強いチームと弱いチーム
今は春の大会中なので、毎週のように試合がある。息子は実力が伴わず、残念ながら試合には出場できずにいる。試合の帰りには「試合に出たい」と引っ込み思案の息子から積極的な言葉が出るので、私としても早くレギュラーになれるようにサポートしたいと思っている。
そのうえで、息子が試合に出られるチャンスがないわけではない。理由は、一つ上の4年生が5人と少なく、他のチームと比べて相対的に弱いからである。それでも、いつも試合に負けてしまうのは、Cチームの最上級生である4年生が少ないからだけではないようである。なぜなら、聞くところによると、昨年も負け試合が多く、1勝できたかどうかという成績だったからである。
もちろん、少年野球は勝ち負けだけではないことは重々承知である。そのうえで、子どもたちにとっても勝った方が嬉しいだろうし、なにより普段辛い練習をせっかくしているので、それに見合った形で、勝った時の喜びや充実感も、純粋に味わってほしいと思っている。
そこで今回は、負けグセがついているチームをどう立て直すかも含め、勝つチームと負けるチームの差はどういったところに表れるのか、ということについて私の見解をお伝えしたいと思う。ちなみに私はこれまで、強いチームにも弱いチームにも所属したことがあるので、両方のチームの雰囲気や違いも分かっているつもりだ。
負けグセがつくと残念ながら、なかなか勝つことができない。譲れないところは断固として突っぱねないと、そこから抜け出すことは容易でない。
ただ、一度抜け出せば、今度は不思議となかなか負けなくもなる。
だからこそ、勝つチームというのは、「勝負の勘所」というのをチーム全員で熟知していて、その場面が来れば、集中力がグッと上がり、研ぎ澄まされた中でプレーをする。そして、全員で全力で抑えにいったり、畳みかけたりするので、相手に流れを渡さないのだ。それが上手なチームが強いのだ。
よく、「うまいチーム」と「強いチーム」があって、「うまいチームが必ずしも強いチームとは限らない。試合に勝ったチームが強いのだ」なんて、表現が野球の世界ではしばしば使われる。
野球というのはいろんな要素が絡み合うので、まさにその通りであると私も思う。逆に言えば、実力が多少あったとしても、戦略や試合運びによって勝利を手繰り寄せる可能性を上げていくことも可能なスポーツとも言える。だからこそ面白い。
そして、以上のことを踏まえると、「勝負にはすべて勝つ必要もない」。勘所さえ押さえればいいのだ。
突然ですが、みなさんこの人をご存知だろうか。
実は、この方は若かりしの徳川家康である。
次回は、今回の話しの続きとして、徳川家康から「失敗から学ぶ」ということについて、個人的に大好きなエピソードをご紹介できればと思う。