キャリコンは誰と話している?

キャリコンが話している相手が誰か?
これだけでは意味不明な疑問ですね。

      

エゴグラムを開発したことで有名なエリック・バーンは自我の状態を5つに分析しました。
・批判的な親(父性)の状態:~しなさい
・養育的な親(母性)の状態:~してあげる
・大人な状態(冷静沈着)
・わがままな子どもの状態:~したい、~いやだ
・従順な子どもの状態:はい、わかりました

バーンは個人の中にそれぞれの状態が同居しているとしました。そしてどの状態がどの状態に対して話しているかが重要だと唱えたのです。それを測るのを交流パターン分析と言います

キャリアコンサルティングの現場では親の状態にいるキャリコンと子供の状態にいる相談者とのコミュニケーションになりがちです。

~しなさい、または~してあげる、という問いかけをキャリコンがすれば、相談者に目覚めるのは子どもです。現れる感情は~したい、~はいやだ、あるいは、わかった、わかりました、です。

この関係はいいものだとはされていません。大人の状態であるキャリコンが話しかけて大人の状態にある相談者が答える。これが基本だと思います。分析的で整理された会話ができるからです。

さて、ここから先が私見となりますが、大人の状態もさらに細かく分析できると考えます。
相談者が抱える問題は複雑です。家族、給与、人間関係、通勤距離、節税、出世、見栄、物欲、病気、など。いくつもの要因が絡み合ってのっぴきならない問題になっているのが普通でしょう。

そんな時キャリコンは相談者の中の誰に話しかけるのでしょうか。
私の場合は「成長意欲」です。人間関係に悩む相談者は多くいますが、つまらないもののために大事な成長を犠牲にすることはありません。

そこで「成長意欲」に問いかけます。「その人間関係は自分の成長に関わりますか?」「成長を目指すことで、気にならなくなりませんか?」

自分が向上するためなら多少の辛さは気にならないものです。他の問題も同じです。家族、給与、出世、仕事内容、残業時間などなど、成長と比べてどちらが大切かを聞いてみます。

自分の目指すことを想像してみると、多くの問題が小さくってしまいます。つまり人は問題を過大に見ているということでしょう。過大になった問題に頭を悩ませて、必要のない異動や転職を願い出たとしたら、大きな後悔になってしまいます。

その悩み、過大になっていませんか。自分の成長よりも大事なものですか。それを分析的に考えてみる。それが「大人」というものですね。


いいなと思ったら応援しよう!