能力の棚卸をしてみる
野球には、投げる、打つ、走る、捕る、などさまざまな能力が求められる。なので、あらゆるタイプの選手が活躍できるチャンスがある。たとえば、パワーがある選手、スピードがある選手、打つのが得意な選手、投げるのが得意な選手、捕るのが上手い選手など、必ずしも背が高いといけないわけでもないし、痩せていてはいけないというわけでもなく、それぞれが持ち味を出せるポジションが存在する。
突然だが、あなたは「ドべネックの桶」というのはご存じだろうか。これは、「生物の成長は、1番足りない栄養分に左右されるから、1番足りない栄養分を補わない限り、どんなに他の栄養分を足しても無駄になる」ということをイラストで示唆したものだ。つまり、栄養素は最少のものに依存してしまうということだ。
先ほどの「自分にあったポジションを野球では見つけることができる」、というのと矛盾しているようだが、能力が弱点に依存する、という側面は野球にも当てはまる部分もあるかと思う。
つまり、自分の一番弱い能力のものが、優れた能力の上限を決めてしまうということもありうる。ただし、それが能力を決定づけたり、他の能力の足を引っ張るわけではない。
ということは、自分の技能を分析し、得意な分野、向上すべき分野、足を引っ張っている点を書きだすことによって、能力向上の「戦略」を練ることができる。
そうすると、自分が弱いところはたいてい、他の人も弱いことに気付くだろう。ということは、少し弱みを改善すれば、他の人と差をつけることができる可能性が高いということだ。
サッカーの日本代表であった、岡崎選手は、一般的に自分の強みにフォーカスする人が多い中で、「自分は徹底的に弱みと向き合った」と語っていた。
これは、私にとって衝撃的な言葉で、岡崎選手が練習に取り組む姿勢は、まるで「道」を求める修行僧のようにも見えて、今でもその映像が脳裏に焼き付いている。
弱みを克服、強化するだけでその分野のスペシャリストになれるチャンスが出てくるだろう。そうすることが、目標までの道のりを戦略を持って進むことにつながり、目標達成までの時間を短縮することになるだろう。
自分の強み、弱みどちらにフォーカスすることもできるが、いずれにしても「戦略」を持って考えながら取り組むことが大切だと思う。