「クリエイティブを読む」選書リスト紹介
2023/6/23に開催したクリエイターズジャム「クリエイティブを読む」の選書リストをご紹介します。
イベント開催レポートはこちらをご覧ください。
選書リスト紹介
▼出貝智子さん
デザイナー
Optima Design 代表
https://design.optima.works/
選書
・小さなベーカリー&焼き菓子店のデザイン
選書コメント
小さな店舗づくりの参考に、と購入したのですが、パンと焼き菓子の写真があまりにもおいしそうで、仕事のためというよりも趣味の雑誌を見る感覚でページめくってします。掲載されている店舗は、どれも外観や什器に至るまで独自の世界観が築かれているほか、パン・焼き菓子にも独創性が感じられ、それらを一つの店舗としてまとめ上げる店主のディレクション力も非常に参考になります。
▼小屋畑由佳さん
EC運営サポートなど
選書
・大正ロマン着物女子服装帖
・とんがり帽子のアトリエ
選書コメント
大正ロマン着物女子服装帖大正、元々は着物が好きで購入した本。今改めて読み返すとデザイン性の高さに驚きました。柄と柄を掛け合わせる手法はなかなか真似できないなと思います。また、写真の撮り方も着物も昔のままの表現ではなく、現代社会に溶け込んで日常的なイメージをしやすい構図も参考になります。
とんがり帽子のアトリエは、漫画作品でもとにかく絵の表現力が素晴らしいこと。デジタルが主流な中、アナログで細部まで綺麗で繊細な絵を描いています。1ページが絵画のような場面は漫画のサイズでは勿体無いほどです。頭の中の創造力をかなり刺激されるので、普段は漫画を読まない人にもおすすめです!
▼金澤朋哉さん
デーリー東北新聞社 勤務(元記者)
https://www.daily-tohoku.news/
選書
・US BLACK DISK GUIDE
選書コメント
1960年代の黎明期のソウルから90年代初頭の初期ラップまで、ブラックミュージックの名盤800枚余りを網羅したレコードガイド本の決定版。新聞記者の道を選んだ私の生き方に影響を与えた形跡は全くない(笑)が、青春期を彩ったという意味では多少の血となり骨となっているのかも。現代と比べ圧倒的に情報量が少ない中で、自分にとって「ハマる」1曲を見つけ出す楽しさは何事にも代えがたかったなぁ、とノスタルジーに浸る今日この頃である。
▼yukiさん
教材クリエイター、翻訳など
https://kyozaisakusei.studio.site/top
選書
・自分の中に毒を持て
選書コメント
20歳くらいの時に初めて読んだ岡本太郎の本を選びました。「create」するお仕事に関わってから読み返すとまた別の意味を感じるようになりました。作成途中にとかく変わったものや新しいものを出したくなってしまう瞬間があります。しかしお仕事は人と人の関係で成り立っておりクライアントさんありきのもの。この本は奇をてらうことや芸術を爆発させることが優れたデザインではなく、ただ愚直に真面目を突き通すことが真に価値のある作品や仕事を生み出す(芸術でいえば爆発)のだという、個人で仕事をすると陥りがちな「自分色の出しすぎ」をセーブしてくれる視点もあるのだな、と今回読み返して感じました。
▼中村佳代子さん
フォトグラファー
fig_photography
https://www.instagram.com/fig_photography_hachinohe/
選書
・CAPE LIGHT(Joel Meyerowitz)
選書コメント
写真を勉強し始めた18歳の時に出会って以来、私の感性の核となり、審美眼を鍛える要素になり、憧れの存在になっている。
生涯で一番大切な写真集です。
出会いは、東京綜合写真専門学校の授業で担任の先生が私の作風を見て進めてくれたことがきっかけでした。
ページをめくるごとに広がるアメリカ北東部の避暑地として知られるケープコッドの海辺の風景はのびやかな光を帯びて、その場の空気や湿度まで写真を通して残っている、そして感じることができます。
モニターで写真を見ることがベーシックになっている今、この時代の写真集だけは世界に深く根を張り、未だに多くの影響を与え、そして癒しを与える、無くなることのないアートの1つです。
▼deep sea diverさん
アパレル、雑貨販売
https://note.com/lovely_lion779/
選書
・CALLIGRAPHY LIFESTYLE
・男子新体操: 選手とコーチの独習マニュアル
選書コメント
・どちらも線の表現です
・どちらも芸術的だけど、日常に寄り添っている
・どちらもほんの些細なことが心をときめかせ、笑顔に、体を元気にしてくれる
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
とても抽象的ですが、読み込むことで重要な事柄だと気づくことができます!
一緒に読むと納得です!
自分の生活や人生に必要なエッセンスが盛り込まれた2冊です!
