味とは、まごころ
きいて。
パン屋のボランティア、少し休むことにした。
勉強をしなきゃいけないから。
この前雨がやばかったとき、鞆の浦にアトリエを構えるようなった親友の木村が駅までむかえにきてくれた。
いつも真剣に生きる彼女の真剣になやみ笑い泣き怒り喜ぶ姿、ふりきりすぎて、もはや人間すぎて人間じゃないような感じが好きだ。
色々考えてくれ、私に昼ごはんを準備してくれていた。
たぬきごはんと、鮭のホイル包み、お味噌汁。
デザートにはドラゴンフルーツ。
ご飯は鍋でたいてくれた。
わざわざ白米を買ってさ。
この人はふだんコメを食べないのに。
この感じ、実家の父さんが私の帰省のタイミングで、
猫のスリッパをコーナンで買ってくれていたあの感触にそっくりで。
あぁ、ありがたいわって肌が感じたのね。まごころって、味があるんだなと思った。
うまいこといいたいとかじゃなく、本当に敵わない味がした。
良い材料を買えば…とか、時間をかければ…とか、
どうでもいい。どれだけ食べる人の顔を思い浮かべて作るかで、こんなに味って変わるのかと思った。
ありがとう。2度と食べられない味。
こんな食べものには、敵わない。