シルク・ドゥ・ソレイユが人を魅了する3つのステップと日常で持ち続ける4つの習慣-181号-
(2023年1月19日サロン向け解説動画を記事化しております。)
人はなぜサーカスに魅せられるのか。「人がクリエイティブでいられる3つの刺激と4つの習慣」という話をしたいと思います。
尾原、年末年始はラスベガスの「CES(世界最大のテックショー)」での取材と、日経さん主催の講演がありました。そのあと日本に入って、年始にいろいろな新しい仕込みをして、昨日シンガポールに戻ってまいりました。
僕はシンガポールにいて家族は日本にいるので、海外旅行で現地集合という、ちょっと不思議なタイプの家族旅行をしました。家族でラスベガスに集合できたのは、6年ぶりかな? ラスベガスといえばナイトショーが非常に有名です。新作もいろいろ出ているので、「どこに一緒に行くかなぁ?」というので西野さんとかにも相談したんですけど、何のかんの言ってシルク・ドゥ・ソレイユの『O(オー)』を見に行ってきました。
ㅤやっぱりよかったなぁと。「人を魅了するサーカスの中で、僕は何を見つけていくのかな?」ということで、原体験を深掘りしたのでご紹介します。
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シルク・ドゥ・ソレイユ『O(オー)』
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そもそもシルク・ドゥ・ソレイユは、「サーカスを大人向けに再開発してみるとどうなるんだろう?」というので始まったもので、『O』はシンクロナイズドスイミングの各国のチャンピオンなど、プロのアスリートの方が出演しています。
『O』はぜひ見ていただきたいんですけど、ある時は舞台がプールになって、8メートルくらいの高さからの高飛び込みがあったり、舞台から地上が生まれ、そこでアクロバティックなことをしたり。そんな変幻自在の舞台の中ですばらしいのが、サーカスとしてのメインアクトの裏側に「ストーリーテリングとしてのキャラクター」が動いていて、舞台装置としても、アスリートの方々が踊りや何かをし続けていることです。ㅤ
立体的にすべての空間の中に、統一性がある。何かは常に動き続けているんだけど、それぞれに何らかのリンクがあることで、僕らの心に差し迫ってくるものがある。『O』は僕自身も5回くらい見ていますし、西野さんも、「本当に何度見ても総合芸術としてすごい」という話をしていました。
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シルク・ドゥ・ソレイユが人を魅了する3つのステップ
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シルク・ドゥ・ソレイユは、なぜ大人をも魅了するのでしょうか? ビジネス的に見た時によくいわれるのが、「サーカスは基本的に子ども向けであり、ふだんの世界では味わえないような非日常を体験させてくれるものだ」ということです。
非日常の中で、人が炎を吐いたり空中ブランコをしたり、「命を落とすかも」というスリリングさが味わえることがサーカスの原理ですが、どうしても子ども騙しに見えてしまいます。そこでシルク・ドゥ・ソレイユは、「スリリング」と「非日常」はそのままにし、大人でも楽しめるややアダルトなものも含め、子どもが楽しめる中世のような非日常のイメージを、幻想的な古典的な象徴を活用したものに合わせていきました。
サーカスの本質を残しながら、価値の源泉を子ども向けから大人向けにズラすことは、『ブルーオーシャン・戦略』という本の「バリューカーブ(ブルーオーシャンを探すために、自社と競合を商品・サービス・顧客ニーズなど項目別に分けて、その優位性を折れ線グラフで表したもの)」では有名です。
確かに商業的なセグメンテーションとしてはそうなんですけど、やっぱり人の心を動かして人を集めるものの中には、「なぜ人の心を動かしているのか?」という本質論があるんですよね。
最近はあまり謳われなくなってしまったんですけど、シルク・ドゥ・ソレイユの本質として彼らが言っているのはこちらです。
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