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木田さんが1年間、休職するってよ

世の中に、離職エントリや、就職(就社?)エントリは時々見かけますが、この記事のような「休職エントリ」というのはあまり、見たことがありません。ところが、この記事は、はい、休職エントリです。

株式会社プリンシプルでの取締役という仕事を2022年10月1日から1年間、お休みします。目的を決めない中期的な休暇、いわゆる、サバティカル休暇です。

私は休職する時点で55歳。世間的には「働き盛り」の年齢です。し、実際に忙しくしています。取締役をしている株式会社プリンシプルは創業11年目、「第二の創業期」にあたり重要な時期でもあります。(もちろん、ベンチャー企業にとって重要ではない期などありませんが、2022年4月に初めての新卒採用を行うなど、それまでの「腕利き職人のチーム」、から「組織で戦うチーム」への変革期という意味で重要です。)

ですので、世間的には少々クレージーなことかもしれませんが、いろいろなことを考えるうちに「今しかない」と思い、会社(特に、創業社長の楠山代表)にご理解いただき、今回の決断をするに至りました。楠山社長や会社のメンバーの皆さん、私のワガママを聞いていただき、今回の休職を実現させてくれてありがとうございます。

私の周りに同年代、いわゆるアラフィフの友人がいますが、今後のキャリアや、大げさに言うと今後の人生について、大なり小なり、悩み、迷い、不安を持っている人が少なくない印象です。私も、(口の悪い友人は、「木田さんは四捨五入したら"アラ還"でしょ」と言いますが)その中の一人です。

もちろん、個人差はありますが、アラフィフという年代は、子育ても終わった(か終わろうとしている)。教育費負担から解放された(か、解放される目処がたった)。住宅ローンは払い終わった(か目処がたった)など経済的に楽になる面があります。

一方、キャリア上はおおよそ先が見えてきた。体力は落ちてきている自覚がある。など、「老後」とは言わないまでも、それまで突っ走ってきた「第一の人生」の終わりを薄々と感じ始める面もあります。

我々アラフィフは、それら2つの面のちょうど境目にいて、「これまで通りには働けないのではないか?」、「これまで通りに働き続けるのがベストなのか?」、「第二の人生があるとすれば何をしたらハッピーなのか?」などを自然と考えるようになり、それが、悩み、迷い、不安の原因なのだろうと思います。

この休職エントリは、そのようなアラフィフの同輩の皆さんに向けて書いているところがあります。つまり、今後の人生をどうしよっか?と考える際、少しでも参考になるところがあるのではないか?ということです。なので、このエントリでは、

  • なぜ休職するのか?

をお伝えすることとし、今後も、不定期かつ、比較的頻度高く、

  • 休職中何をするつもりのか?

  • 休職を可能にした条件は何か?(誰でもできるのか?)

  • 仕事から離れたらどんな気持ちになるのか?

  • 友人関係や家族関係にはどんな変化が起きるのか?

  • 仕事を休んで空いた時間で実際には何をしているのか?

  • 仕事に戻りたくなったり、寂しく感じたりしないのか?

  • 1年後本当に戻れるのか?

  • 戻るためには何をしたのか?

などを投稿していきたいと思います。

では、少し長くなるかもしれませんが、なぜ、休職するのか?について、興味のある方はお付き合いください。

なぜ休職するのか?

きっかけは一冊の本

きっかけは1冊の本でした。「DIE WITH ZERO」。ゼロで死ね。
この本を1年半くらい前に読んだときは衝撃的でしたね。

それまでは「特定分野での専門性を高めて礎とし」、「専門性のある特定分野を複数に広げることで」、「希少性を増した上で」、「ハードワークして」、「仕事上で成果をだしながら」、「収入を上げていく」ということを是としていたのです。が、この本で言っていることは、その考えと真っ向からぶつかるものでした。この本で言っていることを私なりに、ものすごく乱暴に要約すると次のようなことでした。

