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サバティカルのまとめ3 - 定年退職後の準備としてのサバティカル

私は労働慣行の専門家でもなんでもないので、間違っているかもしれませんが、サバティカル休暇は「(基本的には)目的を決めない長期の休暇」だそうです。(ボランティアや語学学習等の活動を義務付ける場合もあるようですが)また、一定の年数働いた後に取得可能になる例が多いようです。たしかに、入社2、3年目の人に「はい、サバティカル休暇、どうぞ」というのはあまりない気がしますね。

その2条件(比較的年齢が高い人が、目的を定めずに取得できる)を考えると、サバティカル休暇は十分に定年退職後の準備期間として機能するのではないかと思います。何十年も働いてきて、急に定年退職して生活が一変するのは、ともするとハードランディングのリスクがありますが、その緩和措置という意味合いですね。

私の取得したサバティカル休暇で、あぁ、こんなことを準備すると、定年退職後の準備になるのかなぁ。と思ったことをまとめてみます。

定年退職後の「衛生要因」を考える

衛生要因とは、「たとえ、他にどんなよいことがあっても、ここがだめだったら駄目」という、ハッピーな生活をするために、必要不可欠な要因のことを言います。

たとえば、

  • パートナーとの関係

  • お金を稼いでいること

  • 誰かに感謝されること

  • 何かに一生懸命に打ち込むこと

などが候補になると思います。定年退職後のシミュレーションというと「趣味の●●をして」とか「●●とか▲▲など国内の温泉を巡って・・・」とか、楽しいことに思いを馳せたくなるのが人情ですが、まずは、ディフェンス。ということですね。

「どんなにいい生活をしていても、パートナーとの関係がこれでは幸せとは言えない」とか「どんなにいい生活をしていても、お金を稼いでいない自分は自分とは言えない」とか「どんなにいい生活をしていても、誰にも感謝されない人生なんて、真っ暗だ」などのように「どんなにいい(=楽な)生活をしていても」を上の句にして、正直に自分の気持ちに下の句を継ぐと、衛生要因が浮かび上がる気がします。

サバティカル中は、パートナーと過ごす時間が大幅に増えますし、お金は少なくとも休暇を取っている会社からお給料でませんし、誰かに感謝されるどころか、一週間家族以外とは話をしなかった。なんてことも起こりえます。そんな環境の変化の中に、自分にとっての衛生要因の種を探す。まさに、定年退職後の生活のシミュレーションができるということですね。

定年退職後の生活を設計する

衛生要因さえ満たされれば「最悪」の事態は起きません。ですので、本当の定年退職までの時間を利用して、その衛生要因が担保されるように設計したら良いと思います。

「パートナーとの良好な関係」が衛生要因であれば、時間をかけて関係を改善するとか(あるいは、定年後は別々に暮らそうと話をつけるとか)、「お金を稼いでいること」が衛生要因であれば、定年退職後も稼げるスキルについてリサーチし、サバティカル中にスキルを磨くとか、「周りの人から感謝される自分でいること」が衛生要因であれば地元でボランティアを求めている団体がないかどうか調べて、なんなら「お試し」で参加してみる。などです。

実際に定年になってしまうと余裕をもって調査したり、活動したりできないことが、サバティカル休暇という「期限付きプチ定年退職後シミュレーション」であれば、気軽に設計し、気軽に試してみるようなことができると思います。

衛生要因を探すときに気をつけること

衛生要因を探すときに気をつけることはあくまでも「自分にとって」を譲らないことだと思います。世間や、他の人にとってどうか?は全く気にする必要がありません。

「定年後、飲み会にも誘われない存在なんて、最悪だぞ」と誰かが言ったとしても、「定期的に飲み会に誘われること」は、その人にとっては非常に重要でも、あなたにとっては衛生要因ではないのかもしれません。生きがいを持たなきゃ、心がときめく異性をもたなきゃ、お金を稼がなきゃ、ボランティアを通じて誰かに感謝される存在でなきゃ、、、全部、他人にとっての衛生要因の例だと思って聞いておけばいいですね。

そこは気をつけましょうね。


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kazkida
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