身体が硬いことのデメリット
今回は、身体が硬いことで起こるデメリットについて、もう一度改めてお伝えしていこうと思う。結論から言うと、身体が硬いと、運動が嫌いになる原因になったり、ケガが起こりやすくなったり、成長痛が起こりやすくなったりする。そのメカニズムは以下の通りだ。
身体が硬いと、関節の可動域が狭くなるので、思い通りに動かせなくなってくる。自分の頭の中の動きと実際の身体の動きが違うと、「ズレ」が生じ、上手くいかないことで、モチベーションが下がり、挑戦する意欲を削ぐ原因になりかねない。練習、または動くのが嫌になってしまうと、子どもの運動嫌いが助長されてしまう。また、転んだ時の対応力も低くなり、ケガの要因にもなる。
加えて、身体が硬いと姿勢が悪くなることもデメリットになるだろう。姿勢が悪いと、脳に十分な酸素が行き渡らず、集中力が乱れ、学力の低下にもつながりかねない。特に、最近はパソコンやスマホが普及し、どうしても「前に前に」意識がいくため、背中が丸まりやすい環境下に我々は置かれている。意識的に無理やりにでも胸を開いていかないと、肺が狭くなり呼吸も浅くなりやすい。
また、長時間同じ姿勢でいると、筋肉は硬くなり、肩こりや腰痛の原因になるだけでなく、姿勢を悪くし、集中力を低下させてしまう。近年、大人と同じように肩こりや腰痛を訴える子どもが増えたのもスマホの普及が原因とも 言われている。
さらに、柔軟性の欠如は、10~15歳の成長期に発生する「成長痛」の一因ともなる。「成長痛」は骨の成長に対し、筋肉や腱がついていけず、全身の様々な箇所に痛みを生じさせるが、筋肉に柔軟性があれば、その痛みを回避してくれる。
特に、野球に限らず運動をしている子どもの中で多いのが、ひざの曲げ伸ばしの際に痛みが生じる、「オスグッド・シュラッター病」だ。これは、太ももの前の筋肉が硬いことで、ひざ下の骨を引きはがしてしまい、ひざのお皿の下がふくらみ痛みが生じる一種の成長痛である。
予防するには、地味かもしれないが、日々のストレッチで筋肉をほぐすことが一番である。他に幼少期で発生しやすいのは、「野球ひじ」などがあるが、野球ひじは使い過ぎが原因なので、肩や股関節の柔軟性を高めておくことが一番の予防策となる。いずれにしても、筋肉が硬いことやそれによって関節の可動域が狭いことが原因となってしまうことが多い。
息子が野球を始めたことを機に、生活習慣を見直し、小さい頃から、日々の柔軟体操を日常に取り入れ、習慣化することで、逆にあらゆる面で、プラスの影響を及ぼして欲しいと思っている。この習慣は、野球を続ける続けないに関わらず、「健康資産」として、将来息子の財産になると確信している。
現在では、私も自身の「健康資産」を構築すべく、息子と一緒に柔軟体操を日常生活の中で取り入れている。次回は、なぜ身体が硬くなってしまうのか、ということについてお話していきたいと思う。次回もお楽しみに。
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