母の声は、当時怖くて、強い口調から弱く、どこか優しい口調になっていて、何とも言えない気持ちになった。



実家に帰ったり、母の顔見ると子供の頃の記憶がフラッシュバックして、吐きそうになってしまう。

何でも帰ろうとは思ったけど、なかなか勇気が出なかった。


いずれ帰ればいいや。会いにいけばいいや。

そんな風に都合のいい言い訳をして逃げて来たけど、もうそんな風に言っていられるほど、年月は残されていないのかと思い知らされた。



歳はとっても、子供の頃の記憶に囚われて、何一つ成長していなくて、変わってない自分に腹が立ってしまった。



きっと周りの人からしたら、実家に帰って親に会う事なんて、当たり前のように出来る事なのかもしれないけど、僕にとっては非常に高い壁。


だけど僕自身、次のステップに行くには絶対に乗り越えなければならない壁。



いろんな葛藤はあるけど、僕にとってはたった一人の父と母。


なんだかんだ言って、僕を育ててくれた親には凄く感謝してる。



大切な人には会える時に沢山会う。



伝えたい事は伝える。



後回しにしてたら、もう一生会えなくなるかもしれないし、伝えたい言葉を伝えられない。



後悔しない為にも、僕が次のステージに行く為にも


簡単なようで難しい目標が出来ました。





今年中に必ず会いに行く。







27日の手術、無事成功しますように。








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