#018_コーヒーのある生活
リモート生活が始まって久しい。
周囲の人間も自宅で業務する生活に適応し、思い思いの生活スタイルを確立しつつあるようにも見える。
しかし人間というのは面白い生き物だ。
適応が終わると、変化を求めてしまう。
ある者はジョギングを始め、ある者は料理を始める。
逆もまた然り、今まで続けていたルーティーンをやめる人もいる。
それもまたひとつの変化だったりするのだが。
私も、ご多分に漏れず時間の使い方を考え、変化を求めるようになった。
毎朝朝日を浴びて窓を開けるようになった。
以前より読書をするようになった。
料理もするようになった。
運動量は圧倒的に減った。
ちょっとした変化が、生活に潤いを与える。
その中でも、今一番充実感を得ているのがコーヒーを淹れることだ。
元々コーヒーは好きで、一日2,3杯飲むのも珍しくない。
しかし、恥ずかしながら今までちゃんとコーヒーを淹れた経験がほとんどなく、インスタントやマシン、お店に頼っていた。
自宅に粉末と道具はあったので、自分なりにコーヒーを淹れてみた。
一杯のコーヒーを淹れるためこんなにも粉末が必要なのか。
粉末とフィルターを捨てるのを最初はためらってしまった。
すごく贅沢に感じた。
そして淹れたコーヒーは美味しかった。
でもちょっと薄いかな、なんて思っていた。
次の日、少し粉末の量を多めにして淹れてみた。
濃くなった。けれど、ちょっと苦すぎるかも。
また次の日、間ぐらいで量を調整してみた。
丁度いい。ただ少しぬるすぎたか。
ちょっとのことで、全然違う表情を見せる。
粉末を変えたらまた全然違う顔を見られるのだろう。
豆から挽いたらどんな味になるのだろう。
道具を変えたらどんな味になるのだろう。
ちょっとしたことかもしれない。
それでも、朝のひとときにコーヒーに想いを馳せ、
一杯のコーヒーに少しだけ情熱を注ぐ。
時間の使い方として正しいとは言えないかもしれないが、
今はこの時間がすごく楽しい。
しばらくはコーヒーと共に、この生活を楽しみたいと思う。
おすすめの豆があったら是非教えてほしい。