教養としての投資

やはり多くのお金の教科書的な本では、20代のうちはお金を貯めるのではなくどんどん自己投資をしましょう論が多い

理由は単純で20代のうちに貯金ができる額なんて高が知れていること
20代に経験することはその後の人生長くにわたって影響を与えること

だろう

ディーラーもソムリエと同じように自分だけの道を見つけることが重要らしい
世界中にいるソムリエは自分独自の感覚を持っている。
ソムリエになるために絶対的な方法などなく、合格した人間の方法をそのまま真似しても自分に合うとは限らない。時間をかけて、考え抜いて自分だけの方法を見つけることが重要なのである。ディーラーも似たようなもので成功者の真似をしても儲からない、自分の感覚を知りそれに従う必要がある。

日本人の個人金融資産が増えない理由は現金のみをずっと持ち続けているため。
アメリカなどでは投資信託など株として持っている比率が高いため伸びてきている
そして今後団塊の世代がその現金を切り崩して生活していくため、1800兆円の現金も減っていくと言っている。

自分の仕事上関係のある三菱グループの岩崎弥太郎と渋沢栄一はライバル関係だったらしい

日本人は投資が嫌い、苦手というのは間違いで敗戦が大きいという
これまであった財閥が解体され、資本家としての成功体験がなくなってしまった。
それから更地になり、労働者として働くことしかできずお金がない状態が続いているらしい。

楽して儲ける方法なんてない、これを肝に銘じる必要があると感じた。一番説得力のあるのはお金を儲ける方法があったとしてなぜそれを拡散するのか?
自分のものにしておきたいというのが基本だろう。
しかも出回っている時点でその方法は価値がない、みんなが実践してしまえ場なんら特別ではなくなるからだ。

著者は投機家を痛烈に批判している。インターネットには投機ゲームにたまたま勝利した人たちを見かけるが彼らのゲームはクソであると言ってる。
投機家はお金儲けのゲームをしているのに対して、投資家とは価値ある事業に投資をしてさらに良い世界を作り上げることを前提としている。

これは確かにその通りであると思うが、投資家もお金が儲かるからこそ頭を使って必死で企業の価値を見定めているんだという点もしっかり強調してほしい。ウォーレンバフェットはどちらかといえば世界を良くしたいよりもお金を集めたい、収集欲の強い人間でお金が根っから好きなんだと思う。

利益は動体であり、株価は尻尾である。株価は常に動き気になるが、重要なのは胴体が大きくなるかどうか


原価50円のものがあってそこから顧客は1000円の価値を受け取ることができる
アメリカの経営者であれば500円で売り、日本人であれば100円で売る

素晴らしいものを低価格で提供しているのだから日本人は優しい人種だ。

とこんな感じの文があったがこれはとても根深いと思う
もちろん奥野さんのように経営者として正しいのはアメリカの方であり日本人は褒められたものではないというのはその通りだが、やはり資本主義自体日本からしてみれば欧米諸国に押し付けられているものであるというのが正しい理解だと思う。

経営者として正しいことをしなさい。この指摘はもっともで経済のゲームに乗っている以上従った方が良いことは間違いないが、日本の歴史の中で出来上がってきたものを無視してこのゲームに参加しろと言われているのは無理があるのではないか?

しかしではなぜ昭和日本は成功したのか?
そう考えると成功も失敗もたまたまである。というのが回答か?

数値は未来を語る物ではなく、過去の出来事を現在形にしたものに過ぎずチャート分析などは星占いと同様であるらしい、
著者もディラー時代にはチャートを真棒していたが、当たったり外れたりだったらしい、結局あぁいったものは出版社が儲かっているだけで事実無根なのかも

投資対象を選別する上で一番大事なのは仮説を立てることだという、参入障壁がなんなのか探るためにも仮説を立て検証することが大事であるらしい。

ニューヨークやロサンゼルスにいないといけないと思っているのは短期投資の連中であって長期投資をしている人間にとって地理の問題などどうでも良いこと。
ウォーレンだってネブラスカ州のオハマに住んでいるぐらいである。会社訪問などに時間を割くのではく仮説を立てることに時間を割いているらしい。

奥野氏にとって投資とはものづくりの感覚に近いらしい、車を組み立てるように入念に仮説を立てて納得がいけばそれを企業に確認して、間違っていれば修正問題なければそのままゴーサインということらしい

実はAIは参入障壁が低く誰でも参加できる、そこでAI競争で重要になってくるのは一次情報である、その情報を持っている企業こそ強い時代になるのだと。
確かにその通りかなと思う。

インフォメーションとインテリジェントの違いは、インフォメーションは一次情報であり生の情報というイメージ、しかしインテリジェントは意思決定するために加工された情報という意味がある。なるほどCIAのIがインテリジェントなのは大統領の意思決定をする上で重要な情報を集めるためにそう呼ばれている。

投資期間が長くなればなるほど情報を集めることの重要性は下がっていく。
最近の人はインターネットによる情報の過多で考えることを放棄している?
インフルエンサーなどから流れてくる情報が多く考えることをやめたらしい。

PERとPBRは何の価値もない指標である。誰でも入手できてこれらの指標の必勝法があるならみんな大儲けしていないのはなぜか

S&P500がプロスポーツチームだとすると、TOPIXはプロアマ老若男女混合のチームである、これめっちゃわかりやすい


読んだ感想
・これまでの投資本と重なる部分は多かったものの、独自の方法論を持っている
そのためには脳みそに汗をかくことが最も重要であることを何度も強調していた











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