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新入選手入団

このところ新しい選手が入団してきた。息子の同級生だけで3人。一つ下の2年生に関しては、それ以上だ。これで、今の3年生以下だけで24人の選手になるので、2つのチームができるほどである。

息子は最初は本当に下手でどうしようもなかったが、少しずつ、本当に少しずつ成長して、調子がいいとショートからノーバウンド、普通は中途半端なバウンドで送球ができるようになった。といっても、ふわーっとした山なりのボールだ。速い叩きつけるようなワンバウンドで投げるように言っても、息子にもプライドがあるのか、なかなか聞き入れない。

それもそのはず。新入りの選手がみんな肩がよく、ショートからでもスーッといい送球を最初から投げられているからである。ひいき目でみても、残念ながら送球が安定しているのは、新入りの選手だ。

そんな中、練習試合が組まれた。2試合あったので、全員が出れるようにチームを予め2つに分けて1試合ずつ出られるよう監督が工夫した。息子は1試合目に2番ショートで出場した。その試合では、結構打球が飛んできた。私の記憶だけでも7回はショートに飛んできた。ところが、どれもアウトにすることができなかった。また、打席も2回立ったが、2打席とも三振、しかも見逃し三振だ。一言でいうと、いいところはなく息子のマイナス面が全部浮き彫りとなった試合となった。チームも大差で負けた。

一方、2試合目は新人の選手がショートを守って、打球もしっかり処理してアウト。親御さんたちからは歓声があがっていた。また、バッティングも他の選手がなかなかバットに当たらない中、その選手はボールにコンタクトして前に打球を飛ばしていた。また、チームも最後に逆転勝ちをした。

息子にとってとんだライバルが出現した。
試合後は、私もこのままじゃいけないという気持ちもあり、息子を呼び出して、落ち着いて話をしてみた。息子がどんな気持ちになっていたのかを確かめるように質問していったが、あまり息子の本心がその言葉からは見えなかった。だが、話が進んでいくうちに、気がつくと息子は静かに涙していた。

私に責められていると思ったのか、悔しかったのかは分からないが、息子も今よりもレベルアップしないといけないと思ったようだ。ライバルが自分を強くする、と言われるが、突如現れた新しい仲間と切磋琢磨しながら、お互いを高められるような、そんな存在になってほしいと思った。

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