上げた足の注意点
前回までは、軸足(左利きなら左足。右利きなら右足)についてお話ししてきた。軸足の重要性や向き、そしてバランスなどについて触れてきた。
軸足の記事はこちら↓
今回は、軸足とは逆の、足を上げたほうの足(左利きなら右足。右利きなら左足)についてお話しできればと思う。
私は現在、少年野球の低学年のピッチングコーチとして、2人の3年生のピッチャーを見ている。2人とも左ピッチャーなのだが、タイプは異なる。それでも、私が2人をみていて共通して気になったことが、「身体の開き」だ。
身体が開いてしまうと、「腕の通り道」ができるので、投げやすいのだろう。ただしロスも大きく、そのぶん腕にも負担がかかってしまうので、将来的なケガの心配もつきまとう。なので、小学生の時から、「正しい効率の良い投げ方」というのを身に付けさせるのが、私の役目だと思っている。
そして、これはクセになる前に、小学生の早い段階で習得させたい。クセになってしまうと、今度は修正が難しくなるからだ。
それでは、身体の開きという観点で、右足(足を上げる方の足。つまり、グローブがある方の足。左ピッチャーの場合、「右足」となる)について、触れていこう。
着地位置について
2人の投球をはじめて見たときに、真っ先な感想というのが、「打ちやすそう」というものだった。これはまさに、身体が開いているからで、ボールの出所が丸見えだったからである。
いわば、これまでの軸足の指摘も、身体を開かせないことを目的とした意識付けやトレーニングにつながっている。
そのうえで、彼らの右足の着地箇所をチェックしてみると、もろに開いていたのだ。これは、ダイレクトに「身体が開いています」と言っているようなものだ。
そこで、右足の着地箇所をチェックするトレーニングを開始した。
もちろん、はじめはクセになっているので、上手くいかないと思うし、違和感もあると思う。ただし、これが慣れてくれば、印がなくても身体が覚えてくるので、しっかりと真っすぐに着地することができるようになる。
やり方自体は、昔からやっているもので、おそらく多くの方も取り入れたことがあると思う。私自身も幼少期にこのやり方を教えてもらい、放課後毎日チェックしたことを覚えている。それが、いつしか毎回ちゃんと真っすぐに着地することができるようになり、今でも真っすぐステップすることがクセになって、身体が覚えているようだ。
足を上げたほうの足の着地位置を修正するトレーニング方法
キャッチボールなどの時に、まずピッチャーのプレートに見立てて、横に線を引く。次に、相手の方向に向かって、縦に線を少し長めに引く。横の線と縦の線がぶつかり、「逆Tの字」のような、線が描けるかと思う。
(下図参照。青い逆Tの字の線)
そして、そのクロスしたところ(十字のところ)に軸足を直角に置く。そこから足を上げて投げてみて、右足の位置をチェックしてみよう。右足が縦の線より右側にあると、真っすぐ相手に右足を踏み出せていないことになる。最初はクセになっているので、難しく感じるが、繰り返し確認すれば真っすぐに踏み出せるようになる。
※左投手の場合の説明なので、右投手の場合は逆となり、左足の着地が縦の線より左側に行かないように修正していこう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?