![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76379224/rectangle_large_type_2_9f86fa600c9a85133cdd654e4de10c5f.jpeg?width=1200)
身体づくりのピラミッドとは
身体づくりには、土台作りが大切だ。その土台となるのが、まさに今回のテーマである柔軟性となる。その理由をお話しするのに、まずは「身体づくりのピラミッド」をご紹介したいと思う。これは、身体づくりの指標となるもので、下から「柔軟性」「筋力」「スキル」というように積み重なっていきくものだ。この3つが三角形のピラミッドみたいに、積み上げていくと理想の身体づくりとなる。
図:身体づくりのピラミッド
![](https://assets.st-note.com/img/1649859186686-QC2LDRy398.png?width=1200)
「身体づくりのピラミッド」は土台である「柔軟性」がしっかりしていれば、その上にある「筋力」「スキル」が安定して力を発揮できることを表現している。また、土台が大きければ大きいほど(裾野が広ければ広いほど)筋力やスキルを多く身に付けられることも示している。
たとえば、「スキル」や「筋力」ばかりを重視して、「柔軟性」をおろそかにすると、ピラミッドの上のほうが大きくなり、非常に不安定なピラミッドとなる。そうすると、些細なことがきっかけで、スランプやケガにつながりやすくなるだろう。
反対に「柔軟性」を高めておくことで、関節の可動域が広がる。そのうえで、「筋力」がつけば、弾力のある身体となり、さまざまな「スキル」を習得することができる。
息子が野球を始めたばかりのこの時期だからこそ、柔軟性を高めておくことで、将来的により多くの筋力やスキルを身に付けられ、より良いパフォーマンスを発揮できる可能性を上げていきたいという思いがあった。
余談ではあるが、YouTubeなどで最近の子どもたちへの指導をみていると、「スキル」が一番優先されているようにみえる。そのおかげで、我々が子どもの時とは比べものにならないほど、技術的に優れている子が多いのだろう。
いずれにしても、ここでお伝えしたいのは、「スキル」はピラミッドの一番上になるので、「スキル」だけが大きくなってしまうと、ピラミッドは非常に不安定となるということだ。「柔軟性」「筋力」が未熟なところに「スキル」ばかりのせても、身体に無理が生じてケガのリスクが高まってしまう。
誤解を恐れずにいうならば、上手い選手というのは、結局のところケガをしない「サバイバルな選手」と言ってもいいのかもしれない。野球を長く続けていくうえで、身体が硬いと、関節の可動域が狭まり、思い通りに動けなくなる。自分がイメージしたものと実際の動きに違いが生まれ、動くことが嫌いになってしまう原因にもなりかねない。
また、柔軟性がないと、いわゆる成長期である10歳から15歳に起こる「成長痛」の原因にもなり得る。成長痛は、骨の成長に筋肉や腱がついていけず、身体のさまざまなところに痛みが出てくるが、筋肉に柔軟性があればその痛みを回避できると言われている。
野球ひじや膝に痛みの出るオスグッドシュラッター病などは、いずれも筋肉が硬いことやそれにより関節の可動域が狭くなることが原因である。聞くところによると、我々のチーム内にも膝を痛めている選手もいるようだ。中には、大人のように腰痛や肩こりに悩む子もいる。これを聞いたときに、チーム内でのストレッチだけでは足りないと思い、野球以前に息子をケガからも守り、その後のパフォーマンスを上げるために、「柔軟性」を上げていくことを大切なテーマにしたのである。
さらに、昔から言われていることだが、柔軟性の欠如は、姿勢が悪くなってしまうという、大きなデメリットにもつながる。加えて、息子は普段ゲームばかりしている。姿勢が悪いと脳に十分な酸素が行き届かず、集中力が乱れ、学力の低下の要因にもなる。そして、息子は実際その通りの子だ。なので、まずは、親としてもコーチとしても、身体の硬さを解きほぐしたかったのである。