不定期サバティカル日記9 「旅館ご飯」フォーマットの陳腐化
サバティカル休暇中の南西九州縦断旅行では、2種類の宿泊施設に泊まりました。一つは都市型ホテル(鹿児島、島原、長崎、佐世保)、もう一つは温泉旅館(指宿、天草、嬉野)です。
都市型ホテルの場合には素泊まりにして、夕飯は近くの居酒屋に行くことにしています。温泉旅館の場合もそうしたいのですが、近くに適当な居酒屋がない場合が多いです。そこで、温泉旅館に宿泊した場合には、自ずと旅館の夕飯を頂くことになります。
温泉旅館が頑張っているのは、すごーく頑張っている温泉旅館に書いた通りなのですが、どうしてもいただけないのが、その夕飯です。懐石料理のアレンジなのでしょうか、おおよそ、先付け、お椀、お造り、焼き物、箸休め、煮物、ご飯(とお新香)、お味噌汁で構成されています。場合によっては、そこにアワビの踊り焼きや、地元ジビエの朴葉焼きなどが(良かれと思って)加わります。
まず、量が多すぎます。旅館の人に聞いたところ、完食する人は10%~20%程度ということでした。量が多いと当然完食できず残します。するとお客さん側には罪悪感が、旅館側には廃棄ロスが発生します。
誰得?という話です。
そして、お客さん側としては「そのとき食べたい料理」を食べたいです。もちろん、せっかく旅行に来たのですから、食材はぜひ、地元で採れたものでお願いしたい。特に、収穫量、漁獲量が少なくて、、、とか、傷みやすいから、、、といった理由で市場流通には乗らない食材だと、旅行に来たかいがあります。ま、そうでなくても、新鮮な食材は嬉しい。
しかし、その食材を「アレンジ版懐石料理」で食べたい人ばかりではないと思われます。ワインを飲みたいので洋食で食べたい。和食が続いているので中華で食べたいというお客さんも相当いると思います。なのに旅館の夕飯フォーマットは完全に固定されています。
問題の本質は、お客さん側に選択肢がないことなので、そこを変えてくれると嬉しいです。理想的なのは居酒屋スタイルです。メニューに料理が並んでいて、そのメニューには食材の産地と値段が書いてあって、お客さんが好きなものを食べられるだけ頼むスタイルです。
もし、そこまでできないのであれば、コース料理にして、和食と、洋食を用意し、前菜を数種類から、メインを数種類から選べるようにして頂けるだけでも良いです。
ぜひ、検討してもらいたいですね。
ではまた。