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note深津さんxけんすうさん「GPT生成AI、その先の未来」《後編》-178号-

2023年6月5日に行われた、尾原和啓氏、深津貴之氏、けんすう氏の「未来予測超会議」、後編です。
前編/中編はこちら👇


けんすう:
こういうことは、言い続けることが大事です。ご存じかもしれませんが、今年から、20億円までの株式売却益は、スタートアップに投資すると課税されなくなったんですよ。
エンジェル税制、改正のポイントを解説。スタートアップへの再投資は20億円まで非課税に【日本版QSBS】 - MAGAZINE
深津:僕はまだうまく理解ができていないのですが、ストックオプションのようなものも課税されなくなるんですか?
けんすう:例えば、ストックオプションや株式売却益で1億円儲けた人がいて、1億円すべてをスタートアップ投資にすると、税金がゼロになります。普通だったら20パーセント課税されるところの上限が20億円というのは、けっこうすごいですよね。
深津:すごいですね。「今持っている株の黒字分すべてを一旦キャッシュにして、全部突っ込んでもいいかな」という気分になると思いますね。
けんすう:そうですよね。「20パーセントの税金がゼロになる」とすると、アメリカの株に投資するより日本のスタートアップに投資したほうが有利になります。
深津:すごく真面目に考えると、日本のスタートアップのインデックスファンドを作って、そこに流すべきだと思いますけどね。
けんすう:そうですね。
深津:そうすれば、リスクが平均回帰するから、みんなハッピーになる。誰もがハッピーになる投資商品をVC(ベンチャーキャピタル)が作るのか、証券会社が作るのかはわかりません。でも、作ったら、日本中のお金が余っている人が、みんなそこに投資すると思うから、一気にスタートアップが発展すると思いますよ。
尾原:「エンジェルインデックスファンド」を作るとか......。
深津:20億円まで節約できるスキームがあっても、ほとんどの人は、エンジェル投資やエンジェル投資の企業にアクセスできないし、デューデリジェンスできないと思います。
個々のユーザーに任せると負の要因になってしまうので、パッケージングして、ファンドを作って、そこに流す仕組みにしたほうがいいですよね。
尾原:確かに。
けんすう:天才じゃないですか?
深津:これはどこに持ち込めばいいんだろう?
けんすう:誰に言えばいいんだろう?
深津:けんすうさんに持ち込んだら、「けんすうファンド」を作ってくれますか?
けんすう:(笑)。
尾原:世の中的には、「ユニコーン企業をたくさん作っていこう」と言っています。でも、AIスタートアップの流れを考えると、むしろ「時価総額10億円のスタートアップを100社作りましょう」というほうが、難易度が下がっていきますからね。
深津:リスクは分散して平均回帰したほうがいいので、理屈の上では管理コストを最小化しつつ、そうするほうがいいはずなんですよね。
尾原:しかもポートフォリオにしてしまえば、逆に管理コストが下げられます。マシンラーニングになってしまうけれど、各スタートアップの収入状況を、APIを使ってつないで群でコントロールするのはAIと相性がいいですからね。確かに、ユニコーンを量産するよりも、そっちのほうがいいかもしれない。
深津:けんすうさん、そういうファンドを作ってくださいよ。
けんすう:なるほど。何かやりようはあるのかな。すごくいいと思いますよね。
深津:でも、2つ超えなければなららない壁があります。1つは、ファンド経由でお金を入れても、その税制は使えるのかどうかです。
けんすう:そのリターンも今回の対象外なので、使えないですよね。
尾原:そこは特別措置を作ればよくて。例えばアメリカでは、NPOに寄付すると税制優遇になりますよね。
深津:同じスキームを使えばいいんですね。
尾原:そうです。同じスキームで、きちんとポートフォリオを考えて、どのNPOに寄付するかという話と、節税スキームですね。
深津:先にきちんと枠組みを書いて、メリットと公益性も明示して、法律を作った人のところに挨拶に行く。そして、「こういう理由で、この法律を制定するには、このような枠組みがいいんです」と言って話を通して、実証実験か何かをさせてもらうとかですよね。わりといけそうな気がします。
尾原:国からすれば、循環速度が上がることによって、スタートアップが活性化するためにやっているわけですからね。
深津:きちんと話を通せば、パッケージ上はファンドを作るのではなく、ファンディングするスタートアップを作って、そのスタートアップに投資してもらうかたちですね。
尾原:確かに、それはある(笑)。
深津:仁義を通さないと抜け道になるけど、仁義を通せば大丈夫じゃないですかね。
けんすう:おもしろい。


「日本バーチャル施策」が示す未来

尾原:AIによってマクロのインセンティブの流れを大きく変えることで、ゲームチェンジが起こります。日本にいながら外貨を獲得してくる「日本バーチャル政策」など、いくつかありそうですよね。
外貨獲得や次の成長領域を日本が先に持ってくる話は、既存のビジネスを殺す話ではありません。そこに関連したAI的な打ち手は、日本からするとウェルカムなはずですからね。

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