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チーム力を上げるために
先日、雨が降りグランドでの練習が中止となった。その代わり、地域の自治会館のようなところで「座学」が行われた。私はこのチームのコーチになってはじめて座学に参加したが、それこそコロナ前はしばしば行われていたようだ。
監督は普段から「子どもたちに考えさせる野球」を目指していると言っている。このミーティングでは、それが発揮できるチャンスだと思い、私も楽しみにしていた。ところが、皮肉なことに、このミーティングによって、選手たちがいかに考えてプレーしていないということが浮き彫りになってしまった。新チームになってからの練習試合を見て私自身疑問だったのが、それが考えたうえプレーして結果ダメだったのか、それとも単なる凡ミスだったのか、ということだ。
一通りの座学の後、監督が先日のスコアブックを見ながら選手たちに確認していった。そこで私が問題だと思ったのが、考えていないことは考えていないのだが、質問されても答えられないということだ。どういう気持ちでどんなことを考えて、ということがなく、おそらく本能的に試合をしているのだろう。もちろん、こういった野球もありなのかもしれない。そのうえで、逆に「考え」を加えることで、野球のレベルが今よりも2段階は上がるな、と聞いていて思った。
では、考えるためにどうしたらいいのか、ということだが、人間はインプットしたものしかアウトプットされない。そのためのヒント、参考材料というのは、我々コーチ陣が伝えていくべきだと思う。
その中でも、私は特に「走塁」に大きなチャンスがあると思っている。野球の本質はすごろくだ。4つの塁を奪う中で、2回まで失敗が許される。失敗より進塁の数の方が多い特性上、リスクを負ってでも先の塁を狙わないと理論上は得点されないスポーツだ。
にもかかわらず、
ヒットを打って満足し、オーバーランしなかったり、
少しでも短い距離を走るための工夫がなかったり、
守備側にプレッシャーがない状況を自ら作り出したり、
相手のミスで進塁できなかったり、
ランナーがスタートがいいのにその球をファールにしたり、
と言い出したらキリがない。
監督の意図を汲み、いつもは選手たちに監督の通訳をしてサポートをしてきた私だが、このままだとまた同じように1年があっという間に過ぎてしまう危機感から、このときばかりは口を出して選手たちを鼓舞するとともに、今の問題点を真正面から洗い出した。
選手たちにとっては決して居心地のよい時間ではなかったかもしれない。それでも、この問題が解決できれば、ひと回り、いや二回りは成長できると信じてこれからの練習に取り組んでほしい。また次の練習から選手たちがどういった心持ちでグランドにやってくるのか楽しみだ。