8月のクリエイターズジャム「妖怪✕DX」開催レポート
「クリエイターズジャム」とは、クリエイターが多く集まる風笑堂と八戸のデザイン事務所asobisが開催する、クリエイターによる、クリエイターのための、月替わりイベントシリーズです。
さまざまなスキル、さまざまな職域のクリエイターのつながりづくりや学び場を目的としています。
「妖怪 ✕ DX」 の”妖怪”
地域に古くから伝わる「妖怪伝説」。
八戸市にもたくさんの伝説が残っているそうです。
その中から今回は中心街とその周辺にスポットをあてて、妖怪伝説を巡ろうというまち歩きを企画することになりました。
「ちょっと怖い」という体験は、クリエイティブ脳を刺激するとか…。
さらに昔からの言い伝えのほとんどは口伝え。
文字も絵もない状態、話し言葉のみで物語を聴くと、頭の中でその情景などを描いたりしますよね。
話す方も、物語を構成したり抑揚をつけたり。
これらの行為もまさに、クリエイティブに役立ちます。
「妖怪 ✕ DX」 の”DX”
せっかくまち歩きするのだから、それをオープンストリートマップでマッピングしたらいいのでは!
ということで、八戸の歴史や文化財、伝承などをデジタルアーカイブしているプロジェクト、はちのへヒストリア エヴァンジェリスト 小倉学さんにご協力いただきました。
地域をデジタルアーカイブする。
これもDX。
伝承というのは時代とともに変わり、または消えます。
文化財も然り。
いつか消えてしまう大切な歴史をデジタルアーカイブする…
これは後世に伝える地域の資産でありアイデンティティの伝承。
ここに寄与できるのもまた、クリエイターのチカラなのではないかと考え、今回のジャムに組み込んだのです。
妖怪伝説めぐり
まち歩きガイドは、八戸市博物館学芸員 中尻貴之さん。
八戸でメドツ(河童)など妖怪のことを語らせたら右に出る者はいないというプロフェッショナルに、まち歩きの監修とガイドをお願いしました。
数ある言い伝えの中から絞り、5つのスポットをまわりました。
まずは八戸市庁からスタート
「あかてこ」のお話。
サイカチという木から伸びる赤い子どもの手。
その木の下には美しい女性が現れ、その姿を見た人は熱病にかかってしまう…
本気で怖いお話からのスタートです。
常海町まで移動。
ひっそりとたたずむ弘法大師堂の裏手の池に、千年生きたかと思われる白い大蛇が住んでいたそうです。
白い大蛇の物語は十和田湖にまで広がり…
常海町で壮大な物語を聞いた後は、十一日町へ移動して、狐のいたずらのお話を。
複数のお寺もあるこのエリアは昔、木が鬱蒼としていて、夜になると狐たちが尻尾で戸を叩くなどいたずらをしていた、というお話が残っているそうです。
舞台をはちのへポータルミュージアムはっちに移します。
昔、三日町に高半という呉服屋さんがあり、そこには主人にだけ見えるザシキワラシが居たそうです。
このザシキワラシが、色が白くきれいに見える時には良いことが、色赤く見えるときには悪い事があったそうで、高半の経営が苦しくなった時にはずっと、赤い顔をしていました…
最後は「姫塚」のお話。
三代八戸藩主の子として生まれた長姫は、両性具有。何かの呪いだと噂され、わずか1年半で亡くなったという不遇のお姫様の供養塔が、禅源寺にあります。
真夜中にこの供養塔を3回叩くと、長姫が現れるとか…
当日は朝からあいにくの天気で雨も降っていましたが、このお話をお伺いする頃にはかなり雨が激しくなったので、禅源寺を訪れるのはあきらめました。
まるで、ここには来るなと拒まれているかのよう…
はっちで、そっと手を合わせました。
中心街だけでもこれだけの伝説があります。
市内全域、または周辺地域の言い伝えも聞いてみたいと、興味がわきおこりました。
中心街をこんなにじっくりと歩いたことはなく、レトロな建物、かわいい看板、ステキなお店など、たくさんの発見があります。
そこに中尻さんのお話で背中がゾクゾクしたり、尻尾で戸を叩く狐の姿を想像してちょっとかわいいなって思ったり。
参加された皆さんのクリエイティブ脳はかなり刺激されたことと思います。とても楽しいまち歩きでした。
今回巡ったスポットは、はちのへヒストリア で確認できます。
「地図から探す」ページで、リストを選択し、「伝説」をタップしてみてくださいね。
最後に。
暑い夏のまち歩きで疲れた一行は、八戸で長く営業されている「らぷらざ亭」さんで喉を潤しましたとさ。
どっとはれ
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