大会前最後の試合
今日は、来週の大会に向けての最後の対外試合となった。私は仕事で遅れて見に行ったが、グランドに着くと早々に、監督から、
「せがれがいい走塁したよ」
と教えてくれた。バッティングや守備でアピールできていればよかったが、それは今の息子からすると高望みしすぎで、むしろ今の自分ができることを精一杯やっている息子の結果を、評価して賞賛してもいいかもしれない。
試合はほとんど見ることができなかったが、来週の試合に向けてアピールはできたのだろうか。大会を進めていく中で、必ず息子にもチャンスがあるはずだ。その時に準備ができているように、チャンスをつかめるように、今できることに集中して積み重ねていってほしい。
大人にも当てはまるが、息子を見ていて再認識させられたことがある。
それは、人はいいも悪いも「勘違いや思い込み」から、自分の得意、不得意を自分で認識してしまうということである。
今回の走塁のこともそうだ。臆病である息子はアウトになることが怖いため、積極的な走塁なんて今まで考えられなかった。実際のところ、息子はそこまで足は速くない。それが、一生懸命走っていたら、周りから「速いなー、速いなー」なんて言われているうちに、本人もその気になり、「自分は足が速いんだ」と思い込んだのだ。それが今では自信となり、積極的な走塁として表れている。
そして、これが真なら、逆もしかりである。一度苦手意識がついてしまうと、今度はそれが事実と関係なくても、自分でそれが「不得意」だと認識してしまう。だからこそ、マイナスの思い込みが出てきたら、それは根こそぎ取り払わなければならない。そうしないと、負の意識は深くまでこびりつき、その人の行動を制限させてしまうからだ。
だからこそ、現在なかなか結果が出ていない息子のバッティングに関しては、何が何でも克服したいと思っている。そのうえで、思い出したいのが、得意なのも不得意なのも、どちらも真実でなく「思い込み」だということだ。実際、息子はバッティングが不得意ではなく、経験が足りないだけである。
これは何も息子に限ったことではない。子どもたちはみんな無限の可能性に満ちている。だからこそ、子どもたちが一人一人、いいプラスの思い込みができるように大人たちがサポートしていくべきだと思う。間違っても、子どもにマイナスの思い込みを植え付ける言動だけは、大人としては普段から気を付けていかなければならない。
智辯和歌山の元監督、甲子園68勝の名将高嶋監督が甲子園の解説で、
「いい試合は勝ってからこそ、いい試合だと言う。負けたらいい試合にならん。いい試合は負けたらあかんのですよ」
と、言っていた。甲子園、そして勝負の酸いも甘いも知り尽くした高嶋監督が口にしたからこそ、非常に重みのある言葉である。
子どもたちが自信を持って堂々と戦い、いい試合でなく、しっかり勝ちぬく。そんな大会となるように普段から子どもたちを技術面だけでなく、精神面からもサポートしていきたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?