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息子の悩みと葛藤

2月から息子は野球チームに入ったが、4月に入り、息子は2年生から3年生となった。これまでのチームの状況を見たうえで思ったことが、「この一年」が勝負だな、ということだ。なぜなら、チームの人数的な状況から、「4年生」が一番大変だということに気付いたからだ。

4年生は、Cチーム(4年生以下のチーム)では最上級生で中心的役割を担っていると同時に、Aチーム(6年生以下のチーム)では、5、6年生が少ないため、戦力として参加している。上のチーム(Aチーム)ほど勝利にもこだわった野球をするので、4年生は人数合わせではなく、完全に戦力としてカウントされている。つまり、試合に出れる選手とそうでない人がはっきりしている。

しかも、4年生は練習も2つ分こなしたうえで、試合となると2試合のダブルヘッダーも行う。この状況を知り、3年生と4年生では体力面でも精神面でも、大きな壁があると感じていた。

4年生の時点で試合に出れないと、出ている選手にどんどん遅れをとってしまう。そのことを心配して、この一年が勝負だぞ、と息子自身にも伝えた。特に、息子の学年は人数が10名と他の学年と比べてダントツで多い。さらに、一つ下の学年は、まさにゴールデン世代と言わんばかりの、野球がうまい子が多い学年だ。実際にこの学年で試合に出ている選手もいるくらいだ。この状況の中で、もし来年試合に出場できないとなると、AチームでもCチームでも試合に出るチャンスが極端に少なくなってしまうだろう。

こんな状況の中、4月に入り、5月から春の大会が始まるということで、少しずつ他のチームとも練習試合が組まれることとなった。もちろん、野球をはじめたばかりで、ボールを捕ることも、投げることも、打つことも、まだまともにできない息子は、レギュラーではない。かたや、同級生や下級生が試合に出ている。試合で息子はやったことのない、「ボールボーイ」を命じられ、不慣れな感じでキョロキョロしながら、ファールボールを取りにいく。

ボールボーイもチームの中で欠かせない大切な役割だ。そのうえで、息子も思うことがあったのかもしれない。ふいに私にこうつぶやいた。

「つまらない・・・」

私は思わずたじろいでしまった。なんて声かけていいのか、一瞬分からなくなった。「どうした?なんでつまらない?」と聞いたら、

「試合に出れないから」

と。私に衝撃が走った。息子にもこんな気持ちがあったのか、と逆に驚いてしまった。
「だろ?どうしたら試合に出れると思う?」

「もっとうまくなる」

はじめて、息子から能動的な言葉が出た。息子は悔しい思いをしているが、私は逆にチャンスと捉えた。
「そうしたら、もっとうまくなるように練習しよう。パパが全力でサポートするから」
息子は黙ってうなずき、ファールボールをとりに行った。

これまで、毎日の柔軟運動や家でのキャッチボール、素振り、ゴロ捕りを教えて一緒にやってきたが、ここでもう一つギアをアップして、息子の弱点に向き合った練習法を次回以降ご紹介していければと思う。

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