  • 時給10,000円の人が、1,000万円遺して死んだら、その人は1,000時間分、「何かを体験」をする代わりにその時間を仕事につぎ込んだことになる

  • 「体験から得られる喜び」に対する感受性は歳を取ると大きく下がる(同じ体験を20歳と80歳でしても、80歳のときの方が喜びは小さい)

  • とすれば、どこかで貯金を切り崩してでも、そのお金を「体験を得ること」に回し、死ぬときには残高0円なのが理想

  • そのタイミングはどんなに遅くとも60歳まで

極論ではあるりますが、一理あるな。と思ったんですね。

「お金」、「元気」、「時間」の三すくみというのがあります。若い頃は時間と元気はあるが、お金がない、お金を稼げるころになると元気だけれど、時間がない、時間とお金があるころには元気がない。どこでその三すくみを打破して人生を楽しむことができるのか?それが「貯金を切り崩す前提での60歳前」だと言うのです。

それがきっかけで、人生では、体験とそこから得られる喜びが大事なのではないか?と思うようになりました。

もちろん、仕事はお金を稼ぐ手段であると同時に、それ自体が「体験」であり、お金以外の喜びを与えてくれるのも事実です。が、私は比較的「無思考、無自覚に」キャリア上での成功と、そこから発生する(はずの)収入を重視してきたのではないか、ちょっと仕事に重きを置きすぎてバランスが悪いのではないか?と。思うようになりました。

たとえば……「三体」、一行も読んでません。孤独のグルメ、タイトルしか知りません。トップガン・マーベリック、見てません。マリーナ・ベイ・サンズ、泊まったことありません。マグロ、釣ったことありません。

それでいいのかな?と。死ぬとき、後悔しないかな?と。

アウトプット過多でインプット不足

私の仕事は、(潜在的なお客様も含め)お客様に、データに基づく行動が重要なこと、その行動を起こすには適切なデータ解釈と分析が必要なこと、適切な意思決定を行うための分析のテクニックなどを伝えることです。

そのアウトプットを出すためには、当然、インプットが必要なのですが、休職に入る1年くらい前、ちょうどGA4が出てきたあたりから、アウトプットの量とインプットの量が近づいてきてしまった。という感覚がありました。

理想的なバランスが、仮に「100インプットして(=100知っていて)、10アウトプットする(=10伝える)」だとすると、それが「20インプットして10アウトプットする」ような状態だということです。

アウトプットの頻度が高いと、当然、そういうことになりやすいのです。なので、一度アウトプットを止めて、インプットに集中し、もう少しバランスを取り戻したい。と思うようになりました。それが2つめの理由です。

少し疲れた

そして、3つめの理由として「少し疲れた」というのは正直あります。特定の何かに疲れたというよりは、ここ10年は私なりに高速で走ってきたので、年齢を考えれば、ま、当然の結果です。体にも少々ガタが来ています。

取締役というのは会社のリーダーですので、疲れたまま仕事をするのはとても良くないと思ったんですね。社員の人が、思わず目指したくなるような姿勢、エネルギー、パッションを持っている人がリーダーでいるべきだ。と。

また、この10年、私なりに会社をひっぱってきた自負はあります。誤解や自信過剰も含めて、、、ではありますが、「自分抜きでは会社の成長は難しいのではないか?」と思う時期も長かったです。ところが、今は社員の皆さんが育ち、私抜きでも、会社は成長するだろう。と、(手放しで、とまでは言えないにしても)ある種の「楽観」ができるようになりました。

とすれば、自分は休もう。

休んで、これまで優先順位を下げてきた(突っ走るためには下げざるを得なかかった)仕事以外の体験を積み、インプットを蓄積しながら元気を取り戻そう。そうだ、きっとそれがいい。

まとめ

というわけで明日から1年間休職です。早速、8泊9日の国内旅行に行ってきます。

また、どこかでお会いいたしましょう。皆さん、体に気をつけて、お元気で。


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kazkida
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