涙のコンサルティング
コンサルティングをしていると、自分のキャリアを話している中で泣き出してしまう方に出会います。家族との死別。職務上のハラスメント経験。原因は様々ですが、心の奥に抑え込まれていた悲しみや悔しさが言葉とともに感情の表面に出て来たということだと思います。
人はどれほど多くの感情を抑圧していることでしょう。けれど生まれた感情はどんなに押さえつけても消えることがありません。それは昇華されるまで存在し続けます。
キャリコン中の涙は昇華のサイン。泣くことで癒されて消えていく場合だってあります。その証拠に、ひと泣きした後の相談者の顔は何だか晴れ晴れ。とてもいい表情になっています。
キャリコンは厳格な守秘義務を負っています。話したことが他に伝わることはありません。悲しい、悔しい、泣いてしまいたい。そう思ったら泣いたらいいんです。遠慮は要りません。心をいっぱいに開放して構わないんです。
キャリコンは傾聴の訓練を受けています。あるべき姿勢は「受容」「共感」「自己一致」。人の話をさえぎらず、ひたすら思いを受け取ること。悲しかったら同じように悲しみ、悔しかったら同じように悔しがるのです。泣いている人を慰めるのが普通の人。一緒に泣くのがキャリコンです。
昔、東京・新宿の街角に立つ「殴られ屋」という人が話題になったことがありました。一発1000円。客は思い切り顔を殴るのです。いろいろな感情を込めたパンチを顔面に繰り出すというのは、確かにストレス解消にはなりそうです。この物騒な商売はあっという間に飽きられなくなりました。
暴力に敏感になった現代では考えられないことですが、感情を受け止めるという点ではキャリコンも同じようなことをしているのかもしれません。抑圧からの解放。昇華に導いて霧散。それができれば理想的と言えます。
人に思いをぶつけたいと思ったらその相手はキャリコンを選びましょう。その訓練を受けていますし、経験を積んでいます。気持ちを軽くしたい、スッキリさせたい、人前で泣きたい。そんな動機で十分です。どうぞお気軽に受けてみてください。