![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/52922523/rectangle_large_type_2_81c36ca27ff2453755fbc6bcc757e598.jpeg?width=1200)
浜辺でのダンスレッスンを通して
梅雨の晴れ間。
快晴の空の下、サーファーがたくさん来ていたいつもより激しい波の音をバックに踊りました。
浜辺でのレッスンだからいつもの室内でのレッスンとはひと味違う、やりたかったことをやってみました。
今回はそんな、浜辺でのレッスン内容を。
1.足の裏のセンサー磨き
普段は靴を履いているとなかなか感じることを忘れている足の裏。
砂浜の上で、足の指も付け根も隅々まで動かして、足の裏全体で感じてみました。
足の指をもぞもぞ。指一本一本の力を使って、砂をかき集めます。
足の裏で穴を掘ります。
だんだん深くなっていくと、温度や湿度が変わっていきます。
感じられる柔らかい足を手に入れると、体全体が柔らかくなります。
床を感じて踊れるということは、ダンサーにとってとても大切なこと。
床を感じなくては、うまく踊れません。
床を離れる足先も美しくなりません。
柔らかい足の裏、よく動く足の指で自由自在に踊れる足を作るきっかけに、砂浜で、裸足で。
2.大きな空間を使って絵を描く
せっかくの広い海にきているのだから、大きな空間を使って、大きな絵を描いてみましょう。
足を絵筆に変えて、砂浜に描いたり、手先で空に描いたり、頭でだってお尻でだって描いてみましょう。
大自然にとけ込みながら、思いっきり体を動かして、表現してみる。
そうすると、なんだか普通のダンスでは動かさないような体の動きが出てきたり、絵を描いているんだけれど、ダンスに見えたりしてきます。
こんな動きが面白い!という発見にもつながります。その動きを利用してダンスにも取り入れていきます。
3.色んなものになりきってみる
表現力を磨くために、色んなものになり切ってみました。
「何になりたい?」と子ども達にきくと、いつもはうさぎや蝶々などが人気ですが、昨日の浜辺でのレッスンでは ”えび”、”あしか”、”かに”なども出てきました。
”えび”になって後ろ跳び。砂の上では跳んでも跳んでも進みません。
”あしか”も進みません。おなかや脚を砂につけて腕の力で頑張って進みます。砂まみれ、砂にくっついているのが気持ちいい。
”かに”も色んなカニが登場です。
バレエとはかけ離れた動きだけれども、様々な動きをすることが、結局は身体能力を上げ、どんな動きでもできるダンサーになるのです。
四つん這いで走ったり、ツイストしながら走ったり、ジャンプしながら走ったり・・・。
足で砂を力強く蹴る!
なかなか進みにくいし、足は取られるし、大変だけど筋力がつきます。
四つん這いになって走ったりすると、本能の脳が刺激され、野生的になってきます。
生きる上でそれはとても大切なこと。
大脳新皮質ばかり使うような生活では、食べたい!寝たい!これやりたい!などのやる気が減ってしまいかねません。
時には、犬のようになって走ってみると、自然の中の自分をとりもどせます。
4.鉛筆倒し
砂浜の上だからこそ、いつもより少し安心してできるこの遊び。
2人組になって、前の人が後ろに鉛筆のようにまっすぐになって倒れます。
後ろの人はそれをふわっと支えます。
だんだん深く倒れることができるようになります。
「後ろの人が必ず支えてくれる」という信頼関係がなくてはできませんが、温かい支えてくれる手が気持ちよくて、
「もっとしたい!」
の声が上がります。
誰かを信頼して、身を任せられるってしあわせです。
信頼してもらって、誰かを支えられることもしあわせです。
心がほぐれていくことが体感できます。
倒れてしまっても砂の上だから大丈夫。
倒れる感覚から動き出すというのを覚えておくとダンスにも生かせていいですね。
5.海ガメになって、命を感じる
亀のお産の話をしました。
そして、赤ちゃんガメがどうやって海に行くかを実際にやってみました。
砂に這いつくばり、手脚を一生懸命動かして海へと進みます。
顔はすぐ砂の上。
いつもと全くことなる視点がそこにあります。
白く砕ける波に向かってたくましく前進します。
命が生まれた海で、自分の中のたくましい命がつながれてきたことを感じてほしい。
その命をしっかりと次へとつないでいってほしい。
亀になって子ども達の元気な姿を追いながら、そう願いました。
6.波と踊る
打ち寄せる波と一緒に踊ります。
傾斜のある砂浜を波が美しい線をさまざまに描いていきます。
そこを走りながら、跳びながら、波と踊ります。
どんな波が来るかわからない。
その一瞬一瞬を感じながら、踊ります。
即興。
その場を感じて動く力。
決まりきった振りを覚えて、その通りに踊るだけでなく、その時に感じた事を活かして踊れる人になってほしいと思います。
7.大地と宇宙をつなぐ
深呼吸を通して、イメージングを行いました。
自分の体を通して、エネルギーを地球の中心まで届けます。
そのエネルギーを、体の戻して、今度は宇宙へ届けます。
また、その宇宙のエネルギーを体へ取り入れます。
深呼吸をしながら繰り返すと、足の下には大きな地球があり、頭の上には広大な宇宙が広がっているのを感じます。
そして、体はその通り道。
いつもこの感覚を覚えていたい。
無限のエネルギーがあり、それはいつでも私を通ってくれる。
このような様々な感覚を刺激した、海でのレッスンでした。
自然と踊ると、心と体がどんどん開いて、そして生きる上で本当に大切なことを学べると思います。
今度はどこの『風と踊ろう』にしようかな…?