理知を継ぐ者(4) 分からないもの④
こんばんは、カズノです。
【感想が持てない】
奥田民生を批判したいのか、ロック界のピラミッド社会を壊したいのか、トライセラ和田のしたいことは分かりません。言ってることもよく分かりません。ロック的ないい加減を批判する彼は、でも同じようないい加減もします。
私たち受け手に、和田は何を望んでいるのでしょうか。彼の言葉を聞いた私たちは、ではどうしたらよいのでしょう?
ロック・シーンの慣例として、和田をゆるせばよいのでしょうか。「いいじゃんいいじゃん、ロックミュージシャンなんてテキトーなもんなんだから」。
慣例的なロック・シーンに、やっぱり批判的でいればいいのでしょうか。「和田も含めて、こういうテキトーをみんなでなんとかしていこう」。
分かりません。
*
和田の意図とはなんでしょう?
ステージでの泥酔はアウトだけど、SNSを通した言動と行動の矛盾/不整合はセーフ、というものでしょうか。
あるいは「いやー、調子にのってついデカいこと言っちゃったけど、実際おれ民生さんにムッときてただけなんだよね、ごめんごめん」だったのでしょうか。
あるいは「おれと民生さんのことはともかく、ロック界にはやっぱりそういう問題がある。そこから先はみんなで考えてほしい」という問いかけは残っている、のでしょうか。
どれかかも知れませんし、その他の意図もあるかも知れませんし、意図などまったく無いのかも知れません。真相は分かりません。ツイートに書いてないからです。
書いてない、つまり表現されていない。なので伝達もされていない。ですので、私たちはこのTwitterの和田に対しては、こういう感想しか持てないと思います。
感想が持てない、という感想です。
「和田さんの言動や行動への感想を、私は持つことが出来ない。なぜなら、そもそもあなたの発信/削除が意味不明だから」
【ここまでのまとめ】
ロックの人は、理知とは無関係と思われてるところがあります。理知ではなく感覚で生きている印象があります。でもその一般イメージは間違いで、おれは、ロック的な理知というものがあると思っています。
例えばプレスリーやチャック・ベリーや、ジョン・レノンやジミ・ヘンドリックスが示したような、たった一音で全員を説得するような、瞬発的な理知がロックにはあると思います。
だから、そんな話し方/伝え方でも構いません。
「あれはこういうことだった」「今はこう思ってる/こうしてる」、そういう内容を伝えるコトバを、トライセラ和田からほしくないでしょうか?
私たち受け手は、何よりまず、和田への感想らしい感想を持ってから、
「やっぱ奥田みたいのはダメじゃないのか?」
「いやいや、やっぱロックミュージシャンはテキトーでいいだろう?」
「でもそれ和田もそうじゃない?」
「けどそれがピラミッド社会にあるなら問題じゃ?」
等々、意見を交わし合ったほうがいいんじゃないか、ということです。
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