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フジの謝罪に何が足りないのか?良い謝罪の5ステップとやってはいけないこと-349号-

(2025年1月27日の10分解説動画を記事化しました)

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謝罪の基本:5つのステップ

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1月27日、今は日本時間で20時30分です。夕方4時から、フジテレビの記者会見が続いています。こういう時の会見には、謝罪という非常に大きい側面があります。この謝罪はいろんなところで研究されていて、「こうしたほうがいいよ」という定番がいくつかあるんですね。かつ、尾原の個人的なノウハウを含めて、今日はお話ししたいと思います。

謝罪に大事な5ステップということで、この5ステップは非常に明確です。まずは、指摘されるよりも前にきちんと謝る。そして相手の何を害してしまったのか、その被害をきちんと認める。これが1段階目です。

2段階目として、その上で責任を取ります。3段階目に、責任を取ることが相手に伝わったところで説明と償いを申し出ます。それを相手が受け取ってくれたら、4段階目は復帰と変化です。「禊が終わったら、復帰にコミットしていきたいです。私は変わるんです」と、復帰と変化に対してコミットし、5段階目に許しを請います。

  1. 言われる前に謝りきる

  2. 責任を取る

  3. 説明と償い

  4. 復帰と変化に対するコミット

  5. 許しを請う

この5つのステップについて、順番に説明していきます。

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言われる前に謝りきる 

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まず、あらゆる戦略がそうですが、個別・小出しにするほどの愚策はありません。1回できちんとやりきるのが原理原則なんですね。なぜかというと、言われたものに対して謝ると、「言われたから謝っているんですよね」となるからです。

人に言われる前に謝ることで、「そこまで謝らなくてもいいですよ」「そこまできちんと共有してくれていたんですね」というふうに変わります。だから、基本的には1回目で謝りきることが大事です。そして、指摘に対して反射的に謝ってはいけません。「その根源にはこんなことがあったと思います」「実はこんなこともあって、ここまで説明します」と、言われる前に謝ることが大事です。

最初に謝りきって、わかっていること・わかっていないことを誠実に示した上で、わかっていることに関しては、相手が思っている以上のことを、こちらから開示する。大事なことは、「こんなことをしてしまって、非常に後悔しています」と伝えることです。そして何より大事なのは、誰にどういう被害を与えているかを、きちんと伝えることです。

今回の会見に関しては、終始論点がずれています。現状、事案として言えるのは、中居正広さんと女性アナウンサーの間で起こったこと、組織がそれを隠蔽していたのではないかということです。また他にも、権力的にマイノリティな方々が、性的被害を不同意で受けている可能性があります。権力的なものをかざされている中で、苦渋の決断をしている方がいらっしゃるかもしれません。本来的には、ここまでが被害範囲なんですよね。

さらに言えば、それを放置していることと、隠蔽体質であることに対して、報道機関のあり方自体が問われています。特にフジテレビは、他社のプライバシーには踏み込んで取材しているのに、自分たちは開示をしていない。報道を担っているテレビ局、それに対する信頼性の失墜、この2つの構造があります。それをきちんと説明してないから、論点がずれ続けるわけですね。

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責任を取る

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