石川善樹さん-Wellbeingいよいよ企業投資・教育方針などに組み込まれる〜幕府政府の次は何か?《後編》-191号-
(2023年7月10日サロン向け対談動画を記事化しております。)
百十四銀行の「Well-being応援私募債」
石川善樹氏(以下、石川):実は、四国にある百十四銀行が「Well-being応援私募債」という商品を取り扱っているんです。私募債は、人数が限られた社債のことです。
尾原和啓氏(以下、尾原):49名以下であればできるんですよね。
石川:はい。その百十四銀行が、「Well-beingに関連する取り組みを行う企業は優遇するよ」というかたちで金融商品を作っていて、ローカルでいろいろ動き始めているんです。
尾原:本当だ。https://www.114bank.co.jp/newsrelease/2023/pdf/news_20230403_3.pdf
石川:SDGsやWell-beingに関連する事業を行う会社には、0.1パーセントの補助金をつけるから、従業員のWell-beingのために使ってくださいと言っています。
尾原:はい、はい。
石川:エクイティ・ファイナンスやデット・ファイナンスでも、こういった取り組みが始まっているのはおもしろいですよね。
尾原:対象企業が「当行の適債基準を満たす法人のお客さま」だから、社債発行基準に該当する企業に0.1パーセントを還元することで、投資対効果が高まることを見越しています。結果として生産性やクリエイティビティが向上すれば、投資回収できるという話ですよね。
石川:基本的には「債権なので、ちゃんと返してくれたらいいよ」ということです。
尾原:なるほどね。Well-beingの実証性が高くなってきたら、インパクトファンドのようなかたちで、「Well-beingファンド」や「プライマリー投資」のようなものが出てくるんでしょうね。さすがですね。
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子どものWell-being
石川:次に僕がやりたいと思って悩んでいるのが、「子どものWell-being」なんですよ。
尾原:ほう、ほう。
石川:尾原さんに日本の教育事情を説明しておくと、社会の動きと教育現場には、当然ズレがあるじゃないですか。
尾原:うん。
石川:それを修正するために、日本は5年に1回「教育振興基本計画」という方針を作っているんですが、今年、改訂が行われて。いよいよWell-beingがドンって入るんです。
尾原:お、なんと。
石川:これが、具体的にはどの教科で教えられていくのか。
尾原:そうですよね。教育で伸びるものなのかという話もありますしね。
石川:具体的な候補が2つあって、道徳と家庭科なんですよ。
尾原:なるほど。
石川:道徳は効きそうだけど……。
尾原:家庭科のほうが効きそうだけどな。
石川:おっしゃるとおりで、おそらく家庭科のほうが効くんですよ。SDGsが日本の学校現場で教えられた結果、すごく広まったという話があります。
尾原:はい、はい。
石川:じゃあ、何の教科でSDGsが教えられていたかというと、実は家庭科なんです。
尾原:確かに。よく考えたら、リサイクルだなんだって、家庭科ですものね。
石川:昔は裁縫や調理実習だったのが、最近は資産の話をしています。時間の使い方や社会との関わり方も含めて、家庭科で教えているんですよね。
尾原:そうですね。
石川:それこそ、尾原さんとか僕らの時代は、女の子は家庭科で男の子は技術だったんですよ。
尾原:そうですね、はい。
石川:それが、男女ともに家庭科を学ぶようになりました。その結果、若い男性が家事や育児をするようになったんですよ。
尾原:確かに。
石川:「家庭科の導入の影響が大きい」という実証研究もあるくらいです。
尾原:はい、はい。
石川:家庭科の先生たちは、「主要科目じゃない」というコンプレックスがあるんですけど、家庭科、めちゃくちゃ影響力があるよと。
尾原:めちゃくちゃ貢献しているよと。
石川:はい。
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Well-beingと家庭科
ㅤ石川:じゃあ、家庭科の中でどうやってWell-beingを教えていったらいいのか。
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