"Garraway F" に贈る手紙
あなたは "Garraway F" を知っているだろうか?
福岡市天神のビル『VIORO』に場を構える、コワーキングスペースだ。
足を運び、アプリに登録してくれた人達に下記のような環境を無料で提供している。
Wi-Fi環境
充電場所
座り心地のいい椅子と机
美人で笑顔の素敵なスタッフの方々
提供元の企業は日本最大手自動車メーカーでお馴染みのトヨタだ。
一見、地域の若者に対して活躍のための場を提供する素晴らしい試みにも見える。しかし、彼らはこの場を作るに至った本当の狙いを果たせているのだろうか?
本記事では、日本の大手企業トヨタが行うコワーキングスペース事業"Garraway F"の目的と現状の乖離、そしてその裏側に存在する大人の事情について迫っていく。
ギャラウェイのミッション・ビジョン・バリュー
ギャラウェイはミッション・ビジョン・バリューを掲げている。
この記事を読んでくれているアナタも、流石にミッション・ビジョン・バリューなるものが98%の企業では形骸化していることは言うまでもなく理解していると思いたい。
まず説明すると、あなたの勤め先の会社同様、このギャラウェイもまた、その形骸化の文化を踏襲している。
つまりミッションを果たせていない、ビジョンに向かって進んでいるように見えない…ということだ。
ここであえてバリューについては触れなかったが、バリューについてはおそらくそれ以上の問題があるので後述に触れるとしよう。
そもそも、ギャラウェイのミッション・ビジョンとはなんだろうか?
今まさに私はギャラウェイで本記事を書いているのだが、正直なところを言えば、繋がりなんて生まれてないし、スタッフも繋ごうとはしていない。ましてや、利用者もそれを望んでいないのだ。
ここからは恐らくの推論となるので、あくまで仮定の話だと思って読み進めて欲しい。
ただし、断言できるのはギャラウェイの利用者の100%は繋がりなど求めていない。
繋がったら嬉しいかもしれないとは思っているが、繋がることはないだろうから、作業をしている間、ついでに受け身で待っている。そんな感じだ。
数年間、通っている私ですら
「すみません今ちょっといいっすか??」みたいなことをしたこともないし、されたこともない。
それに、せっかくこんな記事を書いているのだ。周りにいる仕事熱心な若者たちにインタビューでもすればいいのだが、そんなことができそうな雰囲気でもない。
なので、もしこの記事がトヨタやGarraway Fに関係する人間に見つかり、「勝手な主観で記事を書くな」なんて言われた日には、Garrawayで誰とも繋がれなかったことや、インタビューできるような場ではなかったと言うことが理由として語られることになってしまう。
そんなことをこの口から話す時が来ないことを切に祈りつつ、諸悪の根源「バリュー」について語っていこう。
諸悪の根源 "バリュー" の空回り
これもまた、私の独断と偏見とユーザーとしての実体験に基づく話となる。
まず問いたいのだが、このミッションやビジョンを忘れて、作業場所としてのみ機能しているギャラウェイの現状は何点なのか?
恐らく50点は下回るに違いない。
この点数の根拠となる理由については、これまでの文章で触れてきたので、これ以上の言及はしない。
しかし、この状態を作り出した諸悪の根源であるバリューについては語らせてもらうとしよう。
まず、現状のバリューは下記のものとなっている
果たして上記のバリューを満たすことが、ミッションを果たすことにつながるのだろうか?ビジョンに近づくための行動指針となっているのだろうか?
否。現状はハシゴの掛け違い状態になっている。
誤解を招くのは嫌なので先に説明するが、間違っているのはバリューの設定であり、スタッフの方々ではない。
あくまで私個人の見解だが、現在のスタッフの方々は、本当によく働いていると思う。バリューに対して、非常に忠実な行動をしていると思う。
けれど、繋がりを生み出しているか?と聞かれれば、誰もが本音ではNOと答えるはずだ。
場所を作るのも、組織を作るのも、人の仕事だ。
その人たちがどこを向いて、何を意識して仕事をしているのか次第で、事業の行先は変わってくる。
意識すべきを意識しなければ、求める結果を得ることはいつまでも叶わない。
車がどれだけ便利で速くても、向かう方向が間違っていれば何の意味もないように。
最後に愛を込めて。
私には、一緒にこのギャラウェイを利用する友人がいる。一緒にスタートアップを志して活動してきた無二の親友だ。
彼は、私が今は諦めたそのスタートアップの道を、今も走っている。
彼自身、事業が好調なので、繋がりを持つことに対して、急を要するような状況ではない。
しかし、それでも彼は枯渇していた。
「もっと面白いやつと繋がりたいんだ」と。
ある日、そんな彼から僕は相談を受けた。
「面白いやつと出会えないし、東京にでもいこうかと思っている」
寂しい気持ちもあったが、彼の未来を奪いたくはない。
僕は悩む気持ちを押し殺して「行ったらいいじゃん」と背中を押してみた。
すると彼は「うーん、福岡にいたい気持ちが強いから…悩ましいね」と苦笑いをしていた。
そんな彼に最近、息子が生まれた。まだ一才にも見たないその子はスクスクと育ち、元気よく遊んでいるのを見かける。
僕は彼の息子や彼自身の未来に、福岡の住みやすさは必要だと思っている。もちろん、友人として近くにいて欲しいという気持ちもある。
ただ、僕は考えるのだ。
彼が福岡で起業家としてして名をあげるために必要なのは、"つながり" ではないか…と。
繋がりさえあれば、家族と仕事の二択を選ばなくてもいい状態を作ることができるはずなのだ。
私はギャラウェイやトヨタの皆さんが現在提供してくれているコワーキングスペースとしての場は、今のままでもとても素晴らしいと感じている。
しかし、彼や、福岡の若者たちの未来を考えた時には、どうしても「ギャラウェイがもっと上手く機能すれば」と考えてしまうのだ。
あの多くの起業家を輩出したことで有名なハーバード大学のように、繋がりが生まれてしまう必然性や仕組みを作り出して欲しい。
本記事の内容は全てギャラウェイとそれに関わる全ての若者の未来を案じるが故の言葉だ。
よければ、真正面から捉えて正しい方向に前進する力に変えてほしい。
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