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理知を継ぐ者(14) 全体を知ること③

 こんばんは、カズノです。

【全体を知ること】

 山本によるSPA!誌批判はけっこうな騒動になりましたが、当のSPA!誌を見れば「はあ?」としかならない内容でした。その規模の小ささにまず「はあ?」ですし、規模の問題ではないとしても、「いや、(山本にとって)『ヤレる女子大学生RANKING』が差別的になるんだったら、もっと重大な女性差別がなくないか?」です。
 木を見て森を見ずというやつですが、全体をきちんと見れば、ある部分がどういう文脈に置かれたどういう性質のものかが分かります。

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 全体を通して話を聞いてみれば、「こんなどうでもいい話題にここまでページを割く? くっだらねーこと言ってんなー。バカバカしくて付き合ってられないよ」と思うこともあるかも知れません。
「なんでこんな話題の最後の、しかも付け足しみたいな箇所だけ問題にする?」と思うこともあるかも知れません。
「と、このナンパ話おもしろいじゃん! 抗議? いいよいいよ、そんなのもう」になる可能性だってあります。
 もちろん、「やっぱりこの記事全体を見た上でも、『ここだけ』をピンポイントで取り上げるのが正しい」と思えることもあるかも知れません。
 全体を見てみないと、それは分かりません。
 それは受講生Dによる抗議だって同じです。

 だからまあ、なるべく元ネタの全体から知ったほうがいいですよ、てことです。「このピンポイントの引用はほんとにあってんのかな? 自分の第一印象の意味合いでいいのかな?」と。
 ろくに元ネタを知らずに「抗議!抗議!抗議!」をやってしまい、「え、元ネタの全体ってそういうもんだったの!?」にあとからなったら、かっこわるいですよね。まあそれはそれで「…てへへ」の黒歴史で終えられたにしても、抗議相手に自殺でもされたら、ずいぶん寝覚めが悪いでしょう。

 幸い今回は自殺者は出てないようですが、その元ネタ/講義の全体を知っても、やっぱり印象が変わらないなら、署名用記事は正確に事件を伝えていたということでしょう。少なくとも、読み手個人にとっては共鳴できる内容になっていたと考えていいはずです。
 でもそうならなければ、読み手本人が署名するに値しないものが、実はその記事内容だったということです。逆に言えば、受講生Dの執筆には、なんらかの落ち度か、読み手とのすれ違いがあったということですよね。



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