KADOKAWAの事例は、適切なネットワーク分離の重要性を如実に示しています

ランサムウェア攻撃への対策として、以下のポイントが重要だと考えられます:

  1. ネットワークのマイクロセグメント化

    • 異なる機能や重要度に応じてネットワークを細かく分割

    • セグメント間の通信を必要最小限に制限

  2. ゼロトラストアーキテクチャの採用

    • すべてのアクセスを検証・認証する

    • 内部ネットワークであっても信頼しない

  3. 最小権限の原則

    • ユーザーやサービスに必要最小限の権限のみを付与

  4. 定期的なバックアップと復旧テスト

    • オフラインでのバックアップ保管

    • 復旧手順の定期的な確認と改善

  5. セキュリティ監視と異常検知

    • ネットワーク全体の常時監視

    • AI/MLを活用した異常行動の早期発見

クラウド環境においても、これらの原則は同様に適用されるべきです。AWSの場合、以下のような対策が考えられます:

  • 複数のAWSアカウントの使用(機能や環境ごと)

  • VPC*の適切な分離と設計

  • セキュリティグループとNACLの厳密な設定

  • AWS Organizations、IAM、AWS Configを活用したアクセス制御と監査

このようなベストプラクティスを適用することで、ランサムウェア攻撃のリスクを大幅に軽減できると考えられます。セキュリティは常に進化する脅威に対応する必要があるため、定期的な見直しと改善が不可欠ですね。

*VPCはAmazon Virtual Private Cloudの略で、AWSクラウド内にユーザーが定義する仮想ネットワークです。VPCについて主な特徴を説明します:

  1. 独立したネットワーク空間:

    • AWS上で論理的に分離された自社専用のネットワーク環境を構築できます。

  2. IPアドレス範囲の設定:

    • ユーザーが自由にIPアドレス範囲を設定できます。

  3. サブネットの作成:

    • VPC内に複数のサブネットを作成し、さらに細かくネットワークを分割できます。

  4. セキュリティ設定:

    • セキュリティグループやネットワークACLを使用して、詳細なアクセス制御が可能です。

  5. 接続オプション:

    • インターネットゲートウェイ、VPNゲートウェイ、Direct Connectなどを使用して、外部ネットワークとの接続が可能です。

  6. ルーティング設定:

    • カスタムルートテーブルを使用して、ネットワークトラフィックの制御ができます。

VPCを適切に設計・構成することで、セキュリティを強化し、ランサムウェアなどの脅威からリソースを保護するのに役立ちます。例えば:

  • 異なる機能や重要度に応じて複数のVPCを作成

  • VPC内でサブネットを適切に分離(公開/非公開)

  • VPC間の通信を必要最小限に制限

  • セキュリティグループとネットワークACLを厳密に設定

これらの方法でネットワークを適切に分離することで、攻撃者の横展開を防ぎ、被害を最小限に抑えることができます。

VPCの適切な設計と運用は、クラウド環境におけるセキュリティの基盤となる重要な要素です。

2024年6月26日追記
クラウドに関しては自前のものを利用していたなどの報道もあり、適宜追記いたします。

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