▼上平美紀さん
選書
・Filmmaker's Eye -映画のシーンに学ぶ構図と撮影術:原則とその破り方
・WORKSIGHT 18号(ゾンビ号)
選書コメント
映画にまつわる2冊を紹介させていていただきました。
①Filmmaker's Eye
映像クリエイターが意識的/無意識に行っている画面構築の方法論を、的確に言語化したテキストブックです。撮る側はもちろんのこと、映画評論を志す人にもおすすめ。この手の映画テキストはまず解説カットが物語上どのような文脈で据えられているかを理解するのがスタートラインです。そのため見たことのない古典作品ばかりだと目次を見ただけでウゲェ~となりがちなのですが、本書は近年(~2009年)の作品が多く、現代の観客向けに執筆されています。もちろんビジュアルもふんだんです。
②WORKSIGHT
シネフィル(映画通)からはぞんざいに扱われがちな「ゾンビ」をとことん体系的に論じています。放っておくと消費されていってしまうポップカルチャーを、拾い上げて意味付けをしていく姿勢はいつも忘れずにいたいなと思っています。ジンのようにオルタナティブな紙面づくりにも作り手の愛を感じます。
▼金澤由佳さん
八戸クリニック街かどミュージアム
http://machikadomuse.org/
選書
・雑誌づくりの決定的瞬間 堀内誠一の仕事
選書コメント
堀内誠一と聞いてピンとくる人はどのくらいいるだろう。でも、雑誌「an an」や「POPEYE」「BRUTUS」「クロワッサン」「Olive」のロゴを見ると誰もが あぁッ! と目を輝かせ、携わった絵本の話をすると ぐるんぱ!ぐるんぱの!マザーグースの!と 興奮するのです。
アートディレクターの、デザイナーの、ロゴの、地図の、イラストの、絵本の堀内誠一さん。いろんな興味と行動力で、ひとつのジャンルに縛られず、丁寧で、それでいて遊び心がある仕事をされた凄い人。
知らないうちに、自分のこういうところは堀内さんに影響されてたんだな、なんて気がつく本でもあります。ガイドブックのような手描きイラストの地図は雰囲気が大好きで、いつか自分でも“堀内調”のマップを描いてみたいなー、と本書を開く度に思っています。
▼津久家康博さん
サインペイント、チョークアート作家
HANB CRAFTCORPS
https://www.instagram.com/hanb_craftcorps/
選書
・レタリング・バイブル
・夢いろチョークアート カラフルでポップなサインボードを描く
選書コメント
この2冊は、サインペイントやチョークアートを始めるにあたり、技術、技法を勉強するために購入しました。この2冊があったおかげで、筆やペンキ、オイルパステルの扱いやデザインの描き方を知ることができ、仕事としてサインペイント、チョークアートを制作できるようになりました。
▼蕨(ワラビ)加奈子
Webディレクター、Webコンサルタント
合同会社浜と山と 代表
コワーキングとコミュニティオフィス 風笑堂 運営
選書
・誰のためのデザイン
・「ついやってしまう」体験のつくりかた
選書コメント
紙媒体の制作部署からWeb制作部に移った頃、単に読みやすさだけでなく「クリックしやすさ」など人間の行動とデザインを合わせて考えるようになった頃に出会ったのが、人間中心デザインについて書かれた一冊目。
後から知ったのですが、UXの理解を深めたい方にオススメの入門書的名著だそうです。
そして「つい〜」は、UXがもっと分かりやすく説明されています。著者の玉樹真一郎さんは八戸市出身で、私が陶酔するマーケターでもあります。
いずれも、仕事をするうえで自分のお守り的な本です。
▼佐々木遊
クリエイティブディレクター
asobis
https://asobis.com/
選書
・四万十日用百貨店
・North Point
選書コメント
・四万十日用百貨店
高知県の四万十川沿い「イチノマタ」に住む、百姓兼デザイナー迫田司さんの日常を描いたエッセイ集です。
本誌では特にデザイン業自体に触れることはなく、くらしの中にある「モノ」にスポットをあてて考察していくが、その観察力たるやデザイナーとして尊敬します。軽やかな語り口も心地よく、何度でも開きたくなる本です。
実はブックデザインが原研哉!
・NorthPoint
急逝した八戸の写真家、中居裕恭さんの写真集。八戸の街並みや風土、里山のくらしを深く切り裂くように撮影された写真は、シンプルにいうと「かっこいい」。八戸を知らない人が見たら勘違いしてしまうだろう、と思えるほど、この地で生活しているものにとっては別世界に感じてしまう。中居さんと交流が深かった森山大道氏が写真を選んでいる。2016年に寺山修司記念館で行われた写真展にあわせて発刊された。