#028_IDOL is LIFE / case.05_仙石みなみ
今週は元アップアップガールズ(仮)の仙石みなみ。
SPEED、モーニング娘。にあこがれていたとにかく明るい双子のお姉さん。(3姉妹でもある)
陸上部でも成績を残していた、男勝りだったと語る彼女の素顔はとても前向きで、それでいて野心もある力強い女性だった。
憧れが夢に変わった瞬間
「みなみ」という名前は、『タッチ』の浅倉南からとられているそう。
彼女の父が『タッチ』が好きだったことから由来。
そんな父が、スキーのインストラクターだったこともあり、小学校6年間はスキー漬け。雪山の上に置いていかれ、「一人で滑ってこい」と言うようなワイルドなお父さん。
彼女のガッツある性格はここから来ているのかもしれない。
小学生時代は、基本的に外で遊ぶ少女で、フック船長役でお姫様を救出する、なんて遊びもしていたそう。(お姫様役ではない)
傷だらけになって遊ぶことは珍しくなかった。
それと同時に、姉の影響でSPEEDにはまっていた。
まだその当時は、「なりたい」という感情はなく、どちらかと言えば憧れの存在。
しかし、小学校4年頃のある日にモーニング娘。の『ザ☆ピ〜ス!』に衝撃を受けた。モー娘。にどっぷりハマっていった彼女は、新曲が出る度に友人と振り付けを練習し、自分たちで衣装も揃えて振り真似をしていた。
彼女が住んでいた仙台にもコンサートに来てくれることがあり、そのときは必ず観に行っていたそう。
石川梨華のキラキラしているところが好きで憧れ、なんども観ているうちに「自分もステージに立って歌ったり踊ったりしたい」と思うようになった。
憧れが夢に変わった瞬間だ。
自分に試練を与えて乗り越えることが好きだった
そんな当時から彼女は、学芸会とかがあると主役にやりたいと思うタイプ。
目立つことがすごく好きで、ステージにたつことがすごく楽しかった。
しかし、いわゆる「女子グループ」というものが嫌いだった。
グループから外れている子に積極的に話しかけたり、男子女子構わず遊ぶタイプだったという。男の子といるほうが変に気を使わないし、ラクだと語る。
勝手なイメージだが、こういうことを言うタイプの子は中身めっちゃ女子。
自分に試練を与えて乗り越えることが好きだったそうで、中学からは陸上部に。陸上の種目の中でもきついとされている800メートルを主にやっていた。
体育会系だったこともあり、服装も常にジャージで、私服もアディダスやナイキだったという。
そんな彼女の生身そのまま、ハロプロエッグのオーディションに望んだ。
オーディションに送った写真は日焼けしてまるでスポーツ少年のようだった。
オーディションでは、周囲の子たちが垢抜けた都会っ子で、彼女はオーディション時に当時見ていた映画『あずみ』に影響され、「侍魂でがんばります!」と言ったそう。
おそらくそれがつんく♂の目に止まったのだろう。
見事32 / 10,000に残ることができた。
みんなが先輩と同じステージに立っているのを観た悔しい3年間
晴れてハロプロエッグのメンバーになった彼女だったが、仙台に住んでいることも有り、月に1,2回程度のレッスンをこなすだけだった。
その間に、他の子たちはバックダンサーとしてデビューしたり、ソロで舞台になったりと着実に歩みを進めていた。
数少ないレッスンの日、バックに出る子たちは歌詞カードを貰ってレッスンしている様子を見て、すごく羨ましいと思っていた。
中学3年間は何もできず、とても悔しい毎日を送っていたという。
そんな悔しさから、高校1年からはなんとひとりで上京。
高校1年生から一人暮らしを始めた。
生きていけるのか不安だったそうだが、「夢のためなら」と頑張れた。
ちょうどその頃から、エッグの単独コンサートが始まるようになり、先輩とのレベルの差に圧倒されたという。
先輩たちがステージに向かう背中がたくましくて、カッコよかった
モー娘。メンバーとの差は歴然で、よく怒られていた。
「自己紹介の声は大きく」「感想はもっとわかりやすく簡潔に」「返事は大きく」など、基本的なことをイチから教えてくれた。
今までキラキラしている部分しか見ていたなかった彼女だったが、本番ステージの為に何ヶ月も前から厳しいレッスンとリハーサルを乗り越えている。
そんな先輩たちがステージに向かう背中がたくましくて、めっちゃカッコよかったと言う。
東京に出てきて3年目。
自分の長所、自分とはなにかが見つけられていなかった。
しかし、何度もステージに立つ上で、自分は背が小さいけれどステージ上でパワフルに大きく動けば存在感を出せる、ちっちゃいからこそ、もっと大胆に、ということを学び、ダンスに力を入れるようになった。
初めての挫折
そんな自分を掴んださなか、エッグが終わることを告げられる。
自分がやってきた7年間はなんだったんだろう、と絶望に打ちひしがれた。
一度は会社にも「やめます」と伝えていた。
それでも「やっぱりやめません」と思い直した。
母からの言葉、「あきらめられるならやめてもいいけど、少しでもやりたい気持ちがあるならもったいない」と言われた言葉が彼女に響いた。
そんな葛藤を、スタッフが見ていたのか、アップフロントガールズ(仮)のちのアップアップガールズ(仮)のメンバーとして選ばれた。
先輩たちの曲ってすごい盛り上がる。でも自分たちの力じゃない。
結成して1年は自分たちの曲がなかった。
ハローの先輩たちの曲を歌うしか無くて、自分たちは何者なのかもわからなくなっていった。
先輩の曲を歌うとお客さんはすごく盛り上がる。
盛り上がってくれるのは嬉しいけれど、そのままでいいのかという気持ちが強くなっていた。
それから、1年越しに自分たちの1曲目ができたときに、初めてチーム感が生まれたという。
可愛くしなきゃ、というより汗や悔しさまで全部出すのがアプガ。
自分を隠さずに要られるグループで良かったと語る。
後先ないし、一度挫折を味わった負け組からのスタートだし。
今、ステージの上で爆発できてるのがめっちゃうれしいですね。
彼女の本音だろう。
今は女優として活躍する仙石みなみ。
すごく純粋で良い子だと思った。
頑張れ、仙石みなみ。
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