「意味がない」が大事な時代を示すTED動画と一冊の本の話-132号-
今日は「役に立つ」から「意味がある」、「意味がある」から「意味がない」の時代へ、ということで解説したいと思います。ㅤ
昨年末、TED2018「 Simone Giertz:役立たずなものを作る理由」という動画が、TEDのグローバルでトレンド1位になっていました。
また、『ストーリーとしての競争戦略』の著者で、一橋ビジネススクール教授の楠木建さんが出された『絶対悲観主義』という本が、今けっこう売れています。この2つは、「役に立つ」から意味がある」、「意味がある」から「意味がない」の時代へ、というところに通じる話だと思いました。
楠木さんの『絶対悲観主義』は、めちゃくちゃ読みやすいし、Simone Giertzさんの「役立たずなものを作る理由」も、非常に洞察力に富んでいて魅力的なので、ぜひぜひ見ていただければです。
では、かいつまんで内容を話していきます。
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「役立たずなもの」を作る理由
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Simone GiertzさんはYouTuberで、「え?!そんなもの、作っちゃうんだ!」みたいなことをバンバン上げていく、自称ロボット発明家(Queen of Shitty Robots)です。
ちなみにYouTubeの登録者数は、約265万人です。TEDの動画では、この方が「役立たずなもの」を作る理由を話しているのですね。
(Simone Giertz 「役立たずなものを作る理由」TEDtalk)
彼女はものすごく優秀で真面目な家系に育ちました。彼女も優秀だし、お兄さんも超優秀です。
ある時、彼女はお兄さんから「お前には少しガッカリしていて、ちょっと心配なんだよね」「正直、周りからどう見られるかわからないし、すごく心配しているんだよ」みたいなメッセージをもらうんですね。
お兄さんからそんなメッセージを受け取ったのは、彼女が試験の5段階評価の中で、「B」を取ってしまったからです。
「役に立つ」という軸で生きていると、